平荘湖を眺めながら 升田山・飯盛山
兵庫 加古川市

升田山から平荘湖を挟んで飯盛山を望む

 朝起きると、雪景色。まだ降り続いている。前日の暖かさが嘘のような天候に、山へ行こうとい
う気持ちが萎えそうになる。webで予報を見ると、南の方は降ってもちらちらくらいなので、またも
175号線を南下する。かねて予定の山を通り過ぎ、やまあそさん推薦の平荘湖畔へ行ってみる。

 加古川ウエルネスパークへ着いたが、天候は丹波と変わらない。「雪降りは日和と同じ」 母が
言っていたことばを思い出し、天候の回復を期待しながら歩きだす。駐車場の北にある神吉山や
鞍馬山は、以前、やまあそさんに案内してもらったことがある。今日のルートは、平荘湖南の升
田山と北の飯盛山を歩く予定である。

 平荘湖はダム湖で、約5kmの外周道路がある。雪がちらつく寒い日にもかかわらず、たくさんの
人が歩いている。中には走っている人もあり、「寒いのにごくろうさんやねえ。」、と話していたら、
「こんな格好しているのは我々だけや。」と父たぬき。
 
第3堰堤を渡ると山にとりつく 山上には古墳が点々と・・・

 第3堰堤を渡り、ガードレール下の升田山という木の道標に従って山にとりつく。シダの茂る細い
踏み跡を歩き、最初のピークに登ると「升田山一号古墳」の杭が立っている。古墳というと丸い円
墳や前方後円墳のようなこんもりしたものを思い起こすが、周辺を見てもそのような盛り土や岩は
見つけられない。

 昭和52年設置の看板には、古墳時代後期(6,7世紀頃)の円墳で、盗掘をうけ墳丘・石室の規
模は確認できず。埋葬された人は、益気里(やけのさと)近辺(升田山の南と北の周辺一帯)を支
配していた豪族の一部とある。

 古墳の標柱は尾根沿いにたくさんあるのだが、どこが古墳なのか最後までわからなかった。
 
整備された道 升田山から高御位山(左)を望む


 13号、14号古墳を過ぎると、道は整備されて広くなり、しばらく歩くと升田山の西にある細長
いピークに出る。尾根には平たい岩が目立ち、岩の上に境界を示す文字が彫られている。

 尾根の先端に立つと、眼下に加古川の流れ、その先は加古川市街が広がる。いつしか雪もや
み、薄日がさしてきた。淡路島の輪郭もはっきりとし、明石海峡大橋も近い。
「いい眺めやねえ。この辺でのんびりするのもいいかもね。」

 いったん下って、ロープのある岩を登ると升田山山頂(105.1m 三等三角点 点名上ノ山)。
 山頂には小さな木のベンチと三角点。ほとんど360度の展望。西には高御位山が大きく見え
る。麓から見ると何の特徴もない低山も、こうして登ってみるとたくさんの発見があるものだ。山
は歩いてみないとわからないとつくづく思う。


おそるおそる覗いてみる 両側が切れ落ちている

 升田山の南には、加古川新八景の八十の岩橋があるそうだ。我々は、北へ歩く。升田山全体
が岩の山で、北側も岩盤に覆われている。採石の跡なのか、両側が大きく切れ落ちている。狭い
ところは幅が1mほどのところがあり、強い風でも吹いていたら危ないくらいだ。おそるおそる下を
覗いてみる。すぐ下から犬の鳴き声。不審な二人連れを見つけたようだ。(^^)
下から仰ぐと・・・ 弁財天にあった家型石棺のふた

 岩橋はここかなと思っていたが、そうではなかった。この辺りを橋と呼んでもおかしくないが、明
らかに人によって削られたところである。岩の尾根を下り、下から見上げると岩がそそり立ってい
る。

 赤テープに導かれ下っていくとほどなく周回路に出る。第2堰堤の西端で南から車道が上がっ
てきているので、ここに車を停めて歩いている人もあるようだ。壁に花の飾られたトイレがあり、一
休みしている人も。
 弁財天がすぐ近くにあるので寄ってみる。家型石棺の蓋が展示してあり、説明の看板がある。
平荘湖周辺はほんとうに古墳の多いところだ。また、境内には鴨塚もある。鴨を供養しているの
かな?

