ちょこっと 小富士山
兵庫丹波 春日町


阿陀岡神社付近から


 小富士山という名前を初めて聞いたのは高校一年の時だ。遠足がわりに学校の近くの山に登ったとき、
市島から通っている友だちが「小富士山が見える!」と歓声を上げた。そのとき以来、小富士山の名は胸
の奥に深く刻まれた。
 国道175号線を福知山方面へ走っていると、右側に低いが形のよい山がとびこんでくる。西に低い山を
従え、ひょうたんを半分に切って伏せたような感じだ。春日町と市島町の境に位置し、竹田川はここで大き
く流れをかえている。
 
 朝起きると、清水山は霧の中。もしかして、雲海日和かな?車を小富士山に向けて走らせる。家を出ると
きは霧は晴れ青空がひろがっていたが、春日町にはいると竹田川沿いにまだ霧が残っている。小多利の
桃源寺(日限地蔵尊)の駐車場に車を置き、ここから登ることにする。
 日限(ひかぎり)地蔵尊は北向きの不動尊で、日を限ってお参りすれば願いが叶うとか・・・。地元の方が
大切に守っておられるのだろう、きれいに飾ってある。
日限地蔵尊
 日限地蔵尊にお参りし、トイレの前から山へ入っていく。お墓のそばを「失礼します。」とつぶやきながら通
り、早々と藪の中に突入する。蜘蛛の巣と小枝を払いのけ、明るい岩場に出る。が、まだ登山道とはいえな
い。
三尾山、黒頭峰、向山連山、黒井城趾(いまいちのパノラマです)

 登山道ではないが、歩けないことはない。低木なので、展望もよい。何度も振り向き、南側の展望を楽しむ。
まだ霧が残り、黒井城趾、向山連山、黒頭峰、三尾山などが霧の中に浮かんでいる。

 10分ほど歩いた頃、白い布が木にくくりつけられた登山道に出る。西の方に下っているので、不動尊の左
側(お寺の西)に登山道の入り口があったのだろう。
 ナツハゼの実が黒く色づき、おいしそうにぶら下がっている。いつもなら手にとって数粒いただくのだが、今
日は展望に気をとられ、それすら忘れていた。食いしん坊のたぬきとしてはめずらしいことだ。(*^_^*)
 
ナツハゼの実 愛宕山・五大山を望む(右の山塊)

 少し急だが、藪こぎもなく快適な岩の道を登ると、「第二展望台」にでる。岩のテラスからは、妙高山がよ
く見える。形のいい松を通して写真を撮る。南側に展望が開け、いつまでも見ていたい景色だ。
 展望がいいのはここまでで、すぐに平坦な山頂(約230m)に出る。
 山頂には祠が建ち、中を覗いてみると、御神輿のような建物が見える。ここも城跡だったと聞くが、戦国の
世にどのような出来事が起こったのか知るすべもない。

 
山頂 歩いたルート

 下山は、西に向けて歩く。町界を示す赤いプラ杭に沿って下りる。昔は歩かれただろうが、今は枯れた
松が倒れ、全く手入れされていない。蜘蛛の巣とダニ攻撃も加わり、早くここから抜け出したいと自ずと
足が早く動いている。
 西の山との鞍部には南北にしっかりした道があらわれる。ちょっとした峠道のようだ。ここを南にとり、出
たところは池尾公民館のすぐそばだった。
 小富士山を左に見上げながら、彼岸花が咲く農道を秋風に吹かれてゆっくりと桃源寺まで歩く。全行程
1時間ほどの山歩きだったが、すばらしい展望と天気に恵まれ、すてきな時間を過ごすことができた。
行った日 03 9/27(土)
行った人 たぬき単独
山行タイム 桃源寺(日限地蔵尊)7:45〜第二展望台8:12〜山頂8:17
〜鞍部8:30〜池尾公民館8:35〜桃源寺8:45
2.5万図 市島・黒井