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五大山から五台山・小野寺山・鷹取山を望む |
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先週向山へ行ったときは6分咲きだったヒカゲツツジ。1週間経って満開のようだ。丹波の各地で
ヒカゲツツジが咲いているので、他の場所にも見に行きたくなった。
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永郷池畔から鷹取山 |
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肩切り地蔵 |
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エルムいちじまへ向かい、改修工事がほぼ終わった永郷池近くの空き地に車を停める。近くの
田では田植え準備が始まり、トラクターが忙しく動いている。身支度をし、長尾テニスコートに下り
山裾を通って乙河内と与戸集落の境まで歩く。黒牛の飼育をされていて、番犬が賑やかに吠え
る。
尾根の先端に「肩切り地蔵」があり、季節の花が手向けられている。
与戸、乙河内のある美和地区は黒井城趾の北側にあたり、留堀城址や白毫寺の銅床など、縁
の地が多い。黒井城が落城する際、家老だった荻野氏がこの地に逃げのびている。地元では肩
切り地蔵さんとして親しまれているこのお地蔵さんも黒井城落城にまつわる話が伝わっている。
その話は、「丹波(篠山市・丹波市)のむかしばなし」第6集に収録されている。今では、肩こりに
効くお地蔵様としてお参りする人が多いそうだ。
肩切り地蔵さんにお参りし、取り付くところを捜す。鹿柵が張り巡らされているが、針金だけのと
ころがあったので、広い隙間から入っていく。
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コバノミツバツツジ越しに五大山方面を眺める |
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柵を開けて入ると、伐採されたところに落葉樹が植えられている。鹿の食害から守るためにプラ
スチックの筒がかぶせられている。
しばらくは伐採された木や枝がじゃまになり、とても歩きにくい。傾斜が緩き始めた頃、ようやく
尾根らしい道となる。コバノミツバツツジが満開で、ここまでのしんどさを忘れさせてくれる。ツツジ
の向こうにはこれから向かう五大山が高い。遠いなあ。
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点名与戸(四等三角点) |
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ツツジの道 |
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最初にこぶに四等三角点があり、紅白のポールが立てられている。点名与戸(213.9m)
である。三角点からは展望がないが、コバノミツバツツジが周囲に咲き、木々に囲まれてい
るのに明るく感じる。
三角点から西に歩いていく。尾根は与戸と乙河内界で、与戸と書かれた杭が打たれてい
る。杭は比較的新しく、その時に切り開かれたのか歩きやすい。
徐々に高度を上げながらさらに歩いていく。途中から杭がなくなり、少し藪っぽくなる。
Ca420の尾根は南北に伸び、木の間ごしに鉄塔から伸びる電線が見え、その先に鷹取
山が見えるようになってきた。乙河内側で「ポンポンポン・・・」という声。「おっ、ツツドリ!」
西の谷からは、「トトトトト・・・」というドラミング。二つののどかな声(音)は一人の寂しさを紛
らわせてくれる。
p341からの尾根と合流する付近は植林できれいに手入れされている。いったん途切れた
与戸の杭もどこからか現れ、ほどなく鉄塔に着く。
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鉄塔から五大山・愛宕山を望む |
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鉄塔は愛宕山と五大山の鞍部にある鉄塔から続くもので、巡視路がエルム側の谷へと下りている。
南北に開け、南にはヤブツバキの間から愛宕山と五大山が、北には親不知、高嶽などが少し霞んで
見える。
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急登でひといき |
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さて、ここから鷹取山の登りだ。どこから登っても急登の鷹取山。道はないが、足もとが藪ではないので
何とか歩ける。ジグザクに登っていくが、やはりこの山は急登だ。顔を上げると、目の前に芽吹いたばかり
の小さな葉。若葉に元気をもらってひと登りすると、見覚えのある景色が目に入ってくる。
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五大山からの下山の尾根を見る(鷹取山山頂より) |
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「ついたー!」
よく知った山域とはいえ、一人で登るのは何となく心細い。ここを登れば山頂とわかっていても無事に着くと
うれしいものだ。
ベンチに座って歩いてきた尾根を眺める。けっこう長い尾根だ。南にはこれから歩く愛宕山と五大山の山並
み。その斜面はヒカゲツツジの色の染まっている。今年はほんまによく咲いているね。
永郷池の近くにとめているたぬき車もよく見える。と、無線機からIRCをコールする声。GORYUさんの声だ。
GORYUさんはヒカゲツツジを求めて鋸山を歩いておられるそうだ。早い出発だったので鋸山を過ぎ、高坂越
えとのこと。ヒカゲツツジはまだ6分咲きだそうだ。
交信を終え、愛宕山へ向けて歩き始める。ここは分水界の道なのでよく整備され、歩きなれたところ。美和
