奥丹波の盟主 長老ヶ岳
京都府和知町 美山町

林道より頂上を望む(左のピーク)
 昨日の伊吹山の疲れもさほどないので、父たぬきを誘って、長老ヶ岳へ行くことにする。市島町戸平(とべら)から
三和町へ抜け、和知町へと向かう。27号線から府道12号線に入り、篠原で左折して仏主(ほどす)の登山口へと
車を走らせる。
 長老ヶ岳は、兵庫丹波の山々からでも容易に同定でき、奥丹波の盟主と言われている山である。

 登山口に案内板があるので、林道を進む。林道は左右に分かれているが、左にはゲートがある。右の方にも通行
禁止の車止めがあるので、その近くの少し広いところに車を置き、舗装路を歩いていく。
 夏場の舗装路は、暑くてしんどい。冬でも舗装路を歩くのは嫌なものだが、夏はアスファルトが熱を帯び、非常に
歩きにくい。車止めはあったものの、登山口の案内板によると、森林公園になっており、管理棟もあって、駐車場の
表示もある。そこまで車で行くべきだと主張したが、「歩くのもいい。」という父たぬきのことばにしぶしぶ歩いていく。

 登山口から2kmで、林間広場に着く。管理棟はあるものの、無人のようである。その裏に登山道はあり、軽トラで
も通れそうなほど広い道だ。林間広場から山頂まで3,5kmとある。

 木の階段が几帳面に設置してある。階段の嫌いな父たぬきは階段を避けて歩いている。
 登山道の脇にはイワカガミが群生し、シーズンにはさぞきれいなことだろう。
 
管理小屋の後ろから登っていく 階段の嫌いな父たぬき

 山頂まで2,4km地点には立派な東屋が建っている。まわりの木も伐採され、西方面の展望がよい。五台山〜
五大山も確認できる。
 しかし、木を切り、山を削って作った登山道は山を傷つけたようで痛々しい。林間にあったイワカガミもお天道様に
まともに照らされ暑げだ。こうまでして道をつける必要があるのだろうか。山は人間だけのものではない。多くの動
物や植物たち、そして、下流や海に住む人や動物にも恵みを与えている。傷ついた山を見ると、胸が痛む。
  
あと2,4km地点 木を切り、山を削って・・・

 登山道はほとんど上りだが、勾配が緩いのでしんどいということはない。曇っているので暑さもほとんど感じない。
あいかわらず広い道だ。アブがうるさくつきまとい、腕や肩を刺す。虫には好かれるらしい。(^^;
立派な案内板があちこちに 広い道

 およそ1時間半でDDIの管理道路に合流する。粟鹿山と同じように大きな中継施設が建っている。山頂は、そこ
から一登りしたところだ。
 標高916.9m、一等三角点。京都国体の時の採火をした台座がでーんと座っている。
 展望は、東と北に開け、比良の山並みも見えている。北には、双耳峰の青葉山、少し西に弥仙山、その向こうに
海も見える。場所を移動すると、西南に、三嶽、大野山、深山も確認できた。

 無線機のスイッチを入れると、御嶽の登山口、田の原からCQが聞こえたので、交信する。59で入感していたの
には驚きである。
 少し早いが、昼食を食べる。風が吹いて涼しい。1時間ほど山頂で憩い、下山にかかる。
管理道路に出る 一等三角点の頂上

 管理道路まで下りると、OAPさんからのコールが聞こえる。携帯伝言板で我々が長老へ行っているということを
知り、呼んでいただいたようだ。OAPさんは笠杉山移動。久しぶりの交信だ。

 東屋のある2,4km地点で西方面を望むと、なんと、鯨の背のような氷ノ山がかすかに確認できるではないか。
千が峰も見える。往きよりも展望がよくなっているようだ。青空も広がってきた。

 もう少しで管理棟というとき、大粒の雨が降り出した。管理棟の手前にある東屋に入ったときには小降りになり、
雨雲は雷鳴をとどろかせながら北東へ去っていった。
 湯気の立つサウナのような舗装路を車まで歩く。林道の途中から見上げると、ガスのあがる長老のピークが我
々を見送っていた。
行った日 02.8.11(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム 仏主登山口8:00〜林間広場8:35〜あと2,4km地点9:00〜
山頂9:55ー10:45〜登山口12:35
参考文献 分県登山ガイド 京都府の山