 弁財天をあとにし、第2堰堤を渡る前に休憩。さて、出発しようと準備をしていると、見慣れた車
が。
「やまあそさんの車と同じ車やなぁ。」と思っていると、やまあそさん本人であった。しばらく、飯
盛山や八十の岩橋の話を聞いたりし、舞子へ向かうやまあそさんを見送り出発する。 
堰堤を歩いて飯盛山へ・・・「風が冷たい」 暖かいひだまりの道
 
 堰堤はダム湖を渡る風が冷たく、温まっていた体も徐々に冷えていく。第1堰堤を渡り終え、
舗装路を少し東に歩いてカーブのところが登山口である。標識はないが、テープがあるので
それが目印になる。ここでなくても、他にも道はあるようだが。

 南斜面なのでとても暖かい。堰堤で冷えた体が徐々に温まり、途中で上着を脱がないとい
けないほど暑くなる。風は冷たいが陽ざしは暖かく、風のないひだまりは春のよう。

 青空に白い道。航跡を残してジェット機が西へ消えていく。いいお天気になってきたね。

 
飯盛山へ 飯盛山反射板から望む小野アルプス 

 二つ目の鉄塔を過ぎ、しばらく歩くと相ノ山、飯盛山の標識がある分岐に着く。ここから北の
飯盛山へ向かう。飯盛山の山頂手前に大きな一枚岩があり、東の展望がとてもいい。至近に
小野アルプス。

 標識から10分で飯盛山山頂(216m)。堰堤から見えた反射板が東側にある。風のこない
ところでお湯を沸かし、お昼にする。無線でTQFさんとつながり、しばらく交信する。
 ラーメンを食べ、コーヒーを飲みながらひだまりでのんびり。
南には明石海峡大橋

 
北には志方城山と遠くに笠形山

 展望を楽しみ、来た道を戻る。標識のあるところで相ノ山方面へ進む。少しガレた道を下っ
ていると、マルチーズを抱いた男性が登ってこられる。山頂まで行って帰ってこられるようだ。
 足下に目をやると、オフロードバイクのタイヤ跡。登ったのか下ったのかわからないが、道
が崩れている。

 
相ノ山から下る 升田山など平荘湖南岸の山を眺める
瀬戸内海に浮かぶ家島の向こうには小豆島

 少し下ると展望のよい岩の尾根に出る。ここでまた平荘湖を眺めながらひと休み。午前中
歩いた升田山と平荘湖。いい眺めやねえ。瀬戸内海が光り、家島の向こうには小豆島の輪
郭。
 下りてしまうのがもったいないような気がして、湖を眺めながらゆっくりお茶を飲む。

 こちらの道は岩尾根で、鉄塔の上の少し急な岩盤を慎重に下るとコンクリートの階段に出
る。すぐ下は舗装路。
古墳 かもちゃんたちが寄ってくる(^^)

 ダム湖の周回路を歩き、ウエルネスパークへ向かう。たくさんの鴨たちが湖面に浮かび、
私たちが近づくと寄ってくる。餌付けをされているので、何かもらえると思ったのだろうか。
 
 大きな石があり、そばに平荘湖古墳群の看板がある。平荘湖周辺には100基以上の古
墳があるそうだが、ダムの湖底に沈んだものもすくなくないようだ。

 ウエルネスパークに戻り、今日歩いた山々を眺めながら帰路についた。今日もいい山歩
きができたね。(^^)

  


行った日 06 2/12(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム ウエルネスパーク9:05〜升田山9:55〜飯盛山登山口11:00〜
飯盛山11:40ー12:30〜少年自然の家13:45〜
ウエルネスパーク13:55
2.5万図 加古川   山行地図

たぬきホームへ 山歩きへ