朝起きると雪が降っている。天気もよさそうだし、スノーハイキングにでも行ってみようかな。北の
方は雪はたくさんあるだろうが路面が心配だ。
篠山方面なら路面も大丈夫だろうというので、ささやまの森公園から深山へ歩くことにする。地
形図を見ると鉄塔があるので巡視路を利用できそうだ。また公園周辺の里山の整備もされている
そうだ。
国道372号線を東に走り、川原から案内板に沿って県立ささやまの森公園に向かう。八幡谷池
までくると雪の量も多くなり、父たぬきはスタッドレスがやっと役に立ったと喜んでいる。
池の奧にある公園の駐車場に車を置かせていただき準備をする。標高は300mを越えているの
で、暖かい車から降りると寒さがこたえる。この時間の公園は訪れる人もなく、静寂の中にまだ眠
っているようだ。
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ささやまの森公園 活動拠点施設 |
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木の階段を登っていく |
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職員の方が雪かきをしておられたので挨拶する。我々が深山に行くと知るといろいろアドバイ
スをしてくださる。最初に考えていた巡視路はまだ未整備とのこと。施設から林道を歩き、途中
に巡視路への入り口があるのでそれを歩いたらいいと教えていただいたので、その通りに林道
を奧へ歩いていく。1台分の車の轍が奧へと続いている。林道脇に4駆が置いてあるのでその
車のものだろう。足跡はその先を歩いていないようなので、登山者ではないようだ。15分ほど歩
くと火の用心マークがある。その先には丸太の階段があり、急な尾根を直登している。
植林がなくなると、雪でお化粧した美しい木々が現れ、何度も歓声を上げる。
府県界の尾根に合流すると、巡視路が二手に分かれているので、東の鉄塔73の方へ歩く。
右手に篠山から能勢町へ抜ける173号線が見え隠れしている。ほんの少しで73鉄塔。 |
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樹氷のトンネル |
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庫阪峠 |
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鉄塔からしばらくは緩やかな雑木の尾根を歩く。
「あっ、リス。」という父たぬきの声に進行方向を見ると、2匹のリスが雪の枝で遊んでいる。
「かわいいねえ。」
リスは突然の闖入者に慌てるようすなく、しばらくすると姿が見えなくなった。
急な683mピークの北斜面を滑りながら登り、頂上手前にある巻き道を進むと、また府県界
尾根に合流する。ここまで足跡は動物のものだけ。だれも歩いていない雪の道に我々の足跡
を残していく。
尾根が南東から北東にかわるところは尾根が南に延びているので「要注意やね。」と話して
いたのだが実際にそこまで行ってみると、南へのテープが付けられている。こちらの方がいい
道なので間違うと能勢町天王へおりてしまうことになる。
下ると庫阪(くらさか)峠で、活動拠点施設へ下ることができるようだ。南方向は大阪府能勢
町。 |
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舩谷山 |
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雪のトンネル |
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庫阪峠から階段を登るとなだらかになり、しばらく歩くと平らな舩谷山(730m)に着く。看板に
は兵庫・京都・大阪の3府県境とある。このあたりから雪は深くなり、深山の北側なので新雪の
下には、以前降った雪が固く残っている。
「これはスノーシューの世界やね。」
ツボ足では少し歩きにくいがこれも楽しい。雪のトンネルをくぐり、樹氷を見上げながらスノーハイ
キングを楽しむ。
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笹の道の先には深山山頂 |
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深山山頂の深山宮 |
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木がなくなり笹があらわれると、おへそのような岩のご神体をいただいた深山が近くに見えてき
た。ひと登りで深山頂上(791m)。男性が一人おられたが、我々と入れ替わりに南へ下りて行か
れた。
山頂には、深山宮と雨量測候所の大きな建物があり独特の雰囲気がある。眼下には冬枯れの
雑木の樹氷が美しい。陽にあたると融けて次々に落ちていく。
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山頂から南東方面の展望 |
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風をよけてお湯を沸かし、ラーメンを食べて温まる。周りの山々にかかっていた雲が少しずつ
あがり、展望がよくなってきた。
南西に特徴的な羽束山、そのずっと向こうに雄岡山、雌岡山が確認できる。六甲山の左には
海が光っている。双眼鏡で覗くと、高層ビルが霞んでいる。南には横尾山、剣尾山。西には大
野山、高岳。その北に弥十郎ヶ岳。北の方はまだ雲の中。半国山も姿をあらわしてきた。
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深山北尾根 |
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舩谷山から北へ歩く |
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風は冷たいがぽかぽかとして春のような天気。明るい陽ざしのなかで白い山々が輝いている。
もう少しゆっくりとしていたいが、そろそろ下山にかかろう。来た道をもどる。笹の尾根から雑木の
尾根、丸い舩谷山。いいねえ。太陽を背に歩くと、同じ道なのに往きとはちがう道を歩いているよ
うに思える。
舩谷山からは公園の東の尾根を北に歩く。向山にあるような木の道標が随所に設置され、迷う
心配はない。こちらの尾根もなかなかいい雰囲気だ。北へ歩くほど高度が低くなるので雪も少な
くなってきた。 |
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左肩にちょこっと覗いた深山 |
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70鉄塔から望む多紀アルプス |
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526ピークの次のピークへの登りで振り返ると、丸い舩谷山の左肩にちょこっと深山が顔を出し
ている。
526ピークの次のピークは、地形図には山名はないが、タキ谷とよばれる(567.8m)。登山
道は山頂まで行かず、山腹をまいて462ピークに続く尾根にのる。少し下ると73鉄塔からつづく
70鉄塔にでる。西方面がひらけ、ようやく雲が切れた多紀アルプスの山々が顔を出した。
「いいねえ。」
お茶を飲みながらしばらく展望に酔う。 |
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道のない下りの尾根 |
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散策路に飛び出る |
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さて、ここからいつものとおりミスコース。鉄塔から北西へ歩かないといけなかったのだが、西に進
んでしまい、道のない尾根を歩く羽目に・・・。登山道はないが藪ではないので、木の間をぬって歩
けば全く問題がない。上から木雨が落ちてくるので冷たいし、足下は融け始めた雪で滑りやすい。
しかし、なかなかいい雰囲気の尾根。
15分ほど下ると、散策路に飛び出る。散策路から林道に出てしばらく歩くと炭焼き小屋にでる。
活動拠点施設にもどりコーヒーでも飲もうと思ってさがしたが、そのような施設はなく、障子の向こ
うから話し声が聞こえる。何か研修でもあるのだろうか。間伐でもしているのか、チェーンソーの音が
谷間に響いている。
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静かな活動拠点施設 |
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駐車場にもどると、朝よりも雪の量は少なくなり、白線が見えるようになっている。我々が山に残し
てきた足跡も消えかかっているだろうね。
ささやまの森公園周辺は里山として整備されているので様々なコースを楽しむことができる。ちが
う季節にぜひ歩いてみたい。 |
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