昨日の荒天がうそのように穏やかな朝である。父たぬきは、農会の総会があるという。農村部では、農会といって農業をしている家の集まりがあるのだ。こんな良い天気に家にいるのはもったいない。かといって、遠いところには行けそうもない。
ということで、一人で家から近い高見城山に行くことにする。家から見ると、山頂は白く、昨日の雪がたくさん積もっていそうだ。
9時前、家の用事を片づけ、登山口の丹波悠遊の森を目指す。無線で父たぬきと話していると、MXF石田さんからブレイク。OAP八木さんが、先週我々が行った鎌倉山へ行かれるのでこれからあとを追われるとのこと。
悠遊の森の駐車場は雪で真っ白。キャンプ場までの道も少し凍結している。ファイヤーサイトには、何の足跡もない。ゆっくりと遊歩道と書かれた登山道を登っていく。エナガが数羽、私を案内するように枝から枝へと飛び交っている。
展望台との分岐へくると、犬の足跡とゴム長の跡。展望台からだろうか。足跡は往復しているので、すでに下山されたようだ。誰もあるいていない雪道を歩けると思っていたのでちょっと残念。少し解けかけた雪が5pほど残っている。尾根道だが、急登だ。登るに従い、眼下に氷上盆