やまごさんから「大御影山に行きませんか。」というお誘い。昨年、赤坂山から見たなだらかな山容
が目に浮かび、「行こう行こう。」と即答。
綾部PAで待ち合わせ、美浜駅を過ぎ、耳川に沿って新庄の谷へ入っていく。松屋で粟柄谷方面へ
左折。粟柄林道を福井・滋賀県境まで走っていく。新緑に彩られたきれいな谷だ。秋の紅葉もすばら
しいだろう。
東屋のある駐車場に私の車を置き、やまごさんの新車で来た道を戻り、松屋から能登又谷に入る。
林道が分かれているところに車を置きここから登ることに。しばらくは林道歩きがあるようだ。
歩き始めて10分も経たない頃、下から車が上がってきた。登山口はまだ先かと尋ねると、乗ってい
けという親切なおことば。一も二もなく乗せていただく。まだ1kmはあるという。
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林道からの入り口 |
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新緑の谷を歩く |
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登山口まで乗せてもらったおかげで時間短縮。山仕事らしきお二人にお礼を言って歩き始める。登
山口には大御影山への案内標識が木に結びつけてあるので、谷に沿った新緑の道に入っていく。
また、登山口には火の用心札もあり、巡視路になっている。
降り注ぐ緑のシャワーを浴びながら、気持ちのいい道を歩く。
川底を覗くと、陽をうけて何かがキラキラと輝いている。砂金?と近寄って見る。登山道にもあったが
この辺の土質らしい。
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沢を何度か渡り返しながら・・ |
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赤坂山(右)と明王の禿(鞍部左) |
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何度か沢を渡り返し、植林の中の急登を登り切ると明るい尾根に出る。展望が拡がり、上を見ると、
高圧鉄塔が平行に走っている。
鉄塔の下で一休み。東には、きれいな三角形の山が飛び込んできた。赤坂山だ。双眼鏡で覗くと、
頂上の標柱が確認できる。左の鞍部の茶色は明王の禿だろうか。昨年西の方に見えたなだらかな
山塊をこれから歩こうとしている。ここから見る大御影山はまだまだ遠い。こちらの尾根と平行なので
歩いても近づいた感じがしない。 |
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途中の鉄塔から赤坂山、大御影山(右のなだらかな山) |
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巡視路は日当たり良好 |
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三十三間山への尾根 |
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しばらくは切り開かれて展望のよい道を快調に歩く。小さなハルリンドウがやまごさんを喜ばす。
一度下って登り返すと鉄塔巡視路と三十三間山への分岐。三十三間山の方へとり、しばらく歩くと
ブナの木が現れる。なかなか立派な木がある。三十三間山(近江坂 能登野方面)と大御影山の
分岐を過ぎると、すぐ三角点のある750.9mピーク。ピークと言ってもなだらかなので三角点がな
いと通り過ぎてしまうだろう。単独男性が三角点に腰掛けて休んでいる。先週も先々週も大御影山
にやって来ているとのこと。今日はビラデスト今津を7時に出てこられたという。これから近江坂から
能登野へ下り、バスで今津へ帰られるとのこと。登山道の花の様子を尋ねるとたくさん咲いている
らしい。かたくりは登山道にたくさんあり、足の踏み場もないと言われる。
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鉄塔から北東の展望(中央は三国山) |
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やまごさんは花情報に大喜び。男性と別れ、少し先の鉄塔の切り開きから展望を楽しむ。たくさんの
ブナが鉄塔建設のために伐られている。こんな広いところが必要なのかどうか・・・。東には赤坂山、三
国山、西には近江坂から三十三間山へ続く尾根が見える。あっちの尾根もよさそうやねえ。
ブナの森は新緑に彩られ、扇ノ山の小ズッコの森を彷彿とさせる。尾根は緩く上り下りをしている。お
腹の虫が鳴き始めたので、Ca800mのピークでお昼にする。広いピークでブナに囲まれながらのんび
りとお昼ごはんが食べられるなんて、なんて素敵なことだろう。
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新緑のブナ |
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力強くのびる |
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お腹もいっぱいになった。まだまだ先は長い。まだコースの3分の1のところだ。少し歩くと、三重嶽への
分岐だ。標識が立っている。途中までは道もあるようだが、その先は整備されていないとテープにある。三
重嶽はこの山域でいちばんの高さ、未整備と聞くと、ぜひ行ってみたいと藪好きの虫がむずむずしてくる。
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三重嶽への分岐 |
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妖精に会えました |
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三重嶽分岐から尾根は東に延び、南東に向きを変える。かたくりの葉がところどころにあるが、花は終わ
りかけのものばかり。途中で10人ほどのグループに出会う。大御影山の向こうにお目当てのイワウチワや
かたくりが咲いているという。それにしてもすれ違う人が意外と多い。ビラデスト今津からの登山者ばかりだ。
尾根が北東に向かうところからがいよいよ大御影山への登り。バイケイソウの葉が元気に葉を伸ばしてい
る。やまごさんは、大御影山の登りが急だと聞き、しんどいのではないかと案じている。
昔、登山道は近江坂という古道であったという。よく掘れた道は、往来の多かったことを示している。深いと
ころでは背丈以上のところもある。また、古い道から新しい道に代わっているところもある。
雪の多い若狭の山の木は根元が曲がり、同じ向きを傾いている。それでも強く生き、春にはちゃんと芽
吹いている。
かたくりの花が1輪ずつ忘れた頃に咲いている。保護され群生して咲いているのもいいけど、自然に咲い
ているのもいい。登山道の脇で静かに咲いている花は、疲れを忘れさせてくれる。
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バイケイソウ |
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よく歩かれた道 |
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期待した?急登もなく、反射板のすぐ横に出る。大御影山頂上は反射板から20mほどのところ。やまご
さんによると、山頂の木が少し切り払われ、以前より展望がよくなっててるらしい。北に見える笹原に人影。
いったい何をしているのだろう?
無線でCQを出すと、蘇武岳頂上のMXFさんと繋がる。すこし休んで、今津側から登ってきた3人連れと
交代するように山頂を後にする。
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大御影山山頂 |
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オオバキスミレ |
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山頂からの南東に延びる尾根はなだらか。よく歩かれているので落ち葉がかたちをとどめていない。イ
ワウチワの葉が群生し、北向きの斜面には一面に花が咲いている。日陰には雪も残っている。あっちに
もこっちにもイワウチワの葉。残念ながら南側斜面の花は終わっている。そして、忘れた頃に、一輪のか
たくり。いい道やねえ。
道はよく掘れていて、背丈以上の高さの所もある。溝状態になっていてドロドロだ。靴を汚さないように
なるべく高いところを歩こうと思うが、ついに力尽き泥靴と化してしまった。
黄色いスミレがたくさん咲いている。オオバキスミレか?
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すばらしい道 |
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林道に下りる(朱線を歩く) |
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平坦な尾根は下ったという感じはしないが、850mまで下っている。尾根から離れ、少し歩くと林道に
出る。林道を福井県側に歩いて戻る。オフロードバイクが独特のエンジン音を響かせて通り過ぎていく。
ナンバープレートを見ると京都、息子もこんな道を走っているのかな?乗用車が一台滋賀県側に下って
いく。やまごさんによると、道が崩れ通行不可だったらしいが、大きな車でなければ何とか走行できそ
うだ。 |
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大谷山登山口 |
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大谷山への登山口まで来たら車を置いた東屋のある駐車場はすぐ。傾いた陽に大御影山は逆光の
中に少し霞んでいる。
やまごさんの車を回収に能登又谷に戻り、やまごさんより一足先に帰路につく。
登山者の多さに驚いたが、花とブナのすばらしい山を歩けたことに感謝しつつ若狭を後にする。
若狭の山はほんとうにいいですね。やまごさんまた一緒に行きましょう。
地図はこちらをどうぞ |
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