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我が家から毎日見ている山、といえば、高見城山である。その姿に氷上槍と密かに私は名付けて
いる。高見城山の見え方でその日の空気の澄み具合がわかる。
氷上郡志によると
「・・・恐らく仁木頼章が丹波の守護として入国せし時に築きしものなるべし。」とあり、南北朝時代に
築城されたものである。本丸は頂上で米麦の焦げたものや硯などを発掘したとある。高見城山の周
囲には廓や石垣土塁等が散在し、全山を通じて広範囲に城跡が残っているともある。
いつもは丹波遊悠の森から登るが、今回は佐野から登ることにする。実は、近くの小学校で佐野か
ら遠足で登っていると聞いたことがあり、その登り道を捜したかったからである。
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古墳 |
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矢降神社 |
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車を柏原と氷上町境の萱刈坂近くに置き、車道を歩いて佐野へ向かう。佐野は175号線を挟ん
で東と西に分かれているが、東の方の集落から林道を奧へ入る。立派な猪柵の戸を開け、さらに
進む。アスファルトのまっすぐな道が続いている。平坦な植林地に古墳が点在している。岩が露出
しているところもあるが、円墳のようである。アスファルトが切れたところに神社がある。地形図の
鳥居マークの矢降神社である。「こんなところにお宮さんがあるなんて・・。」 歩いてみるといろい
ろな発見があるものだ。
さて、ここからどう進もう?このまま林道を進むか、火の用心マークが近くにあるのでそれを辿る
か・・・。「林道を歩こう。」父たぬきの一言で決まり!
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この頃はまだ道がありました |
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急な岩尾根をよじ登る |
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林道は草の生えた道となり、堰堤にぶつかる。道はとぎれたので、堰堤の右を登り、踏み跡らし
きものをたどる。谷を少し歩くと歩きやすそうなそま道が見つかる。しばらくその道を歩くが谷が二
手に分かれたところに出た頃から不明瞭となる。さて、どちらの谷へ?それとも尾根を行くか?思
案のしどころである。「こんなところを小学生が歩くわけないよね。」
「とりあえず歩きやすそうな右の谷に行こう」
しかし、藪っぽくなり、歩けなくなる。「この尾根にとりついた方がいいかも?」
たぬき得意の藪突破と激登り。岩の多い急な尾根をよじ登る。大きな岩を巻きながら少し展望の
開けたところで小休止。谷の向こうに白山が見えてきた。高見城山の南にある鉄塔が見える。腕
時計の高度計とコンパスから自分たちの位置を確認することができた。
「あらら、私の思ってた尾根の南の尾根を歩いてるわぁ。」
しかし、この尾根をもう少しがんばれば平坦になり、高見城山から石戸山への縦走路に出る。
「もうちょっとがんばろ!」
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やれやれ 巡視路 |
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高見城山〜石戸山の縦走路と合流 |
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岩まじりの尾根を登りきると少し歩きやすくなり、平坦になると巡視路に出る。巡視路はさすが
に歩きやすい。矢降神社の裏の巡視路を歩いていれば、この歩きやすい道を歩くことができた
のだが・・・。
やれやれこれからは道の心配はいらない。小さなピークを巻いて出たところは高見城山から石
戸山の縦走路。ハイウエイのような道を北へ歩くと、丹波の森公園へ分岐。そしてほどなく高見
城山の南のピークにでる。
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鉄塔 |
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登った尾根(白線) |
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このピークには数年前に鉄塔が建てられ、展望がよくなっている。ここも城跡の一部で鉄塔建設前の
発掘調査では古銭などが出土したと聞く。
鉄塔の下に立つと、360度の展望。しんどかった登りの尾根も見える。笠形山が少し霞んでいる。
南東には多紀アルプスを始め、見慣れた山々が居並ぶ。千ヶ峰も少しだけ頭を出していたが、雨雲
が隠してしまった。もう少し展望を楽しみたいところだが、雨がやって来そうなので高見城山へ急ぐ。
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山頂から南東の展望 |
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この道は何度も歩いているが、いつも北から南なので今日のように南側から登るのは初めて。山頂
直下の急登を登り切ると高見城山(485.2m)。展望抜群、石戸山が兵庫50山に選ばれているが
個人的には高見城山の方がふさわしくないか、といつも思う。展望を楽しみながらお茶を飲む。
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山頂から北西の展望 |
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北の方は吼子尾山が何とか見えるくらいで天気が悪そうだ。
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向山連山 |
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双眼鏡で覗くと、向山連山の麓に我が家の屋根が見える。お弁当を持ってきていないのでそろ
そろおりるとしよう。
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山頂直下の祠 |
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亀井戸跡 |
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山頂直下の祠から氷上・柏原町界尾根を少し探ってみる。このコースは登りに使う方がよさそう。
亀井戸を過ぎ、遊悠の森方面へ下りていく。
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登山道途中から北の展望 |
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途中に展望のいいところがあり、ここから五台山方面を眺める。以前かねちゃんもここで写真を撮
っておられたっけ。親子連れ二組に出会う。しんどいけど、子どもには親子でのこういう思い出を作
ってあげてほしい。
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大勢の人が登って行かれました |
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下の方で休んでおられる人々が見えます |
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なだらかな鞍部を過ぎ、また急な道を下っていると下の方からにぎやかな声、こえ。下を見ると登
山道でたくさんの人が休んでいる。
「ひえー、あの人たちが登ってこられるのか〜。」と思っていると、ガヤガヤと人の声。だんだん近づ
いてくる。
なんと、下と同じグループだが、こちらは健脚コース、下の人たちは尾根コースだそうだ。訊くと、
香寺町の野外活動協会主催のハイキングのようだ。赤い帽子をかぶっておられる方々が多く、同じ
色の父たぬきを参加者と思われた方もあったようだ。2つのコース併せて100名ほどの参加とか。
全員通り過ぎて行かれるまで待機する。
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展望台で |
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展望台から下りる |
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下山は遊悠の森へ下りず、東屋の方へ行ってみる。ハイキングの人たちの最後尾に追いつくと
「あんただれ?」
父たぬきは完全に参加者と思われている。すぐに勘違いとわかり、挨拶して追い越していく。
東屋のあるピーク(259m)では先に着いた人たちがお弁当を広げ始めている。にぎやかな人々
の間を縫って下りていく。
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お墓の裏に下りてきました |
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お地蔵様 |
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クモの巣をはらいながら下りていくと、トタンの猪柵のある鞍部に出る。南は三宝寺、北は新井
小学校の裏近くに出るはず。
ここは北へ下りた方が車に近いので、迷わず北へ。トタンに沿って歩くとお墓の裏へ出る。
村の中を通り、舗装路に出る。道路脇に黒白ツートンカラーの車。白いバイクも。スピード違反
の取締をしている。挨拶してパトカーのそばを通り、白バイをちょっと見学。
歩きながら対向車にパッシングをしてみるが、変な人と思われただけかもしれない。
お地蔵様にお参りし、萱刈坂を下ると車が見えた。予定の時間より些か長かったが、高見城
山の山域の懐の深さを実感した半日だった。
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