ヒヤヒヤどきどき、鏡峠〜鋸山〜栗柄峠 |
兵庫 春日町 篠山市 |
開花を待つヒカゲツツジ |
今年は例年になく春が早い。このぶんでは、春の花の開花が早そうだ。丹波のチャートの山々に群生するヒカゲツツジも 10日から2週間ほど早く咲きそうだ 。ヒカゲツツジは、近年、向山がメジャーになり、花の頃にはたくさんの入山者がある が、三嶽の西に位置し、西多紀アルプスといわれる山々にもたくさん自生し、知る人ぞ知る所である。この山域の主峰は 三尾山で、兵庫50山にも選定されているため訪れる人も多い。今日行く鋸山はその三尾山から東に続くゴジラの背を思 わせるような山である。 しかし、心配なことが一つある。丹波では、3/31まで有害鳥獣の駆除で、猟期が開けているにもかかわらず、猟師さ んが入山しているのだ。春日町に住む妹にメールで猟友会の予定を尋ねてみる。しかし、返事は来ない。 猟友会の動きを気にしつつ、春日町中山から延びる林道を南に走る。身支度をして、さあ出発というときに携帯が鳴る。 妹からだ。なんと、今日は鋸山周辺が駆除対象地域とのこと。が、まだその気配はない。稜線に出てしまえば危険は少な いだろうと、鏡峠をめざして出発する。 鏡峠までの道は、今でも往来があるのではないかと思えるほど快適な道だ。登山者が多いのだろうか?峠の少し下に 少しこびろくなったところがある。建物でも建っていたようなところだ。と、そのすぐそばに1体のお不動さんが立っている。 いつごろのものかはわからないが、施主は春日町のある村の有志によるものだった。 |
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お不動さんに別れを告げ、少し歩くと鏡峠だ。兵庫登山会の立派な看板が立っている。峠を反対側に下りると、篠山市の 佐仲ダム、西(右)に行くと、三尾山、そして東(左)は目的の鋸山への道である。 鏡峠からの道は非常に広く、リヤカーを引いて歩けるほどだ。松森からの破線の道を少し過ぎた辺りまで続いている。尾 根道には、コンクリートの標柱が立ててある。最初は、中という字と数字、それがいつの間にか松という字に変わっている。 中は中山、松は松森とふもとの集落の名前のようだ。村の山を示す道標のようである。その後も、歩くにつれ、栢(栢野)、 広(広瀬)の文字のコン柱が現れた。 木の間越しに尖った鋸山が見えてきた。真下まで行くと急な岩場が見える。この岩を登るのか、とちょっと不安な気になっ ていると、テープと突然現れた大柿布が岩の南側へと我々を導いている。これまでの道と一転して急登を喘ぎながら一気に 登ると木もまばらなピークに出た。おお、ここが鋸山か、と三角点を探すがどこにもない。東を見るともう一つ先鋒が見えるで はないか。それが鋸山のようだ。このピークにもヒカゲツツジがある。あたたかい日が続き、つぼみもだいぶん大きくなってい る。このぶんでは開花は早そうだ。 |
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かせいだ高度を少しはき出し、また登り返すとやっと岩の鋸山頂上。ヒカゲツツジの群生に囲まれて三角点がちょこんと埋 まっている(605.9m)。まわりの木には、さまざまなプレートが下がっている。眼下に春日町の村々、西にらくだの背のよう な三尾山、東に多紀アルプスの主峰三嶽。天候はよいが、霞んで黒井の城山さえも見えない。2月に登った鹿倉山も見える。 鋸山の北斜面にもヒカゲツツジが多そうだ。これから歩く方を望むと、縦走路のずっと先に堂の峰の広い尾根が見える。 |
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山頂で小休止をし、東鏡峠をめざし歩き始める。下から見るとギザギザしているが、意外に歩きやすい。1箇所だけ岩場があ り高所恐怖症のわたしは慎重に登っていく。 小さなピークをアップダウンし、563ピークにさしかかったとき、突如春日町側で鉄砲の音がした。シカの駆除が行われてい るようだ。しばらくすると発信器をつけた猟犬が目の前を走っていく。「人間やー。」と大声を出し、存在をアピールする。最近買 った無線機はAMラジオも入るので、早速スイッチONし、ボリュームを上げる。ときどきラジオが入らなくなるので、その時は意 味のないことを大声で叫びながら歩く。知らない人が聞いたら、ずいぶん変な人だと思うだろうな。 ピークを下るたびに峠かと思うような広い鞍部があるが、下りる道がないので峠ではないようだ。 |
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鋸山から1時間あまりで東鏡峠に降り立つ。篠山市側への道を黄色のテープが示している。そのときまたまた鉄砲の音が ・・・。のんびりしていられない。峠から赤テープが行く手を教えてくれている。それに従って先を急ごう。 しかし、なんとなく空腹を覚えてきたので、東鏡峠から二つ目のピークで早昼にする。ラジオをつけ、周囲を気にしつつおにぎ りを食べる。無線でOAPさんをコールすると、笠杉山頂上直前らしい。しばらく話をし、移動を開始する。 東鏡峠から東は、西に比べ岩もなく、穏やかな感じの尾根だ。一番高い572mのピークは堂の峰と呼ばれているらしい。南 に少し切り開きがあり、横に長い岩谷山が近くに見える。東には443.5mの御在所山が尖っている。御在所山との鞍部は広 く、鹿の遊び場といったところか。ここからは御在所山には行かず、町界の道を東北方向へ歩いていく。赤松の丹波らしい尾根 だ。 Ca350mピークの手前で赤テープは南に向かっている。道なりに歩くと、その南にあるCa330mピークとの鞍部から東に下 り、栗柄の民家の裏に下りてしまった。見上げると本来歩くはずの尾根が見えている。「まあいっか。」 |
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栗柄峠の観音堂に置いた車までのんびり車道を歩く。無線機から笠杉山のOAPさんのCQが聞こえてくる。すぐに三尾山移 動の局長さんが応答。車に戻りブレイクを入れて3局で話をする。いろいろ話しているうちにかねちゃんのお知り合いの方と判 明。「私はたぬきです。」と言うと驚いておられた。ほんまに世間は狭い。 無線をやめて車を降りると、観音堂にはいろいろなお地蔵さんがあった。近在にあったものを集めているらしい。中には道標 もある。 近くに不動の滝があるので見に行ってみる。丸い石をのせた「蛇の枕」なるおもしろいものがあった。由来はわからないが、 柵をし、しめ縄が張ってある。ユーモラスな姿に思わず笑ってしまった。石段を下りると落差5mほどの滝がある。滝口には平 たい石を置き、水が勢いよく落ちるようになっている。 中山林道にもう1台の車をとりに行くとアンテナをつけた車が数台。銃をかまえた人が入り口あたりで待機している。午後から この山域に入っているとのこと。パーンという音も聞こえてきた。 無事に帰ってこれてよかったなあ。 |
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行った日 | 02 3/17 |
行った人 | たぬき二人 |
山行タイム | 中山からの林道終点8:00〜鏡峠8:20〜鋸山9:10ー9:10〜 東鏡峠10:25〜栗柄12:15〜観音堂12:30 |
2.5万図 | 宮田 |