様変わりする 大江山(千丈ヶ嶽)
京都 福知山市

 
 京都北部の山にお詳しいもっさんから大江山(千丈ヶ嶽)の山頂にすばらしいものがある。と
お聞きしたので、ちょっと行ってみることに・・・。

 林道を上って、鞍部の駐車場から登り始める。家を出たときはすっきり晴れた空がここへ来る
とガスが海の方からやって来て、天気があまりよくない。駐車場には滋賀ナンバーの車が1台。
足跡は千丈ヶ嶽へ向かっている。

 熊の出没に備え、無線機のラジオをつけて歩く。
アキギリ リンドウ

 歩き始めると、アキギリやツリガネニンジン、そして開花前のリンドウの紫が登山道を彩って
いる。この時期に大江山に来るのは久しぶりだが、やはり花の山である。
カメバヒキオコシ シュロソウ
鳩ヶ峰から赤石岳、三岳山(左奥の尖った山) 加悦谷の向こうに江笠山

 花を見ながら歩いていると鳩ヶ峰にはすぐに到着する。雲がたれ込め、北の依遅ヶ尾山は霞
み、南の方はまだ展望がきく。すすきは風に揺れ、加悦谷を隔てて江笠山、南に赤石岳と尖っ
た三岳山。しかし、千丈ヶ嶽の頂上はもうガスがかかりはじめ、今見えている山々も見えなくな
るのは時間の問題だ。鍋塚もどんどんその姿を隠し始めている。
登山道の脇に山積みにされた丸太 キャタピラの跡

 天気が気になるので先を急ごう。鳩ヶ峰の南側の登山道もオミナエシなどが咲き、いい感じ。
鞍部から千丈ヶ嶽へ登り始めると、何か雰囲気が違う。赤い線が引いてあったり、竹の棒がさ
してあったり・・・。そして、道の両側には丸太がたくさん積んである。
この丸太で階段を作り直すようである。竹や線は階段の場所の印となっている。
 千丈ヶ嶽から単独男性が下りてこられる。滋賀ナンバーの車の方だ。福井の山へ行こうと思
ったが、雨なので西の方まで来られ、せっかくなのでこの辺りでもう1座上るところはないか、と
尋ねられる。鍋塚へ行かれてもいいし、三岳山も1時間ほどで登れることを告げてお別れする。
 
 極めつけはキャタピラの跡。そして、工事を始めようとする男性が二人。さらに山頂には、キャ
タピラのついた小さな作業車と男性4人。

作業に向かう ヤマジノホトトギスは1輪だけ

 工事の相談が終わると作業車とともに北へ下りていった。千丈ヶ嶽山頂には小型のユンボが
置かれ、原付バイクも上がってきている。鬼嶽稲荷の方から上がってきたようだが、こんなもの
が上がってきているなら道も荒れているにちがいない。

 ガスで全く展望のない山頂で、工事で変わる大江山のこれからに思いをめぐらす。

 
鳩ヶ峰南斜面のオミナエシ ツリガネニンジン

 今日は杭を打って一段目の階段を作り始めたところのようで、いろいろ相談をしながら作業を
している。道をあけてもらって鳩ヶ峰への道を戻る。この素朴な道を歩くのもこれが最後か。次
に来たときにはあの丸太の階段が完成しているにちがいない。

 鳩ヶ峰に戻ると雨がポツポツ。鍋塚、大笠山へ行くのは取りやめることにし、車へ急ぐ。

 駐車場に戻ると、途中で出会った男性が岩をハンマーで叩いておられる。
「蛇紋岩です。」と見せてくださった。蛇紋岩の山は珍しいそうで、大江山には一度来たかった
のだと言われていた。
ハギ

 せっかく大江山まで来られたのに、もう少しいいお天気だったらよかったのに・・・。帰り支度を
しておられる男性にあいさつをしお先に失礼する。

 
 
烏ヶ岳管理道路のツリフネソウ



 帰りに烏ヶ岳へ車で上がってみる。庵我小学校の前から東へ管理道路を上っていく。ずっ
と前に来たときは枝が張り出し、途中で引き返したが、今回は何とか走れる。道沿いにはツ
リフネソウが群生し、ピンクの花が今を盛りに咲いている。こんなにたくさんのツリフネソウを
見るのは初めてかも・・・。

 

 やがて、道路は鬼ヶ城との鞍部に着き、南の烏ヶ岳へ向かっている。山頂近くの空き地には
ワゴン車が1台。アンテナなどの中継施設に仕事に来られているようである。

 山頂に上がると、一等三角点が静かに座っている。アンテナ施設林立し、展望が遮られてい
るのが残念。それでも南と西側の展望がよく、見慣れた山々が並んでいる。

 車に戻ると、仕事に来られている方から、「熊に用心して。」と声をかけていただく。最近はど
こでも熊注意なんだなぁ。

 大江山は少しずつ様変わりしているようだ。いつまでも花の山であってほしいと願っている。

行った日 06 9/19(火)
行った人 たぬき単独
2.5万図 大江山 内宮 山行地図

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