EVEは愛にはじまり愛に終わる 石金山
2000年12月24日

ふたつ手前のピークからの石金山
 至山、石金山は、兵庫県氷上郡山南町と多可郡黒田庄町境にある低山である。国道175号線の黒田庄や山南町付近を走行していると、頂上にほとんど木がない山が目に入ってくる。ちょうどさざえさんに出てくる波平さんの頭のような頂上である。

 
1台の車を小新屋観音に置き、山南仁王駅へ向かう。車を降りて準備をしていると、立派なHFのアンテナをつけた1台の車がやってくる。IUR大垣さんだ。MLでも無線でもご無沙汰だったので、どうされているかなあと思っていたが、お元気そうだった。9月にお父様が亡くなられ、今日は百か日の法要とのこと。そろそろお山にも行けそうだということである。MLで石金山登山のことを読まれ、わざわざ来てくださったのだ。
 IURさんのモービル機やモバイル、GPSなどを見せていただいていると、2台の車。会釈されるのでMLの方かなと思ったが、山南町の登山愛好家の方々で、6,7人でのぼられるようである。
 IURさんに見送っていただき、イタリ山登山口の標識に従い整備された道をのぼっていく。20分でイタリ山頂上(273.8m)。NHKの中継所と三等三角点。島田さんが来られたときは草におおわれ発見できなかったそうだが、登山道整備とともに草も刈り払われ、大事に守られていた。
至山からの加古川の流れ 至山の三角点
 至山から、田高坂まで1.5km、石金山まで3.1km、小新屋観音へは4.6kmとある。なかなか歩きごたえがありそうだ。

 小さなピークなんどもUpDownしているので、高度計は200m台をいったりきたり。12月とは思えないやわらかな陽ざしのなかを展望を楽しみながら歩いていく。
 登りはじめて約1時間で、田高坂へ。峠のお地蔵さんが静かにたたずんでいる。
田高坂のお地蔵さま 石金山山頂から千が峰
 ここからの登りは急だ。ロープが設置してあるが、滑りやすい。ここをクリアすれば頂上か。やっとの思いでのぼりついたまだその先に石金山。まだ先は長いようだ。
 なだらかな尾根を歩き、石金山手前の最後のピークを目指す。かなり急登のようだ。しかし、ここに歩きやすそうなソマ道がある。南に向いてるのでおかしいなあと思いながら歩いていると、やがて中町・黒田庄町境の稜線上に出る。しばらく藪の中をすすむ。正規ルートでないことは明らかである。藪をかき分け、登山道に戻る。
正規の登山道をふりかえると、ロープのかかった岩場だった。

 
ここから頂上へはすぐである。小新屋観音への分岐を過ぎ、頂上へ。下から想像していたよりも岩が多く、急な登りである。

 飛び出した頂上(508.7m)は、360度の展望。北には、篠ヶ峰から丹波氷上の山々。最奥に五台山が座っている。東の奥には、多紀アルプス三嶽、双眼鏡で覗くと深山のドームが確認できる。西に目を転じれば、千が峰から笠形山、飯盛山と千が峰の間には、先日行った高畑山も確認できる。

 そして、南は、加古川の流れの向こうに雄岡山、雌岡山、その間に明石海峡大橋。なんと、淡路島が霞んで見え、瀬戸内海が柔らかな陽ををうけてだいだい色に輝いている。航行する船まで確認できるではないか。

 お昼ご飯の用意をしていると、IXW、島田さんからコール。もうおうちの用事も済み、これから小新屋観音へドライブがてらに来られる由。そこへ白岩山移動のOAPさんからブレイクがはいる。思いがけなくお二方とおはなでき、心うきうき。

 すばらしい展望を楽しみながらのおにぎりのおいしいこと。

 無線でCQを出すが、あまり芳しくない。1時頃、少しとぎれたところで島田さんからのコールがある。
なんと、もう山南町まで来られているのだ。

 下を見ると、ブルーのCR−Vが小新屋観音に向かっている。それをしおに我々も下山にかかる。
下りかけると、イタリ山登山口におられたグループが登ってこられた。「今日は海が見えますよ。」と声をかける。
 
小新屋観音への道は植林の中なので、展望もなにもない。花・花の歌を口ずさみながら下りていると忍者のように音もなく島田さんが登ってこられるではないか。「お父さんあらわれた!」と思わず叫んでしまう。島田さんのことだから、じっと待ってはおられないだろうとは思っていたが、だいぶん上まで登ってこられた。そこからは、島田さんと山のことを話しながら下りていく。昨日の笠杉山〜段が峰もとてもよかったらしい。

 話していると、小新屋観音まではすぐだ。手足のけがなどに御利益があるのか、松葉杖などが納めてある。
石船にのられた観音様
 イタリ山登山口へ戻り、島田さんとお別れをする。

 I(愛)URさんに見送られ、I(愛)XWさんに出迎えてもらい、愛にはじまり愛に終わった山行でした。IUR大垣さん、IXW島田さんありがとうございました。思いがけず、お二人にお会いできうれしかったです。