朝来山に春を訪ねて
兵庫 朝来市

 
 但馬の山へ行く途中、東西に長い尾根を持つ朝来山が目に入る。そのうち登ろう、と思ってい
るうちに月日が経った。

 午前中雨の予報だが、すぐに上がりそうなので予定通り南但馬自然学校へ向かう。やまあそ
さんと無線がつながり、彼は西側から登る予定という。

 
南但馬自然学校 たぬきコースから しかコースへ

 自然学校の事務所で入山許可を得る。地図もいただき丁寧に説明までしていただいた。自然
学校は小学校5年生が家を離れ、6日間、自然に触れながらさまざまな体験を行う。ここ南但馬
自然学校はそのための施設なのである。朝来山登山もプログラムの中に入っていて、小学生が
登れるように整備されている。そのため、朝来山の北斜面は自然学校の施設の一部となってい
て入山許可が必要なのである。

 準備を整え、キャンプ場からたぬきコースを歩き、しかコースへ出る。しかコースはコンクリート
の舗装林道で、歩くにはおもしろくない。しかし、道沿いには春の山に欠かせない、キブシやクロ
モジがかわいい花をつけ、目を楽しませてくれる。

 葉を落とした木の高い枝に黄緑色の物体。
「ヤママユ!」 
かわいいヤママユが風に揺れている。
キブシ満開
高い枝にヤママユ

 
ムササビコースへ 朝来山展望台

 しかコースをしばらく歩き、うさぎコースと合流。くまコースを見送り、そのまま歩いていくとむさ
さびコースへの看板がある。急な斜面につけられた木の階段を登っていく。
 
 自然学校で子どもたちが登るので、ポイントにはわかりやすい地名がつけられている。

 植林がきれ、伐採された支尾根に出ると、展望がよくなる。しかし、雨の後、低気圧が運んで
きた黄砂で全く展望がきかない。真正面にある金梨山や竹田城址も霞んでいる。

 明るい尾根で開局間もないだっちゃんと交信。千ヶ峰も見えるはずだが、今日は黄砂の中。し
かし声はクリアに届いてくる。

 しばらく歩くと朝来山展望台に着く。広場には木のベンチが置かれ、山の上とは思えない。山
名盤にはぐるーっと360度、山の名前が書かれているが、残念ながらそのほとんどが見えない。

 
頂上直下の雑木林 朝来山山頂

 山頂はもう少し西にあるので、雑木の気持ちのよい尾根をしばらく歩く。もう少しで山頂というと
ころで聞き覚えのある声。西側から登ってきたやまあそさんと出会う。展望台まで行くという彼と
いったん別れ、我々は山頂へ。植林に囲まれた山頂には二等三角点。展望はない。やまあそさ
んによると、以前は、展望台から山頂までは藪だったそうだ。今はハイウエイ並のいい道。
 山頂から少し西に展望のいい岩があるというので行ってみると、なるほど竹田城址が目の前に
望める。木が伐られているので、この岩の周辺も整備されるのかもしれない。
イケメンは麺を食べる(^^) やまあそさんは西へ・・・

 来た道を引き返し、戻ってきたやまあそさんと合流し、尾根の途中で昼食にする。やまあそさん
はみそ煮込みうどん。暖かくなると思っていたが、気温はそれほど上がらない。今日はコンロは
持ってこなかったので、温かいものはおいしそうに見える。

 一時間ほどおしゃべりをして、それぞれの下山方向へと向かう。やまあそさんは西へ、我々は
東へ。
我々は東へ・・・ タムシバのつぼみ

 展望台まで戻り、尾根を東へ歩く。しばらくは自然学校のハイキング道なのでいい道が続く。
 
 Ca700あたりで、くまコースは北東の尾根を下りていく。くまコースをみおくり、そのまま尾根を歩
く。よく歩かれていて、そのうちこちらも整備されるのでは?と思えるくらいだ。頭上に白い花。
「あっ、タムシバ!」
今年初めてのタムシバに出会う。

 P684まではまずまず歩きやすい。このピークから尾根は北東に方向を変え、また東へ向かう。
このあたりから藪っぽくなり歩きにくくなる。藪こぎは「いつものことなのでこれくらいはどうってこと
ない」と言いながら方向を間違わないように何度も地図を出す。
 
伐採地の縁を歩く 石仏が迎えてくれる
 
 P461の手前に伐採地があり、草原のようになっている。黄砂がなければいい景色が広がって
いるのだが・・・。尾根には古い鹿よけネットの残骸が残り、針金に足を引っかけないように注意し
て歩いていく。
 
 P461から北東の尾根へ。尾根の分岐で注意しながらようやく与布土の奧に下る。後半はほと
んど藪だったが歩けないほどでもない。適度な藪、と言ったところか。

農道のそばに宝篋印塔

 農道を歩いていると、田んぼの縁に小さな石仏。彫ってある文字は判読できない。近くには宝
篋印塔がぽつんとあり、石仏といい宝篋印塔といい、何やら曰くありげである。

 農道をしばらく歩くと与布土温泉に出る。温泉の駐車場には今日もたくさんの車が停まってい
る。

 舗装路をのんびり歩き自然学校へ戻る。入山許可札を事務所に返しに行き、下山の報告をす
る。

 黄砂はいよいよ濃くなり、青垣まで戻ると予定されていたパラグライダー大会も中止になって
いた。


行った日 06 4/8(土)
行った人 たぬき二人
山行タイム 南但馬自然学校9:10〜朝来山展望台10:35〜山頂10:55〜
山頂直下(昼食)11:30ー12:30〜与布土14:20〜自然学校15:00
2.5万図 但馬竹田  山行地図


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