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2年前に登ろうと登山口を捜したが、よくわからず、三峠山へ変更した。その三峠山も途中で
リタイヤ。それ以来、五条山はいつか登りたい山の一つとなった。
山頂には高圧鉄塔があり、西の510ピーク(おかやま)には電波塔があり、見つけやすい山
である。
五条山は北の猪鼻から登られることが多いが、地図を見ると山頂から南に延びる長い尾根が
よさそうである。鉄塔の巡視路も使えそうなので、この尾根を登ることにする。下山は510ピー
クから北山へ延びる破線の道を下りることにする。
先日登った鏡山の麓を走り、旧瑞穂町へ入る。瑞穂町は丹波町、和知町と昨秋合併し、京丹
波町となっている。
北山の集落から管理道を少し走り、水道施設のフェンスに自転車をくくりつけ、水原へ向かう。 |
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巡視路入り口から登り始める |
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巡視路を歩く |
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水原の奧の滝ノ尻林道を少し走り、林道の二股の少し広いところに車を置く。細い谷間には
水田があり、草刈りをしておられる。地図を見るともう少し奧まで田んぼマークがあるが、もう
耕作はされていないだろう。
少し戻って黄色い巡視路マークから登り始める。
あまり歩かれていないのか草藪で、倒木ならぬ倒竹が巡視路を覆っている。それに巡視路
名物のプラ階段でなく木の階段だ。一段ずつ針金で括り付けられ、手間のかかったものであ
る。
しばらく歩くと尾根に出て、歩きやすい道となる。低い灌木の明るい道を、目の前に五条山を
仰ぎながら歩いていく。振り返ると、雲がわき上がる多紀アルプス。
「いい眺めやねえ。」
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尾根は歩きやすい |
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再び巡視路を歩く |
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尾根を少し歩くと、巡視路は東へ下っていくので、そのまま下りていく。すぐに鉄塔に着き、巡
視路はトラバースして尾根からはずれ、さらに下っていきそうなので、赤いプラ杭のある切り開き
を直登して尾根に戻る。
尾根は、村の境界なのか切り開かれ歩きやすい。赤松混じりの雑木の尾根を快調に歩いて
いく。ホトトギスとウグイスが賑やかに啼き交っている。
「ええとこやねえ。」
黄葉の秋もよさそうだが、残念ながら松茸山である。
P463へ登り、少し下ると東からの巡視路と合流する。これまでの道は藪ということはなかった
やはり巡視路は歩きやすい。 |
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階段を登り切れば山頂 |
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わらびに覆われた山頂 |
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五条山への登りは古い丸木の階段。前を行く父たぬきが「おー!」と歓声をあげる。追いつい
て視線の先を追うと、南にすばらしい展望が広がる。三嶽、小金が近くに見え、雨石山、櫃ヶ岳
など、県境の山々が連なる。
木の階段が途切れると、次は最新のプラ階段。最初は数えていたが、他の考え事をしている
といつのまにかわからなくなった。(^^;
もう階段はええわ、と思い始めた頃、山頂の東にある鉄塔に着く。南北方向の展望が良く、北
には、尖った三峠山やなだらかな長老ヶ岳、南は京愛宕山から多紀アルプス。もちろん歩いてき
た尾根も眼下に見える。
少し西の道の途中に三角点(点名水原 三等三角点 568.5m)があり、山頂の真ん中でな
いので、「こんなところにある。」と父たぬき。
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北東の展望 |
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三角点は最高点ではなく、山頂はほんの少しだけ西に歩く。山頂は木が切り払われ、わらび
が群生している。北側の展望がよく、少し早いが山々を眺めながらお昼にする。父たぬきは、
MXFさんのように4エレの八木アンテナを組み立てて登山口からずっと持ち歩いてきたが、よう
やく電波が出せると早速CQを出す。しかし、どこからも応答がなく、後半のコースの状況がわ
からないこともあり、アンテナをしまってしまった。(^^)
ホトトギスが啼きながら頭上を飛んでいく。麓の道路では車がせわしく行き交うのが見える。
山上は、ほんとうにのどかだ。
まだ12時前だが、後半のコースを確認して出発する。
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いい道 |
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P510東のなだらかなところ |
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山頂から少し歩くとペンキの空き缶が転んでいて、コンクリートの杭の頭が黄色く塗られている。
山頂の北西端であるが、ここから南西へ下る。ペンキが木にも塗られ、国有林の境界見出し標が
ある。尾根は広く切り開かれ、とても歩きやすい。笹に覆われたところもあるが、膝くらいの丈な
ので歩くには問題がない。概ね、尾根の北側は植林で、南側は自然林でいい雰囲気。
黄色いペンキはずっとつづき、Ca440の長い尾根を歩き、西に進んで少し急な斜面をP482へ
登る。
482から西に下りると破線の道に出るので、その道をP510へ登り返すことにする。482から南
東へ延びる尾根もいい感じである。
