段ヶ峰 残雪の山々を展望する
兵庫 朝来市



 1年ぶりの段ヶ峰。去年は雪が少なかったが、今年はどうだろう。遠阪トンネルを抜けると真っ白
な粟鹿峰。まだ雪がたくさんありそうだ。

物々しい雰囲気の登山口 達磨の肩を過ぎると雪が残っている

 生野高原の登山口に着くと、何やらいつもと雰囲気が違う。警官が数人登山者と話している。
尋ねると前日登った人がまだ帰ってきていないとか。その登山者の車がそこに置いてある。こ
れから登る人たちに協力を要請し、私も特徴を聞いてから歩きはじめる。
 警官のうち3人ほどは、林道途中の登山口から登るようで、車で出発していく。

 登山口の付近は全く雪がなく、スノーシューを置いて行こうかどうしようかと迷ったが、警官の
「上の方は雪が多いですよ。」の一言でザックにくくりつけていく。
 
 達磨の肩までは急登でスノーシューの重さが堪える。途中でどこかにデポしておこうかと、下ろ
しかけたが、この登りだけ辛抱すればあとはそれほどしんどくないので持って上がることにする。

 達磨の肩まで来ると、ようやく雪が現れる。南側は解けているが、北斜面にはまだたくさんの雪
が残っている。
 と、北の方からヘリコプターがやってきて、頭上を旋回している。自衛隊のヘリのようで、行方不
明者を探しているようだ。このあと、2時間ほど段ヶ峰上空を飛び回り、来た方へ帰って行った。

 家の周りではまだ聞いたことがなかったウグイスが軽やかに啼いている。春やなあ。(^^)
東を振り返る

 振り返ると千ヶ峰から三国岳がきれいに見える。粟鹿峰の頂上は真白。
 達磨ヶ峰付近では積雪50cm以上。だが登山道は雪があったりなかったりで、ちょっと油断す
ると雪の中に足を突っ込んでしまう。先行のグループの跡を辿ると歩きやすい。

 達磨からいったん下って登り返した稜線はなかなかいい感じ。雪はそれほど深くなく、つぼ足で
も十分歩ける。
 
先行のグループに追いつきました

 最低鞍部からフトウガ峰へ登っていると先行のグループに追いつく。道を譲ってもらい先を歩くことに・・・。
ここからは先頭なのでちょっと歩きにくいが前日までのトレースを歩けば楽である。(*^_^*)

 
フトウガ峰まで来ると段ヶ峰の向こうに白い山々が覗く(^^)

 フトウガ峰の登りは雪が残っているが山頂付近はほとんど雪がない。
「やっぱりスノーシューはいらなかったかなあ・・・。」
 山頂の東端にある岩の後ろに回ってみると、真新しい基準点ができている。基準点を一回りしてなだ
らかな山頂を西へあるくと、段ヶ峰の向こうに白い山並みが顔を出す。
「あっ、氷ノ山! あれは三室山、それに東山にくらますまで見える!」
先週歩いたばかりの三室山とそこから眺めた山々。段ヶ峰からの展望が楽しみだ。

フトウガ峰と段ヶ峰の鞍部付

 フトウガ峰から下っていくと新しい足跡が続いている。登山靴ではなく長靴のようだ。杉谷から登った警
察の人たちだろう。ところどころで足跡が雪にもぐっている。普段山歩きなんてあまりしないだろうし、まし
て雪の山など歩くことなんてほとんどないだろう。雪に足を取られながら歩いているさまが目に浮かぶ。

 鞍部まで下ると思ったよりも雪が深い。ここでスノーシューを付ける。せっかく持ってきたのだからね。(^^)
付けていると先ほど追い抜いたグループ追い越されたが、スノーシューでさっさと歩いてまた追い抜く。

段ヶ峰は雪解けが進んでいます

 段ヶ峰は日当たりがよく、登山道は雪解けが進んでいて雪のないところの方が多い。もう少しで山
頂なのでスノーシューをそのまま履いて歩く。
 山頂には警官だろうか、同じ色の服装をした数人の人影が見える。三角点に寄って山頂へ行くと、
宍粟と朝来の警官だった。捜索中の割にはのんびりした雰囲気だったが、目は山の斜面に向いて
いる。しばらくすると宍粟警察の面々は千町峠の方へ下りて行った。


西の展望(西段ヶ峰の向こうに氷ノ山)
東の展望(フトウガ峰から達磨ヶ峰が大きく横たわる 遠くに粟鹿峰、千ヶ峰などの山々)

 早めのお昼ごはんを食べながら展望を楽しむ。360度の大展望!いいねいいね(^^)
先日歩いた三室山の手前のこぶもよく見える。後山から駒の尾、そして真っ白な千種スキー場も意外
に近い。
 氷ノ山と鉢伏山の間に見えるのは、青ヶ丸と仏の尾だろうか。東にはフトウガ峰から達磨ヶ峰の連
なりの向こうに千ヶ峰や粟鹿峰。

 無線でコールすると、裏六甲のMXFさんと繋がる。そのあと、沖ノ山のIXWさん、そして屋島のLWZさ
ん。沖ノ山は三室山の陰になっているので見えないが59で入感している。

 山頂には朝来警察の3人、4人グループ、そして私。風もなくぽかぽかと暖かい。登りにかいた汗が乾
き顔の表面がざらざらとしている。汗が塩となっているのだ。早やそんな季節か。つい先日まで寒い寒
いと言ってたのにね。
フトウガ峰を登る消防署のみなさん その次に出会った消防団のみなさん

 生野高原から登ってきたグループはしばらくすると千町峠へと下りていく。来た道を歩くよりも林
道を歩き方が楽だから、と言いながら下りて行かれた。
 私はそのあと30分ほど山頂で憩い、下山する。朝来警察の人たち3人はまだ山頂でいるようだ。


 来た道をスノーシューをつけて歩く。フトウガ峰は全く雪がなかったが、下りに雪があるのでその
ままつけて歩く。山頂では3人グループが昼食の最中。無線でくらますTQFさんとちょっと繋がり、
六甲のMXFさん、GTRさんと交信して歩きはじめる。振り返ると氷ノ山。フトウガ峰から下るともう見
えなくなるので、よーく見ておく。
#尚、フトウガ峰におられたグループは後日囲炉裏のメンバーと判明。みなさん失礼しました。

 フトウガ峰の東斜面を下りていると、朝来消防署の人たちが捜索しながら登ってくる。ご苦労さま
です、と声をかけて別れる。

 さらに下りていくと今度は地元の消防団の人たち。暑さと急登にちょっとばて気味のよう。しばらく
下りると、さらにもう一団登って来られる。休日返上で捜索、ほんとうにお疲れ様です。
 
登山口に戻ってきました ゴルフ場の管理棟には消防車やパトカーが待機

 達磨ヶ峰を越え、登山口まで戻る。ゴルフ場の管理棟には消防車やパトカーが停まり、ここに情報
が集まっているようだ。下山した時点ではまだ見つかっていないようで、車はまだ主を待っていた。

 この日、生野の午後2時の気温は17℃、雪解けはさらに進んだことだろう。
行った日 08 3/16(日)
行った人 たぬき一人
山行タイム 生野高原登山口7:35〜達磨ヶ峰8:20〜フトウガ峰9:40
〜段ヶ峰10:35−11:45〜フトウガ峰12:20〜登山口14:20
2.5万図 生野 長谷 神子畑 但馬新井  山行地図
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