大船山
兵庫 三田市

ピラミダルな大船山
 前日に籾摺りを終え、田んぼ仕事が一段落。但馬の方を予定していたが、天候が思わしくない。
webで何度も雨雲の行方を予想し、西光寺山か北摂方面へ行くことに決める。篠山まで来ると、西
方の山々はまだ雲の中。東の弥十郎はすっきりとした姿を見せている。
 
 久しぶりに北摂方面へ向かう。後川から羽束川沿いに南へ走る。目指すは大船山。十倉近くま
で来ると、南にピラミダルな大船山が姿を現す。大船山はどこから見ても三角形で同定しやすい。
まだフロントガラスには雨粒が残り、ときどきワイパーを動かさないといけないくらいだ。山々からは
ガスが上がっている。
 
 高平小学校の校区では廃品回収で忙しく軽トラが動き回っている。公民館は衆議院選挙の投票
所となっているので車を停めるところがない。
 
 波豆川に移動し、昼ヶ岳へ登ったときに置いたところに車を停める。
ツルリンドウ 十倉峠

 カナディアン大磯から十倉峠をめざす。テントを張ってキャンプをしている家族連れが、朝のひと
ときをのんびり過ごしている。
 台場クヌギを見ながら十倉峠へ。緩い登りだが湿度が高く汗びっしょり。十倉峠から山頂へは
830mとある。
 
大舟寺跡からの道と合流 もうすぐ山頂
 前回歩いたのは十倉からだったが、ずいぶん前なのでどんな道だったのかすっかり忘れてい
る。深く掘れた道の横に新たな道ができ、その上を歩く。

 十倉峠から10分で大舟寺跡からの道と合流する。下山は大舟寺跡方面へ下りるつもりだ。

 ここから大船山の東斜面を頂上めざして登っていく。三角形の山なので急登だが、15分ほど
で頂上に着く。
山頂

 頂上の中央には祠、大船山の磐余を書いた看板。そして丸太のベンチがある。前に来たときは
無線のQSOパーティーの時。父たぬきが無線免許を取って間もない頃だった。寒さか緊張かは
わからないが、震えながら無線機を握っていたことを思い出す。

羽束山(中央)と六甲連山

 南側が切り開かれ、雲がわき上がる六甲の山々が頭を出している。くっきり見えるのは羽束山。
墨絵のような美しさだ。墨絵は刻々と変化し、しばらくすると六甲山は雲の中に隠れてしまった。
西には千丈寺山 鳩が見送ってくれる
 西のわずかな切り開きからは、千丈寺山。目をこらすと、虚空蔵山、社の三草山。その向こうはま
だ雲が厚い。目を反対側に転じると天文ドームのある大野山。深山も見えるようになってきた。

 おにぎりとサンドイッチを食べ、無線で三田のTQFさんを呼ぶと、三木のMXFさんが出てこられた。
しばらくお話しし、下山の用意をする。
 下りようとすると、バタバタと鳥が飛んでくる。鳩が山頂めがけて飛んできて、桧の枝に止まる。近
づいて話しをしても飛び立とうとしない。よく見ると両足に色のちがう輪を付けている。我々が見てい
るとあちらもこちらを見ている。(^^)

 鳩に見送られ、山頂を後にする。下りていると空身の男性一人、そしてご夫婦連れに出会う。
「こんな日でも来る人があるんやなあ。」
自分たちのことは棚に置いて感心している父たぬき。
ホットケーキのようなキノコ 大舟寺跡

 十倉峠への分岐から大舟寺跡へは5分もかからない。谷を詰めたところの平坦地だ。
案内板には、1400年前に百済の僧、日羅上人が大舟山で修行の末、「舟寺」を創立
した云々、とある。しかし、霧が深く湿度が高いので堂宇の維持が困難となり、廃寺と
し、現在地へ移転したというようなことが書いてある。移転の時期が案内板は1499年
木にくくりつけられた板には1677年とある。200年ほどの違いはどういうことなのか?

 弘法大師が七堂伽藍を建て、多くの僧侶を養成したとあるが、往時を偲ばせるのはわ
ずかに残る石組みのみ。ここでどんな修行をしていたのだろうか。
町石が導いてくれる 地蔵菩薩が彫ってあります

 1基目は大舟寺跡から波豆川へ至る道沿いには町石が13基あるという。寺の入り口近くにすぐ
見つかった。摩耗が激しくなんとか地蔵菩薩とわかるが、文字は判別しにくい。同じような間隔で
次々に町石が現れる。その中には文字がはっきり残っているものもあり、保存状態は場所によっ
て差があるようだ。
ヤマジノホトトギス 左側の道から出てきました

 やがて、道は広くなり、林道をしばらく歩くと波豆川の登山道入り口に出る。13基あるはずの
町石は全部見つからなかった。どこかで見過ごしてしまったらしい。
 登山口は波豆川のバス停からすぐのところ。車まで1kmあまりを歩く。

 稲刈りはまだこれからのようだが、その準備をしている田もある。茅葺きの民家を眺めながら
歩き、鳥飼山が見えてきたら駐車地もすぐそこ。
 雨はすっかり上がり薄日がさしはじめる。山頂からの展望もよくなってることだろう。

 帰りは三田方面へ。有馬富士近くまで走ると「花山の湯」という看板が目に止まる。
 花山の湯はゴルフ練習場に併設され、駐車場の車のほとんどはゴルフ練習に来られたもの。
よく空いた温泉で汗を流し、篠山市今田町へ向かう。

 西光寺山の麓へ移動し、サギソウを捜す。サギソウは2.3輪。そのかわりサワギキョウが
きれいに咲いていた。

 蒸し暑いが山からの風はほんの少し涼しさを運んでくる。道沿いには黒枝豆の販売も・・・。
薬師の湯の販売所では丹波栗が並んでいる。暑さの中に秋を見つけた一日だった。

行った日 05 9/11
行った人 たぬき二人
山行タイム 駐車地8:50〜十倉峠9:10〜山頂9:35ー10:30〜
大舟寺跡10:45〜登山口11:25〜駐車地11:45
2.5万図 木津   山行地図


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