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藤無山は但馬・播磨界に位置し、丸く大きな山塊は周りの山から同定しやすい。藤無山に登る
のはほんとうに久しぶりである。大屋スキー場からがメジャーなコースだが、今回は南の志倉側
からの道なき未知のコースである。
かねちゃん、MXFさんと一宮町三方町で集合する。父たぬきは村の日役。一人で遠阪トンネル
経由で神子畑、笠杉トンネルを走って集合場所に向かう。家から1時間半で到着。ほどなくお二
人が到着。MXFさんの車で志倉へ走る。
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谷に入る |
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ヒメレンゲ |
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事前にやまあそさんから教えてもらっていたところに車を置き、志倉にある「ゆずりは」という手
づくりの石けん工房さんへの橋を渡り、お家におられた奥さんにかねちゃんがご挨拶。快く敷地
内を通らせていただく。その上、すぐそこに道があるが荒れている、という情報を得ることができ
た。
谷には確かに道が続いている。ヒメレンゲの黄色が鮮やかな道を歩いていくと、踏み跡が薄く
なったので、急な斜面をよじ登って尾根をめざす。
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急登をよじ登る |
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尾根は藪っぽいところも・・・ |
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足もとは滑りやすく、登りにくい斜面をなんとか登って尾根に到着。踏み跡のない尾根を北へ歩
く。展望はないが、緑いっぱいの尾根。行く手を遮る枝をよけながらさらに登っていく。
OAPさんたちはどのあたりで西へ進路を取られたのだろう? 確かに尾根は藪なので、なるべ
く藪を避け、歩きやすいところを歩く。高星山の倒木やサルトリイバラ藪を経験していると、それが
ないだけでもありがたい。
Ca800ピークを過ぎ、少し下って登り返すと大きな岩。それを巻いていくとブナが現れる。若い
元気なブナと雑木の混成林。まだ藪だ。右手に伐採尾根が見える。先週やまあそさんが登った
尾根だ。無線をされるMXFさんにあわせ、小休止。粟鹿峰の移動局と繋がっている。一昨年崩壊
した管理道路は修復されているらしい。また一度行ってみないと・・・。
ツツドリが和やかな音色を奏でる。カッコウも今シーズン初めて聞いた。かねちゃんが
「夏やあ!」
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伐採尾根と合流する |
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伐採地から段ヶ峰方面を眺める |
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ブナが多くなってくると、伐採尾根も近い。低いアセビの間を抜けると伐採地が現れる。伐採地
まで登ると展望がパーッと開け、展望抜群!
「ここ、いいなあ!」 かねちゃんの感嘆の声。MXFさんは山の同定。 |
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志倉の谷と歩いてきた尾根(右) |
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一山 |
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志倉の谷と歩いてきた尾根が一望できる。南に広がる播磨の山々は緑濃い夏の装い。先日、
三久安山への登りで眺めた一山がひときわ大きい。
尾根の西側はブナなので、伐採地に残る切り株もブナのものだろう。伐らなければどんなにす
ばらしいブナの森だったか・・・。
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緑濃きブナの尾根 |
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ツツジとブナ |
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ここからはブナの尾根。ブナの林の中でひそやかに咲くミツバツツジのピンクがあたりを明るくし
ている。群生はしていないがところどころにあって、心を和ませてくれる。 |
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どっしり! |
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かわいい! |
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足下を見ると、貝割れのような二葉と本葉が出たばかりのブナの赤ちゃん。あちこちに芽を出して
いるので踏まないように歩くのが大変。(^^)
「持って帰って植えたらどうかな?」とMXFさん。
「ブナにはブナに適したところがあるんですよ。」と私。
藤無で生まれた赤ちゃんは藤無で元気に育ってほしいと願う。
下の方はそれほど太くなかったが、このあたりまで来ると大きなブナが目につくようになる。下か
ら見上げると、腕を空に向かって伸ばしているようだ。いいなあ!
