午後から時間が空いたので、波賀尾岳に行くことにする。176号線、大山付近を走行していると
西に山頂を切り開いた山が目につく。少し北には金山があり、こちらの方は最近よく登られている
ようだが、波賀尾岳はそれほど登られてはいない。しかし、何年か前に山頂が切り開かれ、展望が
よさそうだ。
車を大山上のお墓近くに置く。今日は、波賀尾岳に直接登るのではなく、高畑山から丹波市山南
町・篠山市界を歩き、最後に波賀尾岳に至るという計画である。
地図を見ると距離があり、半日ではちょっとしんどそう。
「夕方までに下りられるかな?」と、父たぬきは不安そう。
「まあ、なんとかなるて。無理やったら、途中でエスケープしたらいいしね。」
私はいつもこの調子。
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一面のオオイヌノフグリ |
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シキミの花 |
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車のそばにオオイヌノフグリが絨毯のように咲いている。目を上げれば、波賀尾岳が逆光の中に
浮かび上がる。風はまだ少し冷たいが、陽ざしはすっかり春。
大山上から荒子新田の方へ歩き、天渕神社を右折して、谷へ向かう。両側は栗林、満開のシキ
ミの花を見ながら一番奥にある池の手前から南の谷に入る。
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植林の急登 |
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高畑山 |
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急傾斜の植林の中をしばらくよじ登り、高畑山から南東に延びる尾根へとりつく。手前の400p
から藪こぎしながらいったん下る。高畑山への登り返しはガレていて、ピーク直前は藪。これぞ丹
波の山である。
山頂は雑木に囲まれていて展望はあまりなく、ひっそりと三角点(三等 点名高畑 461.8m)
が埋まっている。
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助平衛坂 |
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井谷秤山 |
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高畑山から少し西に歩くと、山南町・篠山市界の尾根に出会う。この尾根を北に歩けば古坂を経
て馬頭だが、今日は南へ歩く。
境界といえ、尾根は藪で少し山南町寄りを歩く。藪がとぎれ、植林になると両側におりる道のある
助平衛坂。昔、大山で切り出された木材は、この坂や古坂を使って山南町側へ送られていたという。
ずらしと言って急斜面を利用して木を滑りおろしていたそうだ。
植林の中をしばらく歩けば401p。ここで歩く方向を間違わないようにしないと南西の尾根に進ん
でしまう。
小さなピークをいくつか上り下りし、Ca400pに着く。ここで尾根は二手に分かれているので東へ
進む。少し歩くと境界尾根は南へ向かうが、そのまま東へ歩く。
間伐のあとの残る尾根を歩いていくと木の階段が現れる。
「ええ階段がつけてあるねぇ。」
階段を上りつめると、井谷秤山(347.5m 四等三角点 点名井谷)。大柿さんのプレートが風に
揺れている。
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鞍部の看板 |
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巻き道を歩く |
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井谷秤山からはこれまでよりも歩きやすい道。下ると道標があり、南は川代公園、西は井谷山、
東は秋葉神社跡、とある。北から登る道があるようにも見えたが、秋葉神社跡とは?
小さな鞍部を過ぎ、間伐されたばかりの尾根を歩いていく。歩きやすいように開けてあるので、ど
こかの山のように間伐材が放置されたままということはない。
371pを越え、波賀尾岳手前の二つのピークの南側の巻き道を歩いていく。
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三嶽と篠山盆地 |
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少し急な斜面を登ると波賀尾岳山頂(392m)に飛び出る。波賀尾岳は標山(しめやま)の一つで
「古い時代において民族が聚落地を求むる為に移動する際には必ず特殊な山を目標にしたものであ
る。」と山頂の看板にはある。
山頂は360度の展望。南に東に篠山盆地と三嶽を中心にした山並み、南には松尾山、白髪岳が
指呼の間、西には猿藪、高山、天狗山など、北西には先ほど歩いた高畑山の向こうに馬頭、金山。
「国道を走っているときには、こんなにいい眺めの山とは思わなかったね。」
ほんまに山は登ってみなければわからない。
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松尾山 白髪岳が近い |
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さっき歩いてきた高畑山 |
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黒頭峰、夏栗山の間に顔を出した三尾山 |
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陽も傾いてきた。そろそろ下りようとすると、黒頭峰と夏栗山の間から三尾山が顔を出している。
「まあ、あんなところに三尾山。」
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波賀尾岳の北直下にある祠 |
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大山の荘の里市民農園 |
下山は北の尾根を下ることにする。山頂からほんの数メートル下りたところに小さなお社が建
っているお正月のお飾りが飾ってあるのでお参りする人はあるのだろう。お社の前から参道が
下りているので、それを下る。
「秋葉神社跡って、ここやったんかな?」
もしかしたら、巻いたピークにあったのかもしれない。
途中の小さな尾根で左に進んだので、道はなくなり少し藪こぎののち、下りたところは「大山
の荘の里市民農園」だった。農園では、畑仕事をする人たちの姿も・・・。都会から週末を利用
して来られたのだろうか。
波賀尾岳を背に車まで歩く。オオイヌノフグリは花を閉じ、日は山の向こうへ沈みかけていた。
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