やまごさんが若狭の三十三間山へ行こうというお誘い。三連休の最後の日に行くことにする。い
つものように舞若道の綾部PAで待ち合わせる。家を六時半に出たが、コンビニで買い物をしても
七時過ぎには早々と到着。ザックに荷物を詰めたり、三十三間山の地図を広げたりしてやまごさん
を待つ。猫が三匹。去年はもっといたが、数が減っている。一匹は我々の車のそばに寄ってきて何
やら物欲しげ。でもここで情けはかけられない。ぐっと我慢。家のまるちゃんも捨て猫だったので、他
人事、いや他猫事とは思えない。
三十三間山は、福井県三方町と滋賀県今津町界に南北に長い尾根を持つ山だ。三十三間堂の
棟木の木材を切り出したところというのでこの名が付いたと伝えられている。
8時10分前にやまごさん到着。他にここに来られる人もないようなので出発する。
上中町まで来ると貴公子さんから携帯が入る。すでに倉見に到着とのこと。ほどなく我々も到着し
やまごさんの車で能登野へ向かう。
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きれいな林道は堰堤工事用 |
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たくさんの花をつけたとりかぶと |
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能登野から林道能登野線に入り、雨で増水した川に沿って谷に入る。しばらく行くと、土が盛られ
て新しい林道ができつつある。近くに来ている工事関係の人に尋ねると堰堤工事用に道とか。
100mほどで新しい林道は終わり、古い林道に入っていく。道沿いには棚田の跡もあり、昔の隠し
田かも・・。紫の花があるので近寄るとたくさんの花をつけたトリカブト。
「こんなに花をつけたトリカブトは初めてやなぁ。」と貴公子さん。近くにも、花は少ないがトリカブトの
株がたくさんある。
暗い林道を僅かずつ高度上げながら歩く。周りの植林の中にはたくさんのゴミが放置されている。
車で入ってこられるところにはゴミ・ごみ・・・。捨ててあるのは腐らないものばかりだ。
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こちらを見つめる鹿 |
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こんな青空やったのに・・・ |
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水量の多い沢沿いの林道をつめると、沢が二股に分かれている。ここで小休止。見上げると青い
空。
「だんだんガスが晴れてきたね。展望が期待できそうやね。」
青空に心弾む。
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沢を渡る |
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近江坂を登る |
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沢を渡り、ここから支尾根にとりつく。植林の中を少し登ると、「能登郷登山道」という標識が木
にくくりつけてある。矢印の方向に進むと、よく掘れた登山道となる。近江坂だ。近江坂は大御
影山へ続くが、今春歩いた道も堀割のようになっていたっけ。
登山道沿いはリョウブが多い。先般の台風で折れた木や枝が道をふさいでいる。大雨で流され
た土や葉が道に溜まっている。
今年は各地で熊が山から下りてきている。凶作と台風で木の実が極端に少ないそうだが、栗
もあまり落ちていない。空っぽのイガだけがたくさん残っている。もう食べた後かもしれないが、
動物たちはどうして冬の越すのだろうか。
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かわいいきのこ |
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木の橋を渡らず下を歩く |
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地面や朽ちた木にはいろいろなキノコが顔を出している。これは動物たちの食料にならないのだ
ろうか。そんなことを思いながらつづらおれの道を登っていく。それほど急登ではないが、汗がにじ
む。やまごさんは、今日2度目のタオル絞りと言って汗で濡れたタオルを絞っている。(@_@)
高度が徐々に上がり、となりの尾根がそれほど高く感じなくなってきた。トラテープに「旧近江坂
15分」と「旧近江坂10分」の表示がある。15分の方は小御影山を経て大御影山に至る道だ。我
々は「10分」コースをとる。
道は山腹を巻くようになり、ブナの混じった気持ちのよい谷を見ながら歩いていくと、水でえぐれた
ところに腐りかけた丸太4本が架けてある。丸太はどう見ても危険。下に降りて丸太の下を歩く。
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縦走路に出る |
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幻想的な尾根 |
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しばらく歩くと、ガスが出てくる。三十三間山への尾根に出ると、辺りは真っ白。風が涼しい。尾根
の北と南にテープがあるが、来た道の反対側(東)にもテープがある。
鞍部になっていて木がないので、風が通り抜けていく。しばらく休んでいると寒くなってきた。
さて、いよいよ三十三間山に向けて出発。地形図の695mピーク付近は迷いの要注意とのこと。
迷わないようにテープを付け替えたり、貴公子さんは木を置いて迷いの踏み跡へ入らないようにし
ている。
「ここからは、迷う心配はないから。」とやまごさん。
歩きやすいように切り開かれた低い灌木の中を歩いていく。ガスっているので展望は望めないが、
なかなか幻想的だ。
次のピークの南端は木がなく晴れていれば三重嶽が正面に見えるはずだ。ここで昼食をとる予定
だったがポツポツと落ち始めたのでブナの林でお昼にすることに・・・。歩き始めると、雨脚が強くなり
ザックカバーをかけ、傘をさして歩く。やまごさんは雨具を携帯せず、ザックカバーだけ。日本海側は
弁当忘れても傘忘れるな、と昔から言われているとおり、秋から冬にかけては時雨れやすい。
縦走路沿いには、トリカブトが多い。実を付けているのでもう盛りは過ぎているね。
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ブナの下で食事の貴公子さん |
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「さて、ラーメンをつくるかぁ」 |
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838mピークの少し北でお昼にすることに・・。ここには比較的大きなブナがあるので木陰で食
べる。雨が降っているので枝に傘を乗せ、雨宿り。やまごさんは、太い木の幹の下でラーメンを
作るようだが、その幹ではやまごさんの体は雨がかかりそうだ。貴公子さんは定番助六?を食べ
ているのかな?我々は、コンビニおにぎり1個ずつと昨日のお祭りの栗おこわおにぎり。これが結
構腹持ちがよい。
無線でコールしてみるが全く応答がない。やまごさんがラーメンを食べ終えるのを待って出発す
る。 |
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ブナの森 |
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変なキノコ |
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ここからはブナの森。ガスの中にブナの木の濃淡が美しい。空が明るくなってやんだかと思って
傘をすぼめるとまた降り出すというふうに雨が断続的にやってくる。
ブナの根元近くに妙な形のキノコ?があった。やまごさんがおもしろいキノコや、と喜んでいる。
838mピークから少し下り、登り返すと三十三間山山頂(三等三角点 842.3m)。
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三十三間山山頂(842.3m) |
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すすきの尾根をゆく |
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東西が少し切り開かれているようだが、ガスで全く展望なし。雨はやんでいるが、いつ降りだすか
わからない。水分を補給するとすぐに出発。
尾根は西に向きを変え、クマザサの道を過ぎると一面ススキのなだらかな尾根に出る。振り返る
と山頂の丸いシルエットが微かに見える。
「ここから美方五湖がよう見えるんやけどなあ。」
芝生広場を過ぎしばらく歩くと、倉見への分岐。『これより近江の国 今津町』という標識がかかっ
ている。ここから南の縦走路は、最近整備されたようで、
「次回はこっちへ回ってみたいね。」と話しながら縦走路と別れる。
少し下りたところに「風神」という看板。登山道から10mほど入ったところに石碑が建っている。昔
疫病が流行ったときに平癒するために建てられたそうだ。天保十年の銘がある。
風神からは少し急な下り。濡れた石や木の根で滑らないように慎重に下りていく。 |
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コウヤボウキ |
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最後の水場 |
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傾斜が緩やかになった頃、枯れた松が残る夫婦松に出る。木が伐採され展望所となっている。
三方五湖が見えると書いてあるが、一つしか見えず、「三方一湖やなあ。」と父たぬき。
すぐ前にコウヤボウキが一輪。枯れた夫婦松の上には種が落ち、松が芽を出している。
赤松の林を過ぎ、尾根から離れ植林の中を歩く。ほどなく「最後の水場」に出る。雨の後なので
濁った水が流れている。めいめい、靴の泥を落とす。ここからは林道となり、沢沿いに下りていく。
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林道の登山口 |
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駐車場に帰ってきました |
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しばらく歩くと、登山口と書かれた林道との出合いにでる。
ここから倉見の駐車場までは10分あまり。車まで戻り、ザックをおろすと再び雨脚が強くなってき
た。貴公子さんに挨拶し、やまごさんの車を置いた能登野へ向かう。
帰りに上中町の瓜わりの湯で汗を流し、帰路につく頃、ようやく三十三間山が姿をあらわした。
「天気のよい日にまた登りたいな。」
次回は、三十三間山から南の尾根を歩いてみたね。
貴公子さん、やまごさん雨の中の山歩きもなかなか趣がありましたね。また一緒に行きましょう。 |
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