マンサク咲くなごり雪の裏六甲 地獄谷〜炭ヶ谷
兵庫 神戸市


 兵庫北部は大雪の模様。南の山がいいね。裏六甲を庭とされているnakaiさんが地獄谷のマンサ
クオフをされるという。父たぬきは村の用事なので、ひとりで参加させていただく。

 舞若道〜中国道、そして六甲北有料道路を乗り継ぎ、下山予定地の谷上に車を置く。家から1時
間ほどで到着し、予定よりずいぶん早い。電車で二駅三田よりの大池で待つ。他のメンバーは次の
電車で到着。
 貴公子さんは、一電車遅れてこられるらしい。あれ?メンバーがひとり足らないよ?やむを得ず、
不参加となったよう。
 兵庫播磨北西部には大雪注意報が出ているらしいが、こちらは快晴。風はさすように冷たいが、
陽ざしは暖かい。 
 
左の地獄谷を歩きます 地獄谷登山口

 駅よりの少し南の住宅街で待っているnakaiさんと合流。豪快な笑いで迎えてくれる。今日は彼
女の庭におじゃまするので、父たぬきからは「おとなしくみなさんの後からついていくように。」と言
われてきたが、このメンバーではどうもそうはいきそうにない。
 住宅街の中を歩き、いちばん南端のふきのとういっぱいのお家の前を通り、阪神高速の高架下
をくぐり、小さな沢を渡ると、地獄谷の登山口。しばらく歩いたところで、地獄谷西尾根を歩くという
貴公子さん、もぐさんと別れる。尾根は風が強そうだが、展望はいいだろうな。

 谷に沿って歩き、何度か沢を渡り返す。水さんは何回渡るのか、几帳面に数えている。谷を吹き
上げる風がさらに冷たたさを増す。
 大きな堰堤を越える。六甲山系は堰堤のデパートだそうな。花崗岩は崩れやすく、堰堤は六甲
の麓に住む人々の安全を守るために必要なものだという。

 濡れた岩は凍てついている。滑らないように慎重に歩く。水しぶきが凍っているところもある。寒
中には水面も凍り付いていたそうだ。大小の滝はもう春の音だが、まだ水は冷たそう。岩をへつっ
たりしながら楽しい谷歩きが続く。
 
まんさくさん 地獄谷を遡る

 「マンサクが咲いてるよ。」の声に見上げると、頭上遥か高いところに小さな黄色い花が裸の枝
についている。陽がさすとさらに黄色が映える。nakaiさんの話しでは、子どもの頃は、目の高さ
にトンネルのようにマンサクの花が咲いていて、それは見事だったという。数十年前の話しだそう
だが、今は木が高く成長してしまい、また古木となって枯れていくものも少なくないようだ。幼木
でもあれば、と見渡すがそれもないらしい。周りの木々が大きくなり、陽がささないのも一因らし
い。地獄谷のマンサクはそのうち絶えていくのか?
 カメラに納めようとすると、日が陰り、その途端、黄色は色あせる。日が照り始めると周りの木に
じゃまされてうまく写せない。ほんとうは、自分の腕前が未熟だからうまく写せないのだが。(^^;)
雪を被ったスギゴケ 上に行くほど白くなる

 nakaiさんが我が家の庭と言う、谷が少し広くなったところで小休止。このあたりになると、昨夜の
雪が粉砂糖のように白い。
 じっとしていると体が冷えてくるので、早々に出発。昔から往来のあった道なのか、整然とした石
垣や石段が残っている。
 ところどころにまんさくを見つけては歓声をあげる面々。まんさくさんモテモテの一日である。
ノースロードでもぐさん、貴公子さんと合流 六甲山牧場が見えます

 谷から離れて急な階段を登りきると分岐があり、そこは直進してちょっと急な笹の道を登る。笹
の道から広いノースロードに飛び出る。これが六甲山の道かぁ。いつも藪山を歩いているたぬき
にとっては高速道路だ。しばらく歩くと、もぐさん、貴公子さんと合流。

 細い車道から山道に入る。どのあたりをどう歩いているのか地形図で確認してみる。登山道が
すべて載っているわけではないのでわかりづらい。
「三国岩のそばの三角点がすぐその上にありますよ。」と貴公子さん。なるほどここを歩いている
んやな。と現在地を確認。
 登山道の脇にはクロモジが小さな蕾をつけている。暖かい春を待っているんやね。
 
