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妙高山は丹波市春日町市島町にある560mほどの低山である。山頂から少し下ったところには
丹波比叡と称される古刹、神池寺(じんちじ)があり、お寺に通ずる道が地形図にも載っている。
春日町野上野からも破線の道があり、そこに住まいする知人は子ども会で歩いたことがあるとい
う。しかし、それはかなり前のことなので、その道が今も歩けるのかどうかは不明だった。3月に地
元の方から登山口を教えていただいたので、そこから登ることにする。
野上野(のこの)から妙高山へ登り、東西に延びる尾根を歩いて三春峠へ、というのが今回のコ
ースである。
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右奧の猪柵を開けて入る |
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フタリシズカ、三人静、四人静(^^) |
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私の車を三春峠に置き、野上野集落のいちばん奧へ向かう。林道がカーブするあたりの空き
地に車を停め、鹿柵を開けて山道へはいる。檜の植林の中にフタリシズカが群生し、思わぬ花
との出会いに「さい先がいいねえ。」 二人だけでなく、花穂が三人、四人のものもあり、「静と
いうより賑やかと言った方がいいかもね。」
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オカタツナミソウ |
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ピンクのツツジとPPロープ |
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オカタツナミソウも咲き、ここで花に出会えると思っていなかったので、二つの花の出迎えが
とてもうれしい。
道はほぼ地形図通りで、谷では不明瞭になっているところもあるが、尾根をめざして歩けば
迷うことはない。
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五大山〜五台山を眺める |
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P454を巻く道 |
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P279からは北東の尾根を歩く。道は明瞭で昔はよく歩かれたことが見てとれる。松茸山
を示すピンクのPPロープが張り巡らされ、それに引っかかりそうになることもあるので要注
意。道沿いに咲いたモチツツジのピンクがとてもきれい。
P454の手前ピークの西側からは五大山から五台山がくっきりと見える。今日は天気はあ
まりいいとは言えないが、高曇りで遠望がきく。
P454の東を巻く道は広くてとてもいい道。この道なら神池寺まで楽に歩けそうだ。
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妙高山頂(三角点と祠) |
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五輪塔が静かに佇む |
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P454から東西に伸びる尾根を歩く。「鹿」と記されたコンクリートの標柱に赤ペンキが塗られ
ここは南側の「鹿場」(かんば)のものとわかる。「多利」と書かれた木の杭も出てきて妙高山
が近いことを感じさせる。
破線の道は頂上を巻いているので、一つ手前のこぶから鹿場・多利界の尾根を歩く。多利
側は植林され、鞍部には一昨年の台風で倒れた木が放置されている。
尾根もペンキを塗ったときに木が伐ってあるので歩きやすい。ひと登りで妙高山山頂(564
.8m)に出る。祠の裏手に三角点(二等 点名妙高山)が石に囲まれて座っている。祠は東
向きで、地蔵尊が祀られている。山頂からの展望はなく、文字が消えた大柿さんのプレートが
枝で揺れていた。
山頂から東の鞍部に下り、神池寺方面への道を見送って尾根にとりつく。ここも境界が切り
開かれ、このあたりからコンクリートの標柱には「下」の文字に替わる。下三井庄の「下」であ
る。二つのピークが並んでいて、東のCa550のピークに出ると、父たぬきが「あー」と素っ頓
狂な声を発する。
「なになに!」と走り寄ると、指さすところに一段高く五輪塔が・・・。
「こんなところにこんなものがあるとは・・・。」
「山は歩いてみないとわからないねえ。」
三十二の堂宇を持ち、隆盛を極めた頃にはここにも何か建っていたのかもしれない。平坦な山
頂にはこの塔しかなかったが、妙高山の歴史をかいま見た思いだった。 |
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肩切地蔵尊跡と壊れた祠 |
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石仏さん(左 細見 そのべ 右 三井庄 笹山) |
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さらに東へ歩き、破線のある鞍部でに出ると、そこにも我々を待っているものが・・・。
「肩切地蔵尊跡」と彫られた石碑とそのそばに壊れた祠。そして、その向かいには「右三井庄
笹山 左細見そのべ」と記された道標石仏が静に佇む。右は南への道、左は尾根をつたっ
て細見(現在の三和町)、「そのべ」(園部)へ示している。
はて、ここにあった肩切地蔵はどこに行ったのだろうか?
先代のご住職(故人)は教師をされていたが、雪の日は麓の中学校へ神池寺会館から南の
三井庄へ続くこの道を歩いて通われていたそうだ。
「歩いて下りてもそんなにかからへん。」と話されたその道である。
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歩きやすい道 |
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峠のお地蔵さまに手を合わせ、細見方面への道を進む。少し歩くと尾根が入り組み、二股に
分かれているところで南の尾根を歩こうとしていた。ここは要注意、と事前にチェックしながらも
う少しで間違うところだった。二股の道まで戻り、東へと歩く。
道はピークを巻いたりしながら、緩やかに続いている。アップダウンがあまりないので歩行が
捗り、予定していた時間よりも短い時間で歩けそうだ。
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北に三岳山、大江山連山 正面左は横峰山 |
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以前やまあそさんと歩いた行者山からどの辺で出てきたのかわからないまま、点名高谷への
分岐まで来る。赤テープが木に巻かれたところだ。
少し歩くと、北側の展望が開け、三岳山や大江山連山が高谷山(横峰山)の上に浮かぶ。
出発したときよりも雲が厚くなったようだ。先を急ごう。 |
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P501付近 |
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点名大谷(三等三角点 470m) |
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行者山のときにお昼ご飯を食べたP501西の広場は緑に包まれている。ここからは植林の尾根を
歩いて点名大谷へ。大谷(470m 三等三角点)は三度目の訪問。昨年、同じ頃に三春峠からここ
まで歩いているので一年ぶりの再訪である。 |
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緑のトンネルを登ると三春峠はすぐそこ |
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大谷から旧三春峠までは15分ほど。念仏岩は今日も見つけられそうにない。また日を改めて探しに来
ないといけないようだ。
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三春峠から西を望む |
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車を置いた三春峠からは向山から鋸山の分水界尾根が長く連なっている。この景色はいつ見ても
いい。
車に乗り、三春峠を下り始めた途端、雨粒がフロントガラスにあたる。
「タイミングよかったね。」
間一髪、雨にあわずに済んだ。野上野に戻りながら少し霞み始めた妙高山を眺める。東西に長いこ
の尾根を歩く計画はずっと前からしていたがようやく歩くことができた。さて、次は丹波のどこを歩こう
かな。 |
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