下りると、植林の暗い谷となり、炭焼き跡もある。破線は谷を登っているので目の前の谷を登ろ
うとコンパスで確認すると、どうも方向が怪しい。
「これ、おかしいよ。破線の谷とは違う。」
我々の登ろうとしている谷は北へ向いていて、登った尾根は482から北西の尾根の途中だった。
「これなら、素直に尾根を歩いた方がよかったかも?」
「ま、いいか、藪こぎ、迷走はいつものことやからね。藪こぎがないだけでもよしとしましょ。」
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電波塔に出る |
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尾根は「へ」の字に曲がり、山頂東の急登を登りきると植林の平坦地に出る。背の高い草が茂り
その向こうに電波塔が見える。ようやくここまでやって来たね。藪をこいで出たところは四角い建物
の裏。NTTの電波塔の前で休憩する。
周りの植林が成長し、展望はあまりない。「あの電波塔に登ったら、展望抜群なんやけどね。」
木の間から覗くと、三嶽・小金が大きく見える。
さて、当初は破線の道を下りる予定だったが、しばらく林道を歩き、カーブしている付近から破線
の道に入ることに変更。 |
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林道途中からの展望 |
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林道沿いにはウツギが満開。最初のカーブを曲がり、西向きに歩く。再びカーブしたところか
らの展望が良く、「今日いちばんの展望や!」と父たぬき。西の山々が一望できる。霞んでい
るので、粟鹿峰、千ヶ峰がどうにか確認できるくらいだが、五台山〜五大山の山並みや兵庫
丹波の山々が墨絵のように並んでいる。無線で氷ノ山のIXWさんをコールするとちょうど氷ノ
山越で休憩中。あちらは今日も人出が多いようだ。
すぐそばには鏡山。鏡山から下山途中に見えた電波塔はここだったのだ、とここまで来てよ
うやく気づく。父たぬきは、はじめから知っていたようだが・・・。 |
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多紀アルプスが一望できる |
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展望を十分堪能し、再び林道を下る。ひらひらと目の前を1頭の蝶が飛んでいる。
「あっ、アサギマダラ!」
九州のある島では渡りの途中のアサギマダラが群舞しているというニュースが報じられていた
が、この蝶も南の島から長い距離を渡ってきたのだろう。ふわふわと飛ぶその姿を見ていると
どこにそんなエネルギーがあるのかと、感心してしまう。写真を撮ろうとすると高い木の梢に登
って行ってしまった。
林道が谷に近づいたので、谷の様子を見てみる。谷にはシダが茂り、道などは見いだせな
い。いまさら道のない谷を歩く気もせず、林道を歩いて下りることに。こういうことには不思議と
二人の意見は一致する。(^^;
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北山不動尊の滝へ寄る |
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樋からの滝 |
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林道を歩いていると、木の看板が立っている。何かな?と足早に近づくと『北山不動尊の滝』と
ある。
「これは見て帰らないとね。」と木の階段を下りていく。下りきったところにいかにも手作りといった
趣きの木の橋があり、「この橋、大丈夫かなぁ。」とおそるおそる渡る。見た目よりも頑丈でびくと
もしない。しかし、滑りそうなので要注意。橋を渡り、草の道を少し歩くと鳥居が見える。
「あれぇ、この鳥居。(^^)」
よく見ると、鳥居は塩ビパイプで作られている。先代のものは木製で腐ってしまい、すぐそばに捨
ててあった。「この鳥居なら腐る心配はないね。」
鳥居をくぐると祠があり、新しい鈴が懸けてある。その裏に滝が・・・、と思ってよく見ると落ち口
には樋がかけてある。「あららら、これは人工の滝。」
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手作りの橋 |
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小さな柿の花 |
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滝見物を終え、さらに林道を下りていく。進行方向には櫃ヶ岳や雨石山らしき山かげが見える。
林道途中には重機が置いてあり、何か工事でもするのだろうか。鍵のかかった扉まで下りてくる
と、西に林道が分かれている。温室の骨組みと藁のかかった稲木のある平坦地があり、民家の
跡かもしれない。林道脇には小さな柿の花がたくさん咲き、秋にはかわいい実をつけることだろう。
水道施設に戻ると朝と同じ姿勢で自転車が我々を待っている。道が急なので押して下りる。す
ぐ下の民家でおじいさんに山のことを尋ねるが要領を得ない。五条山からここまでやってきたと言
うとずいぶん驚いておられた。
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北山から510ピークを振り返る |
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510ピークを振り返りながら北山を後にする。水原までは自転車で30分ほど。集落が切れたとこ
ろからは未舗装の林道をゆっくり車まで戻る。トトギスが遠くで啼いていた。
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帰宅してかねちゃんのレポートを見ると、510ピークは、電波塔の北にあり、立ち寄っていないこと
が判明。画竜点睛を欠くとはまさにこのことですね。(^^; |
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