峠をとおり、烏帽子山への分岐を過ぎると、いよいよ愛宕山の登り。
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愛宕山の斜面にもヒカゲツツジが満開 |
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愛宕山の取り付きから黄色い花が見える。花のない時期に来たときにはわからなかったが、ここにもヒカゲ
ツツジがたくさん咲いている。愛宕山の北尾根はロープが張られ登りにくいが、両側の花を見ながら登ってい
くといつのまにか上の方へ来ていた。頂上直下は切り開かれ、明るい陽ざしがさしこんでいる。ここも切りすぎ
やね。ヒカゲツツジは暑い陽ざしはあまり好きではないので、真夏の暑さで弱るかも・・・。
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歩いてきた尾根を見下ろす |
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愛宕山には11時半頃到着。ノートに記帳し、五大山に向かう。尾根の西側を歩き、いつもの岩場で氷上町
側を眺める。GORYUさんから再びコールの声。御在所山まで歩いておられる。もう少しで栗柄峠だ。情報交換
をし、交信を終えると、今度はおうちにおられるだっちゃんの声。夏野菜に備え、畑仕事をされていたそうだ。
ヒカゲツツジを見ながら無線で話していると、後ろから単独男性が来られる。五台山から歩いてこられ、三日
月山まで行ってピストン、そして美和峠から独鈷の滝へ下りられるという。先週は向山へ行って来たと、いわ
れるので、我が家の裏山です、と言うと、「たぬきさんですか。」 やまだよりをみてくださっているそうで、最近
丹波の山へよく来られているそうだ。五大山との鞍部の鉄塔で先を譲り、ゆっくりと花の写真を写す。
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五大山直下から愛宕山を振り返る |
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これまで気づかなかったところにもヒカゲツツジの花の色。振り返るとヒカゲツツジ越しに愛宕山。五大山ま
での道は満開のヒカゲツツジでずっとここで留まっていたいほど。五台山、鷹取山をヒカゲツツジ越しに眺め
ることができるのも今の季節だけ。
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五大山への道 |
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五大山山頂から |
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五大山山頂もヒカゲツツジが咲いている。ちょっと日焼けしているがここも満開。ベンチで持参のサンドイッ
チを食べる。OAPさんたちを無線でコールするが繋がらない。今日は無理かな、と思っていると常置場所の
TQFさんと繋がる。今日のコースをお話しし、しばらく交信する。
南には向山連山が横たわり、北斜面はヒカゲツツジできなこをまぶしたよう。今日もたくさんの方が見に来
られていることだろう。
そうこうしていると、先ほどの男性が三日月山から戻ってこられた。大峯や大台、鈴鹿など、ガイドブックの
山はほとんど登っておられ、若狭の山も歩いておられる。しばらく山のお話しをし、1時を過ぎたのでお別れ
してそれぞれの方向へ出発する。
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東の尾根を下りる |
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下山は五大山の東の尾根を下る。門のようにヒカゲツツジが咲き、その間を抜けて下りる。この尾根の北
斜面にはヒカゲツツジが多く、少し離れたところからでも開花が確認できたほど。向山のようにトンネルでは
ないが、木々の中で静かに咲いている様がとてもいい。岩肌に張りつき、一生懸命に咲いている花を見ると
感動さえ覚える。 |
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満開・まんかい・マンカイ・・・ |
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尾根の途中からの鷹取山 |
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小さなピークがいくつかあるが、どこも展望がいいように切り開かれている。ちょっと伐りすぎかな。先ほど
歩いた尾根と鷹取山が遠くになった。上の方では蕾だったコバノミツバツツジも下の方では満開で、ヒカゲ
ツツジと咲き競っている。ここではヒカゲツツジはごく普通の花なのだ。きどりもなく自然に咲いている。
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P320手前に鞍部に白毫寺とエルムへの案内板がある。そのまま尾根を行くと白毫寺。私はエルムへ木の
階段を下りる。最後のヒカゲツツジと別れ、暗い植林の中をつづら折れに下っていく。五大山からは道が整
備され、藪こぎもなく下りてくることができた。
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斜面を彩るコバノミツバツツジ |
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出たところは駐車場の上の堰堤のそば。コバノミツバツツジが斜面をピンクに染め、とても春らしい色。
車まで戻ると、朝は静かだったテニスコートも賑やかになっている。今日歩いた山々を眺め、ゆっくりと
車に乗り込んだ。
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