芽吹きはじめた阿瀬渓谷から残雪の蘇武岳
兵庫 豊岡市

 3連休の中日、新緑と花を求めて阿瀬渓谷へ向かう。前日からの黄砂がまだ晴れず、展望は望めないだろうが
蘇武岳にも行ってみよう。

 発電所近くまで来ると、道路は通行止めになっている。その手前に車を置く。ちょうどキャンプ場の上だ。テント
が一つ張られ、車が上にあがって行った。
「あれ、車が通れるのかなぁ。」

 駐車場には先ほどの車が一台。トイレを借りて、満開の八重桜を眺めながら歩きはじめる。
源太夫滝(奥) 渓谷を歩く

 源太夫滝は緑に包まれ、勢いよく流れている。来る途中に眺めた蘇武・妙見はまだ残雪が見えていた。雪解け水
を集めた冷たい水だろう。

 阿瀬渓谷は芽ぶきの季節。明るい光が渓流に降り注ぐ。からん橋を渡り、廃村金山をめざす。渓流釣りが解禁にな
なっているのか、流れに釣糸をたらしている人もいる。
芽吹きはじめたばかり 金山口

 今年は雪が多かったので、まだ雪が解けたばかりという気配。ミヤマカタバミが点々と咲き、心を和ましてくれる。
 奥に行くにつれ、木々は芽吹きが始まったばかり。山桜もきれいだ。
 いつもうっそうとしている栃の森もまだ葉が出ていないので明るい。ダムを過ぎ、金山口へ。
廃村金山

 金山口からはなだらかな道である。分校跡にある東屋で一休み。私は整備されてから2度目だが、父たぬきはすっ
かり変わった分校跡に驚いている。どこからかツツドリの声。
 さあ、金山峠に向けて出発!
道標 雪の谷

 初めて来た時に間違ったところには沢を渡るようにという看板が立っている。これなら間違うことはないだろう。手前
に石の道標が横たわっている。右山みちはわかるが、左はなんて書いてあるのだろう?金山峠方向だが・・・。
「むらおかやろか?」
摩耗して判然としない。「ここを通るのはこれで3度目だが、こんな道標はあったかなぁ。」
(過去のレポートを見てみると、そのときにもこの道標はありました)

 沢沿いを歩いたり、渡り返したり、沢から離れたりしながら金山峠に近づいていく。雪解け水で増水し、いつもは難な
く渡れるところもちょっと時間がかかる。
 植林になると、雪が多くなり、歩きにくい。もうすぐ金山峠というとき、右上に林道が見える。二度目に来た時にはな
かったのに・・・。
様変わりした金山峠 蘇武岳へ

 4年ぶりの金山峠はすっかり様子が変わっている。妙見山麓から蘇武岳への林道は立派な舗装路となっている。
お地蔵さまの前で一休みし、「熟達者」向きの登山道を登っていく。
根元の曲がった気が多い カラマツ

 登り始めはかなりの急登。ロープが付けてある。
「こんなに急やったかなぁ。」
ふと、目を右にやるとイワカガミが咲きはじめている。
 最初は急だが、あとはなだらかな稜線である。クヌギやアベマキが多い。雪で幹が曲がってもまた空に向けて伸びよう
としている。カラマツは芽吹いたばかり。
登山道と林道 ブナの芽ぶきと残雪の谷

 林道が尾根のすぐ下に走っている。尾根を歩くのをやめて林道を歩こうかなぁ。と思いながら視線を林道の反対側に
やると、芽吹いたばかりのブナの林と残雪の谷。「いいなあ。ブナ!」「林道を歩いていたら、このブナは見られへん。」
「確かに・・・。」
 
 無線でOAPさんをコールしてみるが、応答がない。しばらくすると、TQFさんの声。岡山森林公園だそうだ。TQFさん、
OAPさんと交信し、頂上をめざす。

 
頂上 頂上から

 林道の展望所を横目で見ながら、ひと登りで頂上である。頂上の周りに少し雪が残っている。名色側へ下山の人影が
見える。
 黄砂で眺望はよくない。残雪をまとった近くの山々を眺めながら食事の準備をする。
 山頂部の雪は消えているが、そのまわりには帯のように残っている。食事をしていると、名色側から人の声。数人が
登って来られるようだ。3グループが相次いで到着。名色からのコースにも雪が残っていて登山道がわからなくなったと
か。
 
山頂をあとにする 下山(南に妙見山が霞む)

 下山の時間が気になるので、早々に下山にかかる。頂上手前で親娘連れに出会う。阿瀬渓谷からだという。娘さんは
まだ小学生くらいか。がんばって歩いてきたね。帰りも同じ道を下るのだろうか。
 
林道には雪が多い 不動尊を見ながら下りる

 金山峠までは林道を歩く。ところどころ雪が残っている。車で通行できるのはもう少し先のようだ。金山峠まで1時間近
くかかる。
 峠からは谷間を下る。雪の上を歩いていると、ボソッと足が穴の中に入って歩きにくい。
 金山の東屋で一休みし、再び谷を下る。往きは開花していたミヤマカタバミも花を閉じ、夜に備えている。不動尊を過ぎ
栃の木を眺め、川の流れを聞きながら下っていく。

 小学生と大人の一団とすれ違う。元気なあいさつに元気をもらう。キャンプ場上の駐車地まで戻る。子どもたちの賑やか
な声が聞こえてくる。まだ冷たいだろうに水の中で遊んでいる。元気やなあ。

 
 
にぎやかなキャンプ場

 子どもたちの声を聞きながら帰路に着く。

行った日 11 5/4(水)
行った人 たぬき二人
山行タイム キャンプ場上8:23〜金山廃村9:35−9:40〜金山峠10:50−11:00
〜蘇武岳12:35−13:10〜金山峠14:05〜キャンプ場上16:00
2.5万図 栃元 地図はこちらを参考になさってください
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