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チゴユリ |
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頂上は近い |
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チゴユリもあちこちに咲き、小さな花々も春を楽しんでいる。
笹が目立ち始めてきたが、まだ藪というほどでもない。ブナの新緑がまぶしく、まだ若葉が出たば
かり。かねちゃんはしきりにデジカメのシャッターを押している。
「4月の終わりに歩いたのが最後で、久しぶりの本格的な山歩き。」と言われるが、足どりは軽い。
新緑の魔法がかかっているのかな。(^^)
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朽ちかけたはしごが・・・ |
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「いいなあぁ」 |
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少し笹が濃くなってきた頃、梯子のかけてある大きなブナが目に入る。梯子は上の方でブナにくく
りつけられているが、かなり古くとても登れそうにない。なんのために付けたものなのだろう?3人で
首をひねる。
いよいよ笹が濃くなり背丈ほどになってきた。
「赤テープ捜してくださいね〜。」と先を行くかねちゃんに言うと、すぐ近くに赤テープが見つかる。こ
のテープは志倉から林道経由の登山道の印である。やまあそさんに教えてもらっていたので、この
テープが見つかったおかげで早めに登山道に出ることができ、それほど藪こぎをせずに済んだ。(^^)
山頂直下には朽ちかけた古い株が残っている。こんなに大きなブナがあったんだと思うと藤無山の
大きさを思う。
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三時間で山頂着 |
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笹の中の細い道を登ると藤無山山頂。4人のグループと単独男性が食事中。山頂は東側が切り開
かれ、前よりも広く明るくなっている。
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山頂から東の展望 |
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志倉から3時間で到着。お腹が空いているが先に展望を楽しむ。粟鹿峰から千ヶ峰の山並みが
最奥に霞んでいる。双眼鏡で覗くと、粟鹿峰と雲頂山の間に反射板のある青倉山。緑濃き山は近
くに見える。
木漏れ日を浴びて昼食タイム。ブナを眺めながらのんびりと食べる。食後、MXFさんは無線をし
ている。いつも繋がるOAPさんはコールしても繋がらない。IXWさんも谷を歩いているのか、呼べ
ど応えず・・・。(^^)
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氷ノ山、鉢伏山(右)を望む |
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大屋スキー場への登山道を少し西に行くと開けたところがあり、氷ノ山から三ノ丸、鉢伏山、
瀞川山がたおやかな姿を見せている。連休の頃には真っ白だった氷ノ山も雪が少なくなった。
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大きな妙見山 |
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北には妙見山が高い。その向こうは蘇武岳だろうか、但馬の主峰が並んでいる。
山頂に戻り、下山の用意をする。赤テープを目当てにしながらしばらく笹の道を歩き、尾根から
離れて谷へと向かう。尾根の東斜面は原始の森で、苔むした大きなブナが独特の雰囲気を醸し
出している。
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原始の森 |
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「この辺、すごいなあ!」「大きなブナやねえ。」と3人とも感動しきり。植林がされる前は藤無
山はブナやミズナラの山だっただろう。今あるブナはこれからも残していってほしいと願わずに
いられない。 |
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「おおきいなあ。」 |
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生き証人 |
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トラロープや朽ちかけた木の階段が人の手によって付けられた登山道であることを伺わせる。
激下りをくだりきり、谷を歩く。南斜面の少し広い谷には春の花が咲いている。しばらくその谷で
憩う。
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谷を下る |
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林道終点に到着 |
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赤テープを頼りに谷を下っていくと、やがて沢になり、幾度か渡り返しながら歩いているといつ
のまにかテープがなくなっている。
「このまま歩いていったら谷を下りることになるけど・・・。」
ということで少し引き返すと、太い杉に結んだテープを発見。
「ここ、ここ!」
登山道は沢を渡り、斜面をトラバースしている。ここを歩いていけば林道に出る。
植林のなかのトラバース道をしばらく歩くと、藤無山登山口と書かれた立派な看板のある林道
終点に出る。
「出ましたよ〜!」
MXFさんは、Vサイン。(^^)
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林道を下る |
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清らかな水が流れる |
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伐採地を歩いているとき、ここに車が停めてあるのが見えたそうだが、その車はもうない。
林道をのんびり歩いて下る。林道は軽自動車程度の大きさなら通行できそうだ。1ヶ所、大き
な岩が転んでいたので、そこさえ通り抜けれれば終点まで走れそうだ。
林道が大きくカーブする手前に、地図通り北へ林道が上がっている。「揖保川支流 志倉川
源流」と書かれた新しい標柱がその林道を指し示している。この道を歩くと藤無山から東へ延
びる尾根に出られ、エアリアマップにもその道が載っているそうだ。次回はこの道を歩いてみた
いね。
林道はカーブすると、志倉川に沿って歩いていく。きれいな青い水が流れ、緑の木陰のなか
を歩くのは気持ちがいい。
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杉の根元から |
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もうすぐ車、というところに「藤無し山の水」という手作り看板が立っている。杉の木の根元から
わき出る水はとても冷たくおいしい。ペットボトルに水をくみ、父たぬきへのおみやげとする。
MXFさんの車で三方町まで帰り、それぞれ帰路につく。登りは少しアドベンチャーなところもあ
ったが、いいコースだった。
かねちゃん、MXFさん、ありがとうございました。(^^)/ |
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