先日、神池付近を歩いたやまあそさんが行者山へ行くというのでいっちょかみすることに。行者山
には、祠があるという。午後から雨の予報だが、ここならなんとか昼過ぎまで行けそうだ。
市島町鴨庄地区に入り、神池集落から神池に向かう。神池は、丹波の農聖といわれた吉見伝左
衛門が貧しさから村を救うために造った池で、今も満々と水をたたえている。
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満々と水をたたえた神池 |
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灯籠を調べるやまあそさん |
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公園のように整備された湖畔は静かだ。大峰山と掘られた灯籠が登り口らしい。その後ろに道は
ないかと覗いてみたが見つからない。すぐそばの林道を歩く。ほどなく行き止まりとなり、谷に向か
って踏み跡があるので、それを辿ってみる。
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途中の岩から北を展望する |
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頂上までもう少し |
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やがて谷は荒れ、道は消える。南側の斜面のうすい踏み跡を登るも、それも消えてしまう。炭焼き
窯跡が3つ、大きな口を開けている。藪をかき分けていると、赤いテープがある。それを頼りにちょっ
とした切り開きをよじ登る。途中に大きな岩があり、島田さんが登ってみるとなかなかの展望のよう。
私も岩の先に行ってみると、北西が開け、タキガナルの右肩の尖ったピークは鷹取山、五台山、親不
知。 |
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行者山頂上三角点 |
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行者山南斜面から妙高山方面 |
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岩からほどなく行者山の少し北に出る。灌木の中をかき分けて行くと、何やら動くものが・・・、まむ
しだ。私の気配にいったん逃げようとしたが、すぐに向きを変え鎌首をもたげてしっぽを振って威嚇す
る。関わり合いになると面倒なので避けて歩く。
行者山(454m 四等三角点 点名神池)山頂は平らであるが、下刈りされた木がそのまま放置さ
れ全く地面が見えない。お目当ての祠も見あたらない。崩れかけた石組みが残っているが、「これは
祠跡ではない。きっとちがう場所に祠があるにちがいない。」と島田さん。山頂ではなく少し下にある
のではないかという。「兵庫丹波の山」の著者、慶佐次盛一氏もこの山を訪れているが、祠は見つけ
られなかったようである。
風も強く、いつ雨になるかわからないので、山頂を後にし、南の鞍部へ下る。その途中、木の間か
ら妙高山と山腹の神池寺会館が覗いている。ずっと以前、会館から見た風景の中に今いる。
放置された斜面は歩きにくいことこの上ない。昔なら重要な燃料だったろうが・・・。
鞍部に下りると神池側に下る道があるが、そのまま南へ向かい春日市島町界尾根をめざす。道は
あるものの、藪に戻りつつあるところも多く、藪を避けて迂回しながら歩く。まあ、どこを歩いても五十
歩百歩だが・・・。
地形図で破線が現れる辺りから歩きやすくなる。道沿いの木に黄ペンキが吹き付けてある。何かの
印だろうが、空き缶が放置してあるのはいただけない。
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町界尾根には広い道が平行している |
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寺跡かと思える平坦地 |
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町界尾根に出ると、尾根に沿って非常によい道が東西に続いている。尾根の北になったり南にな
ったりしているが、島田さん曰く「自転車のりのりやぁ。」という道である。神池寺は「丹波比叡」と称
されているが、この広い道は修験道だったのでは、と遠い昔に想いをはせる。
少し行くと、矢印と「高谷三角点へ」と書かれた太い赤テープが木に巻きつけてある。南へ下ると
高谷(309.3m)に続く尾根の分岐らしい。
少し雨が落ちてきた。あれだけ吹いていた風もおさまってきた。神池峠への分岐を過ぎると、広い
平坦地に出る。これまでほとんど植林だったが、ここだけ雑木だ。桜やカエデの大きな木もある。
「ここにお寺があったのかもねぇ。」
実際にあったかどうかはわからないが、ここだけ異次元のような雰囲気だ。501mピークからは北
は京都府三和町、南は春日町となる。
町界尾根をもうすこし歩くと、大谷という三角点ピークがある。ここから往復しても1時間なので、
行ってみることに。
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大谷(三等三角点 点名田野谷) |
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一つ西の尾根を下り、また登り返す |
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大谷(470.0m 三等三角点 点名田野谷)は植林の中にきれいな姿で座っている。写真だけ
撮り、すぐに引き返す。
さて、神池峠をめざして、コンクリート杭や大谷と書かれた紙が木に付けられた所から北に下る。
山仕事用の赤いテープがヒラヒラしている。途中から下草が刈られ、「これは、三和町の分やね。」
などとのんきに話しながら下る。
ずいぶん下ってから、あるべきはずの登り返しがない。右を見ると本来歩くべき尾根が・・・。
空腹と落胆でヘロヘロになりながら、下った尾根を登り返し、再び町界尾根に出る。
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平坦地に戻り、お昼ご飯 |
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せっかくのいい道も倒木がいっぱい |
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三度、平坦地を訪れる。何かが我々を引き寄せているのだろうか。ここでお昼ご飯を食べ、正規
の尾根(市島、美和町界)を下る。
緩やかで広い尾根は要注意。コンパスで確認しながら歩く。こちらの尾根にもいい道があるが、
倒木や藪で巻かざるを得ない。人が歩かなくなった山道はほんまに歩きにくいなあ。
島田さんが何か白いものを跨いだ、と思って後を歩こうとすると、白い腹を上に向けた小さな蛇だ
った。死んでいるかと思ったが、島田さんが杖でつつくと慌てて茂みに逃げていった。
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枝打ちと間伐の木が行く手を遮る |
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下りるとこんな石仏がお出迎え |
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429mピークを過ぎると神池峠だ。峠からは非常に荒れた道なので、こちらの尾根を下ろう、と
島田さん。たぶん、石仏の所に下りるだろうとのこと。峠からの道を見下ろしながら、下刈りと枝
打ちの木に足を引っかけながら下りていく。ここにも太いカラスヘビが・・・。今日は長いものによく
出会ったね。
下ったところには島田さんの推察通り、岩の中に2体の石仏。お地蔵さんとお不動さん。お札が
あるので地元の人々がお参りしているのだろう。
お不動さんから少し林道を歩き、湖畔に出る。対岸に釣り糸を垂れる人。雨はどこかへ行ってし
まった。
祠が気になったので、後日、地元の人に尋ねると、登り口が間違っていたようだ。灯籠の近くに
南に登る道があったので、たぶんそれではないかと思う。祠も山頂でなく、少し下にあるようだ。
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地図はこちらをご覧ください。 |