 無線でJJ3BHNさんをコールすると、杣谷峠におられるとのこと。うまく交信できてよかった。
車道に下り、すぐに登山道に入る。ここは全山縦走路でもある。風が冷たい。西の方に雪雲が見
える。もうすぐこちらにも雪を運んでくるかも。
JJ3BHNさんと合流
 
 寒いのでBHNさんもこちらへ向かっておられるという。少年自然の家近くで合流する。葛城山で
出会ったときと同じように笑顔で手を振って登場。ここから一緒に穂高湖へ向かう。観光シーズン
には賑わうのであろうが、今日は小雪も舞う寒い天気、訪れる人は少ない。シェール槍が水面に
影を落とす。

穂高湖とシェール槍
 
広いシェール道 ぜんざいはまだかなぁ

 広いシェール道を歩いていると南向きのひだまりで4,5人のグループがお昼の真っ最中。あか
げらさんが声をあげる。お知り合いがその中におられたらしい。あちらも驚いておられたが、六甲な
ら出会っても不思議ではないかもしれないな。

 穂高湖の堰堤の下でお昼ご飯にする。堰堤から落ちる水が凍って白い帯となっている。陽があ
たると氷が音を立てて落ちていく。

 各自お昼ご飯を食べている間に、nakaiさんが家からぜんざいを持ってきてくれ、早速お鍋で温
める。そばでお餅も焼いて、おいしいぜんざいのできあがり。おいしいねえ。お餅は焼けるそばか
らなくなっていく。

 mumさん手作りの風よけのフェンスや座蒲団に驚き、幸さんからは牛乳パックの利用法を教え
てもらう。たらちゃんやあかげらさん、そしてたぬきは感心しきり。
やままゆ 満開のマンサク

 水さん、貴公子さんがシェール槍からの帰りを待って出発する。少し歩くと、ヤママユがあるよ、
とnakaiさんが教えてくれる。かわいい繭がぶら下がって風に揺れている。自然はいろいろなもの
を見せてくれるね。

 そして、いよいよnakaiさん一押しのまんさくさん。大きな木が黄色くなっている。目の高さに花
があるので、早速撮影タイム。花に雪がついているのも一興。近くで見ると不思議な花やね。
 まんさくを見上げるメンバーの目が輝き、瞳いっぱいに花が広がっている。雪が強くなり、みる
みる白くなっていく。
 
雪をかぶって
 まんさくさんに別れを告げ、再び歩き始める。新穂高の麓にもまんさくの黄色が・・。いつのまにか
雪はやみ暖かい陽ざしの中をまむし谷へ向かう。
 
ねこやなぎ まむし谷を歩く

 まむし谷の入り口の湿地にネコヤナギが群生している。予期していなかったので思わず駆け寄っ
てデジカメを向ける。大きくふっくらして春を感じさせる。

 ここで、三宮方面へ下りられるBHNさんとお別れし、我々は北のまむし谷を歩く。馬酔木が満開。
炭ヶ谷を下る コショウの木

 獺池から車道を少し歩き、炭ヶ谷へ向かう。再び雪が降り始めたので展望は望めそうにない。
石楠花山はまたこんどのお楽しみとし、炭ヶ谷を下る。両側が崩れ、V字になっている。夏は暑い
そうだが秋はとてもいい雰囲気の谷だそうだ。
 やがて植林にかわり、小休止。
 コショウの木にかわいい花が咲いている。帰って写真を見ると、葉っぱにしか焦点が当たらず、
花はピントがずれている。
 
阪神高速の下をくぐる 住宅地に下りてきました

 堰堤をすぎしばらく歩き、高速道路の高架をくぐると登山口の標識のある舗装路に出る。舗
装路を横切り、しばらく歩くと住宅地に出てきた。
 車道を西に歩き、谷上駅へ向かう。マンホールの絵がおもしろいのでここでも盛り上がる。
 
 谷上駅に着き、みなさんと別れる。
 
 まんさくとネコヤナギ、なごり雪・・、六甲の本格的な春はもうすぐ。

 nakaiさん、素敵な春をありがとう。みなさん、楽しかったですね。ありがとう。
 


行った日 05 3/13(日)
行った人 あかげらさん、貴公子さん、幸さん、JJ3BHNさん、たらちゃん、nakaiさん
mumさん、水さん、もぐさん、たぬき
山行タイム 大池8:45〜地獄谷登山口9:10〜ノースロード11:10〜穂高湖12:10
〜穂高湖堰堤下12:20ー13:20〜まむし谷13:50〜炭ヶ谷登山口15:25
2.5万図 有馬  山行地図

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