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国道27号線から岩篭山を望む |
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敦賀三山とよばれる山がある。野坂岳、西方ヶ岳、そして岩篭山。岩篭山は名前は知っていたが、
場所はどこにあるか知らなかった。野坂岳のすぐ東にある山であることを知ったのはそう古いことで
はない。3連休の中日に貴公子さんたちが登られたので、以前から気になっていたこの山に我々も
行ってみることにする。
舞若道のおかげで小浜まで早く着くようになった。敦賀までは小浜から30分ほど。敦賀から黒河
谷へ向かい、山集落の奧へ車を進める。鳴谷川堰堤の近くの空き地に車を停め、準備にかかる。
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巡視路を歩く |
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鉄塔から尾根へ |
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堰堤の下に橋があり、それを渡ると登山道がありそうだが、それは下山に使うことにして、439.
5m峰のある尾根を歩くことにする。鉄塔が2本建っているので、堰堤の左側にある細い道を登って
いくとうまく巡視路に乗ることができた。1本目の鉄塔はが大黒部幹線429。振り返ると朝の陽を
受けた野坂岳が大きい。いったん下って雑木の中のトラバース道を登ると次の428鉄塔に着く。こ
こから尾根にとりつく。
尾根には細い踏み跡があり、予想していたよりも歩きやすい。が登るにしたがい、木の根元が倒
れ、道がふさがれてしまっている。雪の重みで倒れてそのまま成長したようだ。クモの巣が行く手を
ふさぎ、前を行く父たぬきが払いながら進む。
439.5mピークまでは踏み跡もあり、順調に歩くことができた。ここには三角点があるはずなの
で捜してみる。ススキや草に覆われ、あちこち捜してみたが見つからない。それよりも、この先東の
尾根を歩くのだが、木々で覆われ踏み跡はもちろん、木の間に隙間さえない。どこを歩こう?
(439.5m・・・四等三角点 点名山)
少し藪こぎすればなんとか歩きやすくなるかな、と思ったのが間違い。藪はさらに濃くなり、1m進
むのにかなり時間がかかる。「こんなところで熊にでも出会ったら逃げようがないなあ。」「熊もこんな
ところには入り込まないだろう。」と思いながらも、わざと大声を出したりしてみる。
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藪を抜けるとこんなところに。でもこのあとまた藪が・・・ |
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少し下ってP613の北へ延びる尾根の支尾根にとりつく。少しなだらかになった谷はクヌギなどの
雑木で、ようやく藪から解放される。ここからは藪こぎはしなくてもよさそう。と安心したのもつかの
間、613へ続く尾根に出ると、これまでの藪以上の藪、やぶ、ヤブ。
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藪の中の岩から岩篭山をのぞむ |
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同じ岩から野坂岳 |
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P560からの尾根との合流点ちかくの小さなピークまで何とか辿り着く。このピークも低い灌木の藪
だが大きな岩が二つあり、その上に上がるとこれから向かう岩篭山と反射板のピークが逆光の中に
浮かんでいる。西には野坂岳、眼下には敦賀の町並みと西方ヶ岳。
「いい眺めやねえ。」
でも、いったん岩から下りると凄い藪。むりやり藪突破!
と、先を行く父たぬきが歓声を上げる。急いで藪をくぐり抜けるといい道が突然目の前に現れる。
P560からP613へ続く尾根に出たのだ。赤い布もぶら下がり、これまでの藪が嘘のようないい道に
頬が緩む。
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藪こぎの後は、こんないい道(^^) |
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そして登山道へ |
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「寿命が2年縮まったけど、これでまた元に戻ったなあ。」
ブナも現れ、木漏れ日がやさしい道を歩いていくと、反射板が近づいてきた。尾根の西側をトラバース
気味に歩いていたが、尾根を横切ると、広い登山道に出る。この道がメインの登山道である。右に行
くと反射板・夕暮山。左の岩篭山方面へ向かう。少し歩くと市橋からの登山道が合流している。
登山道沿いはブナの原生林。
「ほんまにあの藪はなんやったんやろね。」というほどの道。山腹をぬった道をアップダウンしながら行
くと北の谷から急な道が下りている。これが地形図に載っている道である。しかし、木で通行止めが
してあり、今は廃道になっているようである。
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路傍のセンブリ |
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足下にかわいいセンブリが咲いている。
林が途切れると陽ざしがまぶしい。山頂への道をひと登りすると岩篭山山頂。
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岩篭山山頂(765.2m) |
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数人のグループが山座同定中。山頂は360度の展望。ぐるーっと見回すと琵琶湖が意外に近い。
東にはインディアン平原と呼ばれる笹原が見える。岩の上ではお弁当を食べている一団が確認でき
る。
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山頂からインディアン平原と伊吹山(右奧) |
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さて、我々もお昼にしよう。食べながら父たぬきは無線のアンテナを組み立てたりごそごそ忙しい。
立って東の方を眺めながら、大きな声をあげる。
「白山が見える!」
東の方に雪を纏った白山が白い!これぞまさに白山。岩篭山は765mほどの低山なのでまさか見
えるとは思わなかったので、白山の姿を見られたのはとてもうれしい。白山の右には別山も確認で
きた。
今日はかねちゃんが登っておられるはず、と無線でコールすると、堺のWPNさんが応答してくだ
さる。しばらくお話しして再度かねちゃんをコールするとかねちゃんの声が入ってくる。しかし、電池
切れで中断。
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雪の白山が・・・ |
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その後、扇ノ山のOAPさん、JMMさん、TQFさん、木曽駒ヶ岳のMXFさん、そしてかねちゃんと
交信。残念ながら、黒尾山のだっちゃん、bhnさんの電波は届かず・・・。阿舎利山のIXWさんには
こちらの声は聞こえていたようだが・・・。
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楽しい歌声 |
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インディアン平原へ |
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無線をしながら白山を眺めていると、7,8人のグループが山の歌を歌い始めたので私も小声で歌っ
てみる。(^^)
山頂で無線をしたり、展望を楽しんでいるといつのまにか時間が経っていた。
インディアン平原へ行ってみよう!
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インディアン平原から伊吹山と琵琶湖 |
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山頂からいったん下り、笹原をしばらく歩くと花崗岩の点在するインディアン平原に出る。 |
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インディアン平原の花崗岩 |
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岩の上に立つと、岩篭山山頂が一段高く我々を見下ろしている。琵琶湖方面はさらによく見え、
鈴鹿の山並みも湖の向こうに浮かんでいる。
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インディアン平原から敦賀市街を眺める |
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反対側に目を転じると、敦賀の街と西方ヶ岳、そして日本海。琵琶湖と日本海が眺められ、白山も
少しシルエットが薄くなったがまだ見えている。
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夕暮山へ向かう |
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時間が気になるので、インディアン平原をあとにし、反射板をめざす。下山は山集落への登山道
を下りるので、もう藪こぎはない。
太陽は少し傾き始め、前を行く父たぬきの影が長い。 |
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市橋への分岐付近 |
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反射板からの岩篭山 |
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ブナ林に入ると、山頂で歌をうたっていたグループに追いつく。市橋への分岐で追い抜き、反射板へ
急ぐ。朝出てきたところを見ると、登山道からは見つけにくい。
「こんなところから出てきたんか。」と二人で驚いたりあきれたり・・・。
反射板(Ca730m)からは岩篭山が丸い。白山がかろうじて確認できる。
「白山が見えるのもここまでやね。かねちゃんは室堂まで到着したかな?」
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下山途中のススキの平原 |
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広い登山道を歩いていると、三角点がちょこんと座っている。夕暮山(720.4m 四等三角点)
である。
三角点から南へ延びる尾根はススキの平原。陽を受けて輝いている。この尾根もよさそうだが、
きっと藪だろう。(^^;
登山道はススキの尾根から西に方向を変え、そして北へ向かう。雑木の尾根を下りていく。
「いきはこわいこわい、帰りはよいよい。」
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ブナの道 |
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たくさんの実が落ちています |
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西日を受けた登山道は明るく、ブナが木陰を作る。Ca500付近まで来ると、地面に丸い実がたくさん
落ちている。匂いもなく固い。動物たちは食べるのかな?今年は不作なので、食料になるといいが・・。 |
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もうすぐ堰堤 |
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堰堤の下の橋を渡る |
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300mくらいまで下りてくると道は深く掘れ、昔から往来の多さを物語っている。右に水の流れる
音が聞こえると堰堤は近い。地形図に載っている堰堤である。堰堤の下は平坦で左右に道は分かれ、
右に少し歩いて鳴谷川第二堰堤に出る。下に橋があり、ここを渡ると車を置いた空き地まではすぐだ
った。
車に戻るとちょうど三時。急いで帰る準備をして「山」を後にする。国道に出ると、なだらかな岩篭山
が見送っているようだった。 |
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