横尾山から剣尾山
大阪府能勢町


 このところ、天候が不安定で雷雨があちこちで降っている。Webで予報を確認し、剣尾山に向か
う。篠山市街を抜け、福住から国道173号を南に走ると、簡保の宿能勢の標識がある。隣接する能
勢の郷から登り始める。

 
はじめはよかったが・・・ ⇒ 藪に突入(見かけよりずっと藪が濃いです)

 テニスコートを横に見ながらレストランを過ぎ、グランドゴルフ場を横切って尾根へ上がる。しば
らく行くと、道は尾根の左右に分かれて、トラバース道となるが、我々はそのまま尾根を進む。も
ちろん道ではなく、藪。この藪は、藪好きの我々にとってもかなり手強い。父たぬきはザックのサ
イドポケットに無線用アンテナを差し込んでいるので、それが枝に引っかかり、かなり難渋してい
る。苦闘すること30分ほど、突如登山道に飛び出る。
「なんやー、こんなええ道あったんか。(*_*)」
こんないい登山道があったのかぁ 頂上広場からの剣尾山

 一度は藪こぎしなければならないのが我々の運命らしい。すぐに頂上広場と書かれた標柱のあ
るピークに出る。剣尾山が谷を隔てて南に大きく見えてきた。
鉄塔から南西の展望

 いったん下り、登り返すと鉄塔174の立つピーク。ここから南西の展望がすばらしい。六甲を背に
北摂の山々が連なっている。
 しばらく岩の多い尾根を歩く。日本庭園のような雰囲気だ。登山道は、岩から笹に変わり、やがて
西側が黒いネットを張り巡らしてある。ネット越しに高岳と大野山が顔を覗かせている。そういえば、
高岳にも同じようなネットがあったなあ。
 鉄塔から25分で、県境分岐と書かれたプレートが木にくくりつけてある。左は道が不明瞭とのこと、
我々は右の横尾山へと向かう。
鉄塔から北の尾根 横尾山頂で

 横尾山三角点(二等、点名土ヶ畑)は、登山道の脇にちょこんと座っている。我々とほぼ同時に
反対側から犬を連れた女性のグループが到着。人間でさえとても暑いのに、毛皮のわんちゃんた
ちはもっと暑いやろね。ピークといえないような雰囲気の山頂。女性のグループは、「ここから下山
路があるはず。」と捜しておられたが、夏場は草が茂ってわかりにくくなっているらしい。
深山が近い 檜の植林

 低い笹の向こうに深山が近い。北側からはよく見ているが、こちら側から見るのは初めて。中
腹まで開発が進んでいるようだ。その左肩には多紀アルプス。「ええ眺めやなあ。」
 しばらく行くと、反射板があり、国界と彫られた立派な石柱がたっている。明治十年三月建立
とある。
 国界から尾根は南東に向きを変える。桧が植えられ、苗木にプラスティックカバーが施されて
いる。桧も暑そう。
 20分ほど歩くと、ここにも国界の石柱。三叉路になっていて北東は宿野の野外活動センター
への道、剣尾山は南の道。

たくさんの小学生 月峯寺跡

 国界石柱からひと登りで剣尾山頂(784m)。公園のような山頂。蛙石と言われる巨岩の上に立っ
てみる。風が吹き抜け涼しい。展望もいい。他に登山者もなくここでお昼にすることに。父たぬきは千
ヶ峰と同じように無線のアンテナを組み立て始めた。私はおにぎりをほおばりながら双眼鏡で山座同
定。雲の流れが速い。山口県沖の台風はどうなっただろう。
 単独の男性2名が相次いで到着。風に吹かれながら少しお話しする。お二人ともお弁当は食べず、
早々に下山して行かれた。次々と登山者が来られるが、お弁当を食べると下山される。

 12時頃、2,3人の子どもが上がってきたかと思うと、あとからあとからやってくるやってくる。その
数120人以上。あちこちに陣取りお弁当を広げ始める。我々のそばにもやってきたので、話しかける
とはきはきと応えてくれる。京都のM小学校校区地域の3泊4日の野外活動初日で、最初の活動が
剣尾山登山という。
 
 荷物を片付け、賑やかな山頂を後に南の行者山方面へおりる。少し急な道を下ると、平坦な月峯
寺跡。岩陰地蔵など謂われのありそうなところである。広い登山道はまるで遊歩道。野外活動センタ
ーへ下る道の分岐を過ぎると、大きな六地蔵さん。ここが寺跡の入り口だろうか。
 
広い登山道 西の覗き

 それにしても広くていい道、雑木のトンネルも雰囲気がいい。最初の藪とは大ちがいだ。684.1m
ピークを南に巻いた道から行者山との鞍部を過ぎると、行者山への登り。
 少し急な道をひとのぼりで行者山。山頂は木陰がなく、陽ざしが直接あたって暑い。

 標高469m。摂津大峰として知られる古くからの修験道。下方の行者堂の周囲には東西の覗き、
胎内めぐりなどの行場があり、約一時間で一周できる。歩道沿いには大日如来仏が刻まれた巨岩も
ある。


 山頂の西の端に、せり出した大きな岩がある。西の覗き。岩の上に立つと、けっこう高度感がある。
下っていくと、とび岩、岩に彫られた理源大師像など、おもしろいものが次々現れる。登山道から離れ
たところにも興味をそそるものがあり、毎年大峰山へ行者参りしている父たぬきは興味津々のようだ
が、それは次の機会にと下山を急ぐ。
理源大師像 毛抜岩の上の毛抜塔

 整備された登山道を降りると、「是より行者道」の石柱のある登山口に出る。能勢の郷バス停への
道標に沿って、能勢の郷まで戻るとちょうど歴史資料館の裏手に出た。

 簡保の宿で一汗流していると、屋根を叩く雨の音。その雨も車に乗る頃には上がり、涼しい風が流
れていた。
 

 地図はこちらをご覧ください。

行った日 04 8/1(日)
行った人 たぬき二人
山行タイム 能勢の郷8:30〜頂上広場9:30〜横尾山10:15〜
剣尾山10:50ー12:30〜行者山13:15〜登山口13:40
〜能勢の郷13:45
地図 エアリアマップ北摂の山々 2.5万図 妙見山・埴生