GWのさなか、高速道路はどこも渋滞という。香住町にある三川山をめざし、9号線、312号線、178号線を走る。香住町下岡で左折、佐津川に沿って三川権現へ向かう。ここは、日本三大権現のひとつで、昨日は大祭の行われたらしい。権現堂には五色の幔幕がはられ、幟もたくさん立っている。早いのでお参りの人もなく、ひっそりとしている。 |
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三川山は雲の中 |
大祭が終わったばかりの三川権現 |
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駐車場のまわりにはシャクナゲが植えられ、満開の花が美しい。どんなシャクナゲたちに出会えるのかわくわくしてくる。身支度を整えゆっくりを登っていく。堰堤を越えしばらく行くと、シャクナゲコース奥の院コースの分岐だ。二つの谷からの沢が合流する。イチリンソウが花を閉じ、明るい陽ざしを待っている。
沢にかかった生きた木の丸木橋を渡り、分岐を左にとってシャクナゲコースの尾根を登り始める。とすぐにシャクナゲのピンクの花が目に入る。盛りを少し過ぎているのと昨日の雨で、花に元気がない。しかし、シャクナゲの多いこと。右を見ても左を見ても上を向いても、シャクナゲばかり。これほどの群生を見たことはない。ふと足下に目をやると、イワカガミがひっそり咲いている。尾根道とはいえ、かなりの急登である。濡れて滑りやすくなっているので、ゆっくり登っていく。ツツドリがのどかに啼いている。 |
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シャクナゲ |
ウスギヨウラク |
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シャクナゲを堪能し、尾根からはずれ、谷と尾根の間のソマ道を歩く。ブナの新緑がさわやかだ。ふと斜面を見ると、花の終わったカタクリが・・。かなりの数である。こんなところなら盗掘する人もあるのでは、といらぬ心配をする。沢の向こう斜面には、大きな雪の固まりが残っている。ひんやりした空気だ。 あと700mの地点付近から雪がたくさん残っている。まるで雪渓歩きをしているようだ。登山道の勾配もようやくゆるみ山頂近くまで雪上歩きを楽しむ。 |
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小さな雪渓をゆく父たぬき |
咲き終わったカタクリ |
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山頂には、NHKはじめたくさんの中継所が立っている。三角点は、建物の南側にひっそりとあった。自然学校の記念のポールが立っている。南側からは蘇武岳方面からの林道。ここにも雪がたくさん残っている。「但馬中央山脈縦走大会トイレ」という標識と青いシートの簡易トイレ。近々行われるのであろうか。 山頂からの展望はほとんどない。父たぬきは無線機をいじっているが、入感していないようだ。サンドイッチと野菜ジュースで空腹をみたし、奥の院コースを下山する。ガイドブックには、急な下りとあったが、どれほどのものなのだろう。しばらく雪の杉林を歩き、雪がなくなる頃からやせた尾根道へと変わっていく。そしてここにもシャクナゲが咲いているではないか。標高が高い分、まだつぼみのものが多く、花も濃いピンクだ。谷を挟んだ斜面にもピンク色のシャクナゲが。ほんとうにたくさんのシャクナゲだ。 |
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はじけるようなつぼみ |
奥の院コースのやせ尾根 |
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急な下りを滑らないよう用心深く下りていく。少し勾配が緩くなったかと思えばまた急な下りに。それを何回も繰り返しながら下りていく。すこし広い尾根で小休止。右側の斜面を見ると、滝が見える。滝見台と名付けていたが、その辺りが奥の院らしい。滝の近くに磨崖仏があるらしい。
「山頂まで〜m」の標識が少しずつ数字を増していく。2000m地点まで下りると、水音が大きくなる。この急な下りもあと少しのようだ。 我々の目を楽しませてくれたシャクナゲともおわかれだ。 |
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この滝の付近が奥の院 |
シャクナゲに負けないくらい鮮やかな色 |
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尾根を下り、シャクナゲコースとの分岐にたどりつけば三川権現まではすぐである。境内には「但馬中央山脈縦走大会」の横断幕が張られ、下山者を乗せるバスが次々にやってきた。いったい何人の人が参加し、完歩できるのだろうか。 |