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エコートピア京都三和からの万灯山 |
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三和町に万灯山という珪石採掘跡のある山があるとやまあそさんからの情報。地形図を見ると、
なるほど尾根にそのような跡がある。
3連休の初日にやまあそさんが行くというので、私もおともさせてもらうことに・・・。
戸平トンネルを抜けると、市島町戸平(とべら)。地形的には三和町に近いのに、どうして市島町
なんだろう?といつも思う。
府県界の看板を過ぎ、少し走ったところに石碑が建っているので、その前の広い路側帯に私の
車を停める。停車した途端、雨が落ち始める。
「今日は、曇りで雨の心配はないと思うけど・・・。」
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三柱神社 |
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薬師堂そばの石仏を調べる |
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支度をしてやまあそさんの車に乗り込み、寺尾の三柱神社へ向かう。やまあそさんは、神社から
とりつくつもりらしい。神社の前に車を停め、近所の人に尋ねてくるというやまあそさんを待っている
とすぐ近くの家の男性が出てこられた。万灯山のことを尋ねていると、やまあそさんが戻ってくる。
車を神社に停めさせてもらい、ここから登ることにする。
万灯山への道は、神社本殿の下にある薬師堂の裏の尾根を登るようになっているという。三柱神
社はこぢんまりとしているが、きれいに掃き清められた気持ちのよいお宮さんだ。薬師堂は右に少し
下ったところにある。
湯ノ谷薬師
由来 本尊薬師如来
薬永山寺尾谷古跡なり 古くこの谷に湯が湧き 弘法大師が丹波路を御遍歴の際 この地を踏まれ
しと伝えられる 中世期に開山以来 現在に至るまで地域住民の願参は絶えない 万病 特に目耳
の病にご利益あり
新旧の看板があり、昔は湯が湧いていたという。今もたくさんのお参りがあるようだ。石仏を調べて
いたやまあそさんはみんな如来さんだと言う。私にはわからないが、一目でわかるようだ。
すぐそばの池にはたくさんのオタマジャクシが泳いでいる。この時期ならモリアオガエルのものだ
ろうか?
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山腹にはいい道が |
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深く掘れた採掘跡 |
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薬師堂の裏にある尾根のとりつきに微かな踏み跡を見つける。
「ここやで、ここ。」
さすがやまあそさん、ちょっとした踏み跡も見逃さない。
藪っぽいが、ちゃんと道はある。しかし、この時期の低山は藪とクモの巣を覚悟して歩かなければな
らない。先を行くやまあそさんは、たちまちクモの巣攻撃に遭い、奇声を発している。雨は降っている
が、木立の中なので思ったほど濡れない。空も明るくなり、しばらくすると雨もやんだ。
尾根をほぼ直登する道は平行道に合流する。左右のどちらに出ようか?右に行くと万灯山から遠
ざかりそうなので迷わず左。しばらく山腹を歩く。が、このまま行くと尾根に出られそうにない。
「こりゃ、あかんね。ここから尾根に直登しよう!」
歩きやすい平行道から離れ、尾根に向かって直登する。空が見えるので尾根まではそれほどかか
らなかった。
出たところは、地形図のいちばん東の崖マークのところ。北側から採掘したのか巨大な穴がぽっ
かり口を開けている。採掘されなくなって久しいのか、穴の底で朴の木が大きく成長し採掘されな
くなって久しいことが伺える。
やまあそさんが写真を写すのでじっとしていると、
「たぬきさんのいるところ、ものすごく危ないで!」と言う。位置を変えて見てみると、先ほどまで立
っていたところはオーバーハングしており、土の下は空洞になっている。
採掘の規模が大きく、全体を写すのは難しい。穴の底から写せばいいのかもね。
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採掘跡からガスの上がる山々を望む |
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採掘跡には石垣が残っている |
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尾根を削り取るほど採掘された珪石も時代とともに用をなさなくなり、今はその跡だけが残って
いる。
尾根を歩くと次々に採掘跡があり、規模の大きさは様々だが、南の寺尾側からの採掘跡や深
い穴などがあり、一つひとつ見ていくと飽きない。最後の採掘跡には、石垣が残っている。こんな
ところになぜ石垣が? やまあそさんは、採掘で出た水を流す水路やったかも、と言う。なるほど
そういうことも考えられるね。
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広い万灯山頂 |
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峠 |
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万灯山は採掘跡からほんの少し西に行ったところ。麓でお話しを聞いた人が言っていたように
平らな山頂。何か祠でもあったのかもしれないが、「品川植林地昭和三十四年」のコンクリート
杭があるだけで展望もない。南北に続く尾根は福知山・三和町界で、福知山側の植林はとても
45年以上経っているように思えない。三角点は少し北にあり、今にも見えなくなってしまいそう
ほど落ち葉に埋もれている(320.6m 四等三角点 点名上野)。
もとの平らな山頂に戻りもう一度周囲を見渡すが、何も残っていない。昔は、北に長田野の工
業団地が見えたというが、植林が育ち何も見えない。
万灯山から市町界を歩く。万灯山からの尾根は西に延び、途中で南へ方向を変えなければな
らない。下りの尾根は難しいので注意しなければならないが、やはり少し行き過ぎていたようで
山腹に崩れかけた平行道を見つけ、何とか市町界に復帰する。
松枯れの倒木が尾根をふさぎ歩きにくい。何とか寺尾山田へ下る峠までたどりつく。
北へはいい道が下りているが、南は倒木がふさぎ、とても歩けそうにない。
「こんなところをおりたかなぁ?」
自転車でここを下りたはずのやまあそさんは、しきりに首をかしげる。
峠から西に歩くと、植林の中へつづらおれの道が下りている。
「ここや、前回下りたのは・・・。」
先ほどの峠よりはずっと歩きやすそうな道だ。ふとやまあそさんの足を見ると、尺取り虫が付い
ている。それを取ろうとすると、丸い大きなダニが・・・。(>_<) よく見ると私のズボンにも付いて
いる。手で払ってもなかなか落ちない。夏の低山はなかなかおもしろいね。(-_-)
境界尾根を西に歩く。これまでよりも歩きやすい。そのうち、境界は南へ方向を変え、車の音
が下から聞こえてくる。
「?」
「舞鶴自動車道の音やで。」
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大内峠の石室 |
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石室の中には石仏 |
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車の音を聞きながら歩いていると、いつのまにか大内峠に着く。峠には石室があり、中を覗くと
弘法大師様が静かに座っておられる。風雨にさらされていないので摩耗していない。
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大内からの巡礼道 |
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道標石仏 |
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大内峠から少し南へ歩くと大内からとてもいい道が合流している。これが巡礼道だという。この
巡礼道を「巡礼尾」と地元では呼ぶらしい。西国の札所を巡る道である。巡礼尾に沿って石仏が
残っているというので、それを楽しみに歩く。道はところどころピークを巻いて歩きやすいようにな
っている。いつの間にか千草山三角点(三等 333.2m)を過ぎていた。
やまあそさんによれば、千草山は三角点ピークより高いピークの方をさすのではないかという。
地形図を見ると三角点ピークの南西にCa360mがある。遠くから見れば、このピークの方が高く
見えるはずである。
三角点から少し行ったところの明るいところでお昼にする。もちろん展望はない。その代わり、
蚊が訪問してくれる。
以前やまあそさんが歩いたときには、360mピークの手前に石仏があったという。この辺にあ
ったはずやけど見落としたのかなぁ、と・・・
「あったー!」
指で巡礼道をさし示す石仏が登山道脇にあった。こんな石仏がところどころにあったそうだが、見
つかったのはこれ一体だそうだ。
「おかしいなあ、前に来たときは反対側を向いていたような気がするけど・・・。」
以前と向きが違ってるとやまあそさん。
帰宅して以前写した写真と比べると、やはり反対になっていたそうである。倒れたものを誰かが
起こしたときに反対向きになったのだろうか?
道の脇に石仏を捜しながら歩くがその気配さえない。Ca360ピークを巻いて道は続いている。
いい道だと少し歩いてみたがすぐになくなってしまった。尾根に復帰し、藪に帰りつつある巡礼尾
を歩いているつもりが、いつの間にか支尾根に入り込んでしまっていた。本来歩くはずの尾根が
右上に見える。もう戻る体力がないので、そのまま下ることに・・・。
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谷に下りてくる |
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始めは何とか歩けたが、尾根の先端は急傾斜で、その上、イバラ藪なので植林の急斜面を谷
まで下る。やまあそさんは小さな流れで顔を洗い、さっぱりした様子。
行者堂を見られないのは残念だったが、次の機会の楽しみとしよう。
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石仏を調べるやまあそさん |
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下りたところは林道の終点で、ここからは林道を歩く。しばらく歩くと、石仏が草の陰から顔を出
しているのをやまあそさんが見つける。やはり、石仏が彼を呼んでいるのか・・・。
この石仏も巡礼尾に関わるもので、道標石仏で観音講とある。左の文字は大内は判読できたも
のの他はわからない。
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ゴミの不法投棄防止の扉 |
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林道入り口にも石仏 |
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小路の廃屋を見ながら歩くと、トラクターを洗う男性。挨拶するが、山から現れた我々に驚く様子
がない。
林道の入り口には新しい扉がある。猪柵かと思えば、不法投棄を防ぐもの。こんなものを作らな
ければならないなんて、ほんとうに情けない世の中になったものだ。
扉の外に出ると、たわわに実ったスモモの木。木の下にたくさん落ちている。誰かがかじった跡
がある。猿でもやって来たのかな?
府道に出るところにはまた石仏。巡礼尾は、やはりこの道に続いているのだろうか。府道脇に置
いた私の車で三柱神社へ戻る。
帰りに、我が家と同じ工務店でリフォームされたお家におじゃまする。ご主人が山登りをされると
聞いていたのでいつかお会いしたいと思っていた。全く面識もなく、突然の訪問にも快く応対いた
だき、山や花の写真を見ながらいろいろなお話しを伺うことができた。お家のあるところは草山とい
う集落だが、昔は千草山と言ったらしい。千草山という字名が三角点に付けられたのだろう。
お庭には、ギボウシの花が涼しげに咲いていた。
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