雪の 安全山(あんぜんさん)
兵庫丹波


氷上町幸料寺橋付近から安全山を望む

  氷上町を青垣町に向けて北に走っているとたくさんのアンテナを頭に乗せた山が視界に入ってくる。安全山(537.4m)である。
山頂には、民放、NHKのテレビ中継施設、携帯電話のアンテナが立ち、安全の碑、安全祈願のお地蔵さんが鎮座している。
  山頂と書いたが、三角点(三等 点名絹山)は山頂広場より西のピークにあり、三角点が最高点である。アンテナのある広場ま
では氷上町下新庄から管理道路を使って車で上がることができ、つい一週間前も車で上がったところだ。
  20日に12月としては八年ぶりの突然の大雪が降り、1日中降り続いていた。21日は家の周りは30cmほどの積雪。快晴の
空に新雪がまばゆい。午後から来客があるので、近くの安全山へスノーハイクとしゃれこむ。朝の冷え込みで道路は凍結している。
RV車といえども油断は禁物だ。

いつもは車が通れる道も・・・

 下新庄の猪柵前に車を停め、スノーシューに履き替えて林道を歩いていく。最初こそ雪が少なかったが、上がるに連れ積雪が
増してくる。昨日のものだろうか、車の轍があり、途中から足跡に替わっている。時折枝から落ちてくる雪を避けながら管理道を
登っていく。雪で枝がしなり、道がふさがれて車が通れる道も、人一人がなんとか歩けるくらいになっている。
 1時間程歩くと、谷間の道から展望の開けた伐採地に出る。右手に弘浪山の雪をかぶったとんがり頭が見えてきた。
「わーい、きれいやなあ!」
徐々に白い氷上の町並みが見えてきた。

  車なら10分程のところが、山頂まで約1時間半以上かかった。山頂は積雪40cm。真っ白な世界が広がる。昨日の登山者は
お地蔵さん前で景色を楽しんで帰ったのか、その辺りだけに跡が残っている。
 中継施設があるので、西側はあまり展望はない。南方面は六甲までよく見える。目をこらすと淡路島が浮いている。雪の山々の
なんと美しいことか。雪が降るとこれほどまで景色がちがうものなのか・・・。モノトーンの世界にしばし見とれる。
 
 
氷上町中心部  左は向山連山  左手前は霧山 右端は弘浪山 島のような甲賀山(手前)、明治山 遠くに白髪岳 高山 西光寺山

 東には11月に歩いた五台山から石生城山の中央分水界の山々が長い尾を引いている。五台山の麓、香良の谷はひっそりと
静かだ。
 目を北に転じると、雲が流れる三岳山とまだ目が覚めたばかりのような大江山。たくさん積もっているだろうなぁ。
 陽が差すとぽかぽかと暖かい。それでも汗をかいているのでしばらくすると寒くなってきた。無線でもしようかとザックからハンデ
ィ機を取り出し知り合いをコールした途端、バッテリー切れ。デジカメのバッテリー容量もあやしくなってきたのでなるべく冷やさな
いようにザックにしまう。

五台山 松の木の間に見えるおにぎり山は鷹取山(右) 吼子尾山(くずおさん)の北には雲が流れる三岳山

 
 
篠が峰(中央左) 東峰山(手前) 大井戸山(右)

 下りの時間が気になるので10時半を合図に下山する。登りに比べて格段に楽な歩き。ぐるっと西に回り込むと、篠が峰、大井
戸山、竜ヶ岳、鳴尾山、方須張、三国岳が墨絵の屏風のように連なっている。
竜ヶ岳(手前真ん中は森山) 台形の三国岳
 ときどき落ちてくる雪に悲鳴を上げながら、55分で車に帰り着いた。しんどい登りだったが、真っ白な雪の山々の景色を堪能で
きた半日だった。




行った日 03 12/21(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム 猪柵8:35〜山頂10:05ー10:30
〜猪柵11:25
2.5万図 黒井