あせびっしょり?高星山あせびオフ
兵庫 大河内町生野町


雪が積もったようなあせびの大木


 関東から帰省するだめちゃんから向山ヒカゲツツジオフのリクエストがあったが、今年は時すでに遅し。他に花の
山はないかな、と島田さんに尋ねると、「高星山のあせびは?」と教えていただき、コーディネートをお願いした。
 参加予定は、だめちゃん、是兼さん親子、島田さんと我々の6人だったが、前日にかねちゃん、貴公子さん、佐竹
さんも参加表明。

 車を千町峠にまわすため、6時前に家を出る。フロントガラスに何やら雨粒の様なものが・・。これはやばいなあ。
山々もガスの中だ。7:30まで神崎南ランプに来るようにと島田さんからの指示。だが、近づくに連れ、空模様があ
やしい。
 少し早めに到着するが、すでに島田車は到着している。ほどなくやってきただめちゃんの車とともに3台で千町峠
に向かう。雨もポチポチ。川上集落を抜け、砥峰高原から千町林道に。峠に近づくにつれ、ガスが濃くなってくる。少
し先を走る島田車が見えないほどだ。

 無線で話ながら走る。
 「あかんなあ。どうしょう?どこかの喫茶店にでもいこか。」(島田)
 「大丈夫でしょう、たぶん。うーん、でも降ってきましたねえ。」(だめ)
 「無理やと思うなあ。」(父たぬき)
 「大丈夫、大丈夫。この雨はたいしたことないから、行けるって。」(母たぬき)
 ちょっと弱気な男性陣に対し、強気の母たぬき。

 千町峠からだめちゃんの車で生野学園へ行くと、赤・緑・シルバー、3台の車がすでに停まっている。北摂組は早
々と到着し、貴公子さんの車の中で待機中。
 雨もたいしたことなさそうなので、初めてお目にかかる是兼さん親子が到着を待って登山を開始する。天候の加減
を見て引き返すというが、私は雨でも最後まで歩いてみたい気分だ。せっかくのだめちゃん帰省オフ、なんとか千町
峠まで歩きとおしたいものだ。
さあ、出発!下にいいもの落ちてるの? かわいいヒメレンゲ
 生野学園から使われなくなったがれた林道を少し歩き、急な登りの尾根にとりつく。沢のそばには、黄色いヒメレ
ンゲが咲いている。貴公子さんと「なんていう花やろ?かわいい花やね。」としばし見とれてしまう。

 谷を渡り、一つ北の尾根を歩いてもとの尾根に戻る。尾根をそのまま登ると「すごいブッシュなんです。」と島田さ
ん。赤松林のふかふかの道。「ここだけいい道。」らしい。
 眼下には生野学園のグランド。しかし、下界の景色が見えたのはここまで。後はずーと視界のきかないガスの中
となる。辺りにはあせびの木も目立ちはじめた。

 ♪道のようで道でない ベンベン♪急な尾根を登っていく。普段は猪や鹿のけものたちで賑わっているのだろう。
ゴロゴロした岩も出現し、岩Tも近いのだろうか。
「岩Tはまだぁ?」「まだまだぁ。」
ひときわ大きな岩にたどり着く。ここが岩T。天気がよければ展望もいいらしいが、今日はガスガスガス・・・。
 ここまで道がややこしく、前回オフでかもちゃんが岩Tから迷ったのも頷ける。

 岩Uで小休止。朝早く出てきたので小腹が空いてきた。

 島田歩くGPSの後に従い、滑りやすくあいかわらず急な尾根を登っていく。ときどき、貴公子さんのGPSで進路確
認。「この方向で、あってまっせぇ。」
 岩を乗り越え、岩の間を歩き、本日最大の難関、天狗岩。巻き道はないかと探していると、大きなシャクナゲが1本
花が2輪だけ咲いている。
 落石の危険もあるので一人ずつ登っていく。怖くはないが足が届くかどうか不安だ。3点確保でなんとかクリア。
岩の上からちょっと覗いてみるがガスって見えない。スヌーピー岩と命名された岩もどこがどうスヌーピーなのか判然
としない。ここからの下りが急な下り。「ロープをつけてくれー。」と叫びながら朽ちた木をつかまないよう慎重に下りる。
 
 
ヤブレガサ 天狗岩から慎重に下りる(後ろ姿は貴公子さん)
 しばらく歩くと傾斜もゆるみ、ほどなく923m地点とおぼしきところに到着。主稜線までもうすぐのようだ。 

 923m標高点のちょっと先の小広いところで昼食タイム。石鎚山移動のMXFさんをコールするが繋がらない。千が
峰縦走大会参加のQLV松田さんもどうされただろう。

 この頃からあせびも多くなってくるが、花はほとんど終わってしまっている。突然目の前が明るくなる。ミツバツツジ
の大きな木だ。霧の中に満開の花が美しい。
 これまでの急登とはうってかわり、緩やかで広い尾根を快適に歩く。ガスで煙って幻想的な雰囲気だ。大きな木の
根元でぶくぶくと泡立っている。水分が幹を伝って根元に集まっているのだ。まるで木が生きているようだ。

大きなミツバツツジ 広い尾根にキョロキョロ
 高星山(1016m)頂上には二等三角点。背の低いたくさんのあせび。晴れていれば展望がいいそうだが、ガスで
は何も見えない。ここで、石鎚山のOAPさんからコール。あちらもガスのようだ。

 ガスでどこも同じようなところを歩いているように思えたが、正確な島田歩くGPSのおかげで迷わず歩くことができた。
幻想的な森 高星山三角点を囲んで

 満開のムシカリの木、ミツバツツジの大きな木、あせびの大木、かわいいスミレ。冬は雪も深いこの山でじっと春の
来るのを待ち、人知れず咲いて散っていく花々。精一杯今を生きている。
みずみずしいクロモジ 平石山

 高星山から1時間あまりで平石山(1061.2m)山頂。最後部から少し離れたところなので、迷いやすいとのこと。
我々だけならきっとここへ行く着くまでに迷っていただろう。
1033.8m 四等三角点 千町峠の車のすぐそばへ下山

 最後の1033.8mピークまで、少しアップダウンのある尾根を歩いていく。元気な由李子ちゃんに比べ、大人は足が
重い。到着時刻を気にしてか、ペースも徐々に速くなっていくようだ。
 
 あせびの低木の中をかき分け、鹿除けネットが見えると千町峠も間近。歩き始めて6時間、ようやく千町峠に降り立つ。
ちょうど車を置いたところに出てきた。朝と同じように霧が深い。
 全行程、霧の中で、夢の中を彷徨っているかのようだった。
行った日 02 4.29
行った人 かねちゃん、貴公子さん、是兼さん、由李子ちゃん、佐竹さん、島田さん
たぬき二人
コースタイム 生野学園9:35〜岩V11:35〜923ピークの先(昼食)11:55ー12:35
〜高星山山頂1300〜平石山14:20〜1042m15:20〜千町峠15:35
2,5万図 神子畑 生野 長谷