向山連山 珪石山〜清水山
兵庫 氷上町   542m

清水山から鳳翔寺への尾根からあおぐ珪石山(左) 清水山(右)

 朝起きるとうっすら雪景色。しかし、それほどたくさん降ってはいません。我が家の裏山ともいうべき向山連山の
珪石山から清水山へ行ってみることにしました。向山連山の登山道を整備されているSさんが清水山から鳳翔寺
への道を整備されたということを聞き、一度歩いてみようと思っていたのです。

 登山口のいそべ神社は雪の中でひっそりと佇んでいる。水分れ資料館もまだ開いていません。水分れ公園の
滝のそばの林道を歩いていきます。この道は犬のコロちゃんが元気な頃、一緒に散歩したところです。もうだいぶ
ん前のことなのに、コロちゃんが今にも走ってきそうな、そんな気がしました。

 今日は時間があまりないので、あまり長くない足を速めに動かします。芝生広場からの道と合流すると、山道に
なり、急な登りを展望台へ急ぎます。
 展望台からは、水分れ公園や谷中分水界が一望できます。遠くには雪で白くなった篠が峰。ガスがかかって少
し霞み、仙人になった気分です。
雪の中でひっそりたたずむ いそべ神社 展望所からガスで霞む中央分水界
 さて、ここから珪石山までが登りの急所。登るのにはしんどいので、いつも下山に使っているコースです。でも、
今日は清水山へ回らなければならないので、仕方なくここを登ります。はじめこそ歩きやすい尾根ですが、すぐに
急登となりました。落ち葉と雪でつるつる滑ります。「アイゼンがいるなあ。」と父たぬき。トラロープにすがりながら
汗をかきかき登っていきます。「ここを往きに使う人があるけど、ここはほんまにしんどいねえ。」「いつきてもしんど
いとこやわあ。」
汗が目に入ってとても痛いです。
 展望所から35分で珪石山山頂です。丹波の山と言えば珪石(チャート)と言われるくらいなじみの深い石です。
珪石は耐火レンガの製造には欠かせないもので、市島町酒梨から産出するものは東洋一の品質だったそうです。
ここ石生では、S30年代中頃まで掘っていたようです。今も採掘の大きな穴が残っています。
珪石山への急登 トラロープにつかまる父たぬき 珪石を掘った跡(珪石山)
 珪石山の穴のヘリを少しだけ向山方面へ歩くと、向山三角点と清水山への分岐があります。道標に従って清水
山の方へ向かいます。清水山まではすぐです。雑木の間から三岳がちらっと見えます。
 清水山には関西電力の反射板が南を向いて立っています。柏原の町は霞んでよく見えません。清水山は谷文晁
が「日本名山図会」にも描いた山です。
 ここから南へ下ると、尾根の一番先はもうすぐ厄除大祭の行われる柏原の八幡さんです。我々は、西の尾根を鳳
翔寺へ向かいます。以前はなかった「珪石山、清水山登山道」の道標が所々に設置してあります。道に迷う心配
はありません。 
まっすぐ行くと向山三角点 清水山は右へ 清水山〜鳳翔寺尾根から 向山
 鳳翔寺への尾根道は、赤松と雑木の混生林で、とても気持ちのいい道です。北側には向山連山の四の山〜五
の山〜蛙子峯が壁のようにそびえています。
いそべ神社岩座 下山地の鳳翔寺
 Ca300付近に鳳翔寺と南多田の明願寺への道標がありました。道標がないときは、左の明瞭な道を進み、途
中で南多田へ下りないように修正する必要がありましたが、この道標のおかげで迷うことなく鳳翔寺へ下りられそ
うです。
 道はよく整備され、緑のテープも施されています。分岐からは初めて歩くコースです。Ca250までくると、大きな
岩が立ちはだかっています。いそべ神社岩座です。家からもよく見える大きな岩ですが、こんなに近くで見るのは
初めてです。父たぬきは、子どもの頃ここまでよく上がってきていたそうです。岩の上にちょっと上がってみました。
石生の町がよく見えます。
 そのまま尾根を下り、途中から左に折れると鳳翔寺の上の渓流にでます。渓流と言っても水は全くありません。
渓流沿いに下ると鳳翔寺の駐車場に出ました。きれいに掃き清められた境内は静まりかえり、二人の靴音だけが
響いていました。

行った日 02 2/11
行った人  たぬき二人
山行タイム いそべ神社8:05〜展望所8:25〜珪石山9:00〜
清水山9:15〜明願寺への分岐9:35〜鳳翔寺10:10
2.5万図 柏原