丹波 馬頭を巡
 兵庫 篠山市 柏原町 山南町

 464ピークから馬頭を望む
 今日は、12月に島田さんと行こうと言っていた馬頭というピークを中心に山南・篠山界、山南・柏原町界の尾根を巡ること
にする。馬頭は、鐘が坂峠上の金山の南西にあり、山南・篠山・柏原界の502mのピークである。

 1台の車を奥野々峠の手前にある丹波林産振興センターの近くに置き、追手神社奥の池をめざす。池を過ぎ、林道のいち
ばん奥から登り始める。道は二手に分かれているので、左を進む。
   植林の中を登っていく 古坂
 406ピークの南の鞍部(古坂)にとりつき、馬頭をめざす。古坂は南にある助兵衛坂とともに、大山の材木を旧久下村(山
南町)に運んだ坂であるらしい。今は通る人もなく、ひっそりとしている。406mピークまでは急な登りだが、ピークを越えると
なだらかな尾根道となる。植林の中の尾根道は展望がなく、少し暗い感じがする。途中から「タルタニ」と書いた石標が等間
隔に設置してある。そんなに新しいものではない。父たぬきは、製紙会社の山ではないかと言う。それと重なるように今度は
大山振興会の白い杭が現れる。

 暗い植林を抜け、馬頭への登りにさしかかると篠山側が開け、三岳などが少しもやった朝の空気の向こうに見える。馬頭に
はおよそ1時間で到着。砦でもあったのか、土累が残っている。植林の中で展望はない。ここから、北へとると鬼の架け橋、金
山だが、我々は西の柏原・山南界の方へと向かう。。
馬頭への登りから篠山方面 展望のない馬頭頂上(502m)
 桧の植林と雑木の間の尾根道を進むが、どうも方向が怪しい。ちょっと展望が開けたところから位置を確かめると、西へ進
まなければならないのに、南東に進んでいるようだ。このまま行けば、上滝に下ってしまう。慌てて方向を変え、斜面をトラバ
ースしてなんとか町界尾根にのることができた。やっぱり、こうでなくては丹波の藪山歩きは楽しくない、などど負け惜しみを
言いながら、赤テープのある明瞭な道を歩く。誰も歩いていない藪道だろうと思っていたが意外である。それどころか、道はよ
く掘れていて、過去にはかなりよく歩かれていたようである。
 山南町側が開けたところでは、白髪岳や松尾山が頂上を出している。下を見ると、上滝集落が近くに見える。
 尾根には町界プラ杭があり、尾根をはずす心配はない。464ピークの手前ピークで柏原側が開け、笠形、千が峰、三国や
丹波氷上の山々と柏原町氷上町の町並みを見ることができる。しかし、展望がえられたのはここまでで、あとは植林や雑木
の展望のない中を歩くことになる。
 柏原町内 高見城山と篠が峰
 464Pの直下の鞍部には、山南町上滝とと柏原町上小倉に通じる峠があった。そして、なんと鴨内峠や美和峠にあるよう
なしっかりした標識があるではないか。
「なにこれ?この道路標識は県道にあるものやないか。」この道も県道のようだ。そして・・、山南町側にお地蔵様が!割れ
たのを繋いであったが、とてもやさしいお顔だ。誰にも会わない山の中で、久しぶりに人にあったようなうれしい気持ちにな
る。お地蔵様も突然人間が現れて驚かれたことだろう。
峠のお地蔵様 峠の標識
 464ピークの直下には、何やら採石をしたようなあとがあり、古びた大きなドラム缶が2つ転んでいる。石組みなども残って
いる。尾根は急な岩場になっているので、すこし南に巻いて、植林の中の急登を上っていく。間伐された木が放ってあるので、
歩きにくいことこの上ない。やっとも思いで464ピークに立つ。木の間から馬頭が見える。
 しかし、何かおかしい。「あれ、無線機がない!」倒木を乗り越えたりしているうちに、どこかで落としたらしい。今から探しに
下りても見つかるかわからない。後ろ髪を引かれる思いで諦めることに・・・。三草山の教訓は・・・?
459ピーク付近(PPロープが続く) 向こうの谷は篠場
 頂上から少し歩くと、関電の反射板が立っている。こんなところにあったかなあ、と言いながらフェンス沿いに歩いていく。
 459ピークまでは、倒木の多い歩きにくい道だが、それから先は松林の歩きやすい道だ。松茸山なのか、ロープや入山禁
止の札が立ててある。父たぬきの無線機にOAPさんの声が聞こえてくる。雪彦山移動のようだ。あちらは、ここと違い、にぎ
やかな山頂のようだ。

 376ピークの少し先でお昼にする。南側が少し開けている。鍋焼きうどんを食べていると、何やら小さなものがコッフェルに
ついている。動いてる。「あれ、ダニやわ。」
ズボンにもたくさんついている。払ってもはらってもとれない。ああ、真冬だというのに・・。
真ん中から下りてきた 林道にあった道標
 お昼をすませ、また町界尾根を歩き始める。386ピークの手前の鞍部はえぐれていて、昔、往来があったことを忍ばせる。
篠場と下小倉を結ぶ峠であったらしい。386ピークを越え、その先の鞍部から下りるつもりだったが、山南町側で何やら猟
師さんらしき声が聞こえてきたので、慌てて引き返し、先ほどの峠から下山することにする。少しわかりにくくなっているもの
の、何とか歩ける道だ。すすきの中を抜けると、林道にとびだした。林道の脇には道標があり、文字が書いてあったが判読
できなかった。

 林産センターまで川沿いを歩いていると、青い鳥が目の前を飛んでいく。カワセミだ!小魚をねらっている。じっとねらいを
定め一瞬のうちに水の中に入ったかと思うと、くちばしの先にピンピンするものをくわえて戻ってきた。田んぼには、肥料をま
く人。のんびりした丹波の冬の光景だ。
行った日 02 1/20(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム 林道8:30〜馬頭9:25〜お地蔵さん10:00〜464mピーク10:25
〜459mピーク10:50〜Ca340mの小さなピーク11:50〜
386mピーク手前の鞍部〜林道13:10〜林産センター13:30
2.5万図 柏原