展望の 数曽寺岩山
兵庫 社町

社町上三草付近から望む

 ぽかぽかと暖かそうな日よりの日曜日。どこへ行こうかと思案したが、膝の調子がもう一つなの
で寒いところは避け、やまあそさん推薦の数曽寺(すそじ)谷の西尾根を歩くことにする。三草山
の北に位置し、露岩が印象的な山である。

 車を停めるところを捜しているうちに時間が経ち、歩き始めが10時を過ぎる。別荘地は山の斜
面にあり、瀟洒な家を見ながら歩いていく。
別荘地を望む 南には三草山が近い

 最高所にあるお家の横から山に入っていく。岩の多いザレた斜面だが、グリップがよい。少し
登ると展望が広がり、眼下に別荘地、正面に国道を挟んでどっしりとした三草山。瀬戸内海や
淡路島も望める。ええとこやねえ。上まで登らず、ここでのんびりお昼寝もいいかもね。
展望のいい岩山 Ca240ピークのケルン

 背中に陽を浴びながら馬の背のような尾根を登っていく。尾根の両側は東が数曽寺谷、西側は
廻谷で、廻池は改修中のようである。189ピークへ登ると、その先にCa240ピークがそそり立っ
ている。50mほどの標高差しかないが、かなり高く感じる。南の展望を楽しみながらゆっくり登っ
ていくと、ケルンのあるピークに着く。めざす299mの三角点峰はまだ見えない。
トラ模様の岩肌 298mピークに向かう

 Ca240からいったん下り、次の298m峰へ向かう。P298から西に延びる支尾根はトラ模様の
ように崩れている。右の奧に高く見えるのが大坂山だろうか。なだらかな尾根から低い灌木の中
をジグザクに登っていくと298mピーク。ここにも小さなケルンがある。
キレット? Ca320mピークからの展望

 298mピークからの下りは藪っぽくなり、これまでとはちがい歩きにくくなる。南側は木があまり茂
っていなかったが、日向と日陰ではこれほどちがうのか。

 藪をかき分けていると、先を行く父たぬきが大声をあげている。追いついてみると、次のピークとの
最低鞍部のところでスパッと切れ落ちている。そこだけ土が崩れているのだ。
「キレットや!」
父たぬきは先に下りていくが、私は膝に自信がないのでかなり時間をかけておりる。やれやれ。
シダ藪をかき分けて・・・ 点名上三草 299m 四等三角点
 
 キレットを越えると、次のCa320へ登っていく。シダ藪にイバラも加わり、歩きにくい。ようやく
辿り着いたピークは、東西に細長い山頂。西端で景色を眺めていると、無線機からCQが聞こえ
てくる。二人が交信し終えると、ずいぶん時間が経っていた。近くの金城山に登っているやまあ
そさんをコールすると、お昼ご飯を済ませ、コーヒータイムも終わったとのこと。時計を見ると、す
でに12時半を回っている。展望のいい鉄塔が昼食にはいいとやまあそさんから聞いたので、と
りあえずあそこまで行かないとね。めざす鉄塔はまだ遠い。

 頂上直下は急な下りで、そのあとはシダ藪のなだらかな尾根。ぽかぽかといい気持ち。枝の
中を小鳥が遊んでいる。
「うぐいすかな?」
「あれはメジロ。」

 藪をかき分け少し広いところに出る。まだ新しい四等三角点の埋まる山頂からは展望はない。
鉄塔から北の展望

 鉄塔は三角点からすぐのところで、鉄塔のあるピークの方が標高が高い。早速お昼ご飯にしなければ
・・・。と思いながら無線機のチャンネルを回していると、TQFさんとIXWさんの声。しばらく三局で話をす
る。金城山からは我々のいる鉄塔がよく見えるそうだが、どれが金城山か我々にはわからない。たぶん
あれだろう、とその方向を向いて手を振ってみる。金城山からは淡路島などがよく見えるそうだが、ここ
からは南にあるピークでちょっと見えにくい。

 北方面は篠ヶ峰や白山(氷上町)、妙見山などの山々がずらーっと望める。東は450mの大坂山が高
くそびえ、南は三草山。

 北の空に雪雲が出てきた。天気が急変しそうだ。

 
数曽寺谷を見下ろす 峠に下りたつ

 ラーメンを食べ、コーヒーも飲んで、いよいよ下山にかかる。鉄塔からは巡視路なのでいい道が
峠まで下りている。

 鉄塔から15分ほどで峠におりたつ。
「峠に着いたら無線でコールしてみて。」とやまあそさんから言われていたので、何度か呼んでみ
るが応答がない。もう下山されたかな?

 
数曽寺谷を歩く 荒れた道

 数曽寺谷を南へ歩く。平坦な谷の道はとても歩きやすい。しかし、平坦なだけにひとたび大雨
が降ると道が川となるのか、道がえぐれているところが何カ所もある。そのたびに渡ったり川底
を歩いたりしなければならない。20分ほど歩いたとき、やまあそさんが無線で呼んでいる。峠の
ようであるが、我々はすでに下りた後、残念。
数曽寺池から数曽寺谷をふりかえる

 空が広くなってきたと思うと、広い林道に出る。すぐに数曽寺池。池の西岸を歩いて堰堤
まで戻り数曽寺谷をふりかえる。

 
磨崖仏 石仏

 車に戻り、朝見つけた石仏をもう一度見に行ってみる。道路脇に磨崖仏と二体の石仏。磨
崖仏の足下にはもう二体がかすかに浮き出ている。どちらもやまあそさんの石仏探訪に掲
載されている。ここより西には西国霊場への道標もあるので、この道は巡礼の道であっただ
ろう。西国霊場を回る人々が手を合わせながら歩いたにちがいない。

 帰路、車から仰ぐと、数曽寺の山々の白い山肌が青空によく映えていた。
 


行った日 06 1/22(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム 駐車地10:15〜186mピーク10:45〜298mピーク11:25〜
点名上三草12:53〜165鉄塔13:00ー13:45〜峠14:00〜
数曽寺池14:50〜駐車地15:00
2.5万図 比延  山行地図


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