初冬の 西光寺山
兵庫 篠山市

篠山市今田町本庄付近から
新しい鐘ヶ坂トンネルを抜けると篠山市 巡視路を歩く

 父たぬき不在のため、一人で西光寺山へ向かう。新しい鐘ヶ坂トンネルを抜けると篠山市。ずい
ぶん走りやすくなった。
 古市から国道372号線に曲がる。私の車の前を行く3台のタクシーも同じ方向へ進み、住山へ
向かっていった。白髪岳へ登る人かな?

 西光寺池のそばに車を停め、堰堤から東の尾根に登ってみようと思ったが、藪で道が見つからな
い。引き返して、サギソウ自生地の手前にある巡視路を歩くことにする。

 広い道を歩いていくと鉄塔85に出る。西光寺山が大きく迫ってくる。鉄塔からしばらく歩くと、和と
彫られた石標があり、△329.1からの尾根と合流する。快適な道に思わず出るはな歌。
鉄塔84から東を眺める

 尾根に合流して5分ほど歩くと鉄塔84。東を見ると、高山・猿藪、ちょっと頭を出した白髪岳。
山々を眺めながらお茶を飲む。こんな時を至福の時と言うのだろうか。
落ち葉の道 たちまち藪っぽくなる

 鉄塔からしばらく巡視路を歩く。しかし、この先、鉄塔は尾根から離れているので、巡視路も
P541の東斜面を巻いて続いている。そのまま巡視路をすすみ、P541へ東側から登ってもい
いのだが、P541の南にある岩へ行ってみたかったので、巡視路から離れ尾根を歩くことにす
る。
 これまでの快適な道とはちがい、たちまち道はなくなり藪こぎを余儀なくされる。しかし、一人
ほどは通れるほどの空間があるので、わずかな踏み跡をたどって登っていく。尾根は広くなっ
ているところもあるので、下りは方向を見定めるのが難しそう。登りに使って正解だった。
P541の南の岩 岩から西光寺山

 木にブルーのPPロープが結びつけられている。その方へ進むと大きな岩が目の前に現れる。
板状摂理で、鉄平石のような平たい石がそのまわりにある。中央の大きな岩のところからは展
望がよく、南に展望が広がる。西光寺山がさらに近づいてきた。
 岩から少し北にP541があり、ここから尾根を西に歩くと西光寺山山頂。この尾根は少し切り
開かれ歩きやすい。しばらくなだらかな尾根を歩くと、いよいよ急登が始まる。標高差150mほ
どか。低い木の間をゆっくり登る。

山頂

 足下には秋のなごりの紅葉。北側の少し開けたところからは西光寺山から机坂への稜線。
一息ついて一気に登っていく。
 少し藪っぽいところを登りきると、西脇からの道に合流。すぐに山頂にでる。

 山頂へは一番乗りのようだ。しばらく展望を楽しむ。
山頂から東の展望
 
 東に、三嶽、白髪岳、ドームを乗せた北摂深山もよく見える。大船山から羽束山への三田
の山々。
 
南に六甲の山並みを眺める

 南には六甲の山並みと光る瀬戸内海。明石海峡大橋は肉眼でもよく見える。北の山々は雲がか
かり時雨れている。西の方は、笠形山は頭を出しているが、千ヶ峰は姿を見せない。

 東屋でお昼を食べていると西脇側から親子連れが3人登ってこられる。東屋で一緒にお昼にする。
にこにこと笑顔のかわいい男の子だ。
 ふわふわと白いものが風に乗って飛んできた。
「雪や。」とお父さんが子どもに教えている。北の方は雪なんやろね。

 明神山登山途中のOAPさんと無線で話していると、今田側からご夫婦連れが登ってこられ祠の前
にシートを広げておられる。

 もういちど展望を目に焼き付け、山頂をあとにする。
黄葉の山 風に舞う

 寺跡をまわろうかとも思ったが、今日は下りてから行きたいところがあったので、尾根から登山
道を下る。
 黄葉まっさかりの山を正面に見ながら下りていると、風で落ち葉が舞っている。葉っぱがくるくる
舞い上がってはどこかへ散っていく。
登り窯 手水鉢

 谷近くに下りてくると、トタン屋根の建物があり、中には登り窯がある。最近使われた形跡がな
い。登り窯から少し行くと、パイプで水を引いた手水鉢がある。少し口に含んでみる。正直言って
水の味はよくわからないが、なんとなく山の味がしたように感じる。

東屋へ下りる
 林道を東屋まで下り、西光寺山のいわれを読み、そういえばそういういわれがあったな、と思い
ながら車まで戻る。隣にもう一台停まっていたので、山頂で出会ったご夫婦連れのものかもしれ
ない。

 このあと、今年新しくできた兵庫陶芸美術館に寄り、古丹波の名品の数々を鑑賞する。古いと
いうだけでなく、何か引き込まれるものがある。美術館の裏山は虚空蔵山。山の斜面が黄葉しと
てもきれい。

 立ち杭の里は初冬を迎え、静かに暮れようとしていた。


行った日 05 12/3(土)
行った人 たぬき単独
山行タイム 西光寺池9:50〜84鉄塔10:18〜岩10:45〜山頂11:15ー
12:15〜東屋12:55〜西光寺池13:05
2.5万図 谷川   山行地図


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