雨上がり 大展望の笠形山
兵庫 八千代町・神崎町

 朝起きると一面の霧。昨日の雨の影響か。すっきりした天候を予想していたのでちょっとがっかり。

 いつもの出勤時刻より若干遅く家を出る。稲継交差点はいつものごとく出勤の車が多く、小学生の登校と重なり混雑に一層拍車
がかかる。
 山南町から中町、加美町、そして八千代町に入り、大屋の集落を目指す。大屋集落にある案内板を頼りに集落を抜け、建設中の
滞在型農園施設を左に見て、林道の終点まで走る。
大屋登山口 勝負瀧
 車を降りると、どうどうという水の音。昨日の雨で水量が多く、登山道のそばにある滝は勢いよく水をはき出している。

 身支度をして登りはじめる。水音で足音もストックの音も聞こえない。100mほど歩いたところで無線機を忘れたことに気付き、引
き返す。

 谷沿いに沢を何度か渡り返しながら登っていく。ところどころ、道が川状態になっている。いつもなら容易に渡れるところも水量が
多いので、岩が川の中に沈んでしまっている。
「ああ、どうしょう。まあ何とかなるやろ。えーい!」と短い足で恐るおそる渡っていく。単独なので独力で何とか渡ったが、父たぬき
と一緒ならきっと頼っていたことだろう。

龍が瀧

 水量が多く勢いよく落ちる勝負滝(何の勝負するんやろ?)や龍が滝などを見ながらゆっくりと歩いていく。苔むした石の道は要注
意。龍が滝の上に九輪草の保護地があり、ロープで囲ってある。つぼみが出ていたので開花ももうすぐだろう。

 見上げるとガードレールが・・・。大幹線林道に出てきたようだ。最近舗装されたのかきれいなアスファルト道だ。原付に乗ったおじ
さんがにこにこして通り過ぎていく。ここまで車で上がってもよかったのだが、それでは滝は見られない。

 道路を渡って登山道に入る。頂上まで60分という表示。暗い植林の中を沢音を聞きながら歩いていく。

舗装された林道 ひなたぼっこをするカナブン?
 水の音が小さくなり、自分の靴音が聞こえはじめると天の邪鬼の力水。少し歩くとトラバース気味の道に出る。芽吹きはじめた木々
の間から東方面が開けている。このコースはじめての展望だ。三角の山は白髪岳か?
すっきりとして遠望がきく。頂上からの展望が楽しみだ。ツツドリがポンポンと鳴き始める。たくさんの鳥の声が聞こえるが、ウグイスと
ヤマガラしかわからない。(^^;

 植林の中のつづら折れの道から雑木の急登。まだ若い葉の間から差し込む陽ざしは初夏のそれだ。高度が上がるにしたがい展望
も広がってくる。白髪岳と思っていたのは多紀アルプス三嶽のようだ。

縦走路に出る 立岩の向こうに
 勾配がゆるくなり歩きやすくなると、高坂峠からの縦走路に合流。一昨年のオフで歩いたことを思い出す。あのときはたくさんの人だ
ったが、今日は一人。龍の背から立岩、天狗の挽岩へ。そうそう前回はここでWeekend Masterさんと交信したっけ。北にどっしりと千
が峰が座っている。さあ、最後の登りだ。以前はなかったトラロープが設置してある。

 頂上のすぐ下に色の濃いツツジが咲いている。コバノミツバツツジより花が大きくピンク色だ。アケボノツツジだろうか?これは頂上
付近しかなく、下のほうはミツバツツジばかりだ。
千が峰をバックに アケボノツツジ? 雨上がりで展望がよい
 登りはじめて、約1時間半。山頂には一等三角点と東屋が二棟。人はだーれもいない。そのかわり、アブだろうかおびただしい数の
虫がブンブンうなりながら飛んでいる。そういえば、真夏に来たときもたくさんいたなあ。

 360度の展望に、しばし写真を撮るのも忘れて景色に見いる。
 北に千が峰、時計回りに、岩屋山、カヤマチ山、竜ヶ岳、篠が峰、その向こうに双耳峰の青葉山がはっきり見える。
 東には、向山連山がくっきりと見える。長老ヶ岳も思いの外近い。京の愛宕山、三嶽、深山、半国山、大船山等々。六甲山は頂上
だけ。南は霞んでいる。霞の上に淡路島、遠く四国の山々。南西には明神山、七種山群、雪彦、そして西方遙かに、後山、三室山、
その手前にアンテナを頭にのせた暁晴山、北西に高星山、だらだらとした段が峰、氷ノ山は高星山の上に頭だけ見せている。

 東屋のベンチに座り、少し早いが昼食にする。これほどの景色を見ながらの食事はなんと贅沢なことか。(^o^)

 ちょうど11時になったとき、笠の丸方面から二人の男性が来られた。三草山からCQが出ていたので、応答していると、
「この間も、またに山で無線している人がいた。」と言われる。
「えっ、もしかして○田さんという人では?」
「そうですよ。世間は狭いなあ。」
しばし、話が弾む。

 2組3名の男性が相次いで到着。最後にもう一度後山〜氷ノ山を見て下山にかかる。
空にのびる 登山道脇のフデリンドウ
 途中で2人の単独男性。なぜか今日は男性ばかり。私もそれに近いが・・。(^^;
 登山道の脇にフデリンドウが咲いている。それもたった3輪。なんとか踏まれずにいてほしいものだ。

 往きと同じように沢を何度も渡りながらちょうど1時間で車に戻った。

 帰りに山南薬草湯に寄り、汗を流す。ガラスの向こうに満開のハナミズキ。季節は春から初夏へと進んでいる。
山は大笑い みずみずしい九輪草

行った日 02 4.22
行った人 たぬき(母)単独
山行タイム 大屋登山口8:40〜大幹線林道9:05〜縦走路分岐9:50
頂上10:10ー11:30〜大屋登山口12:30
2.5万図 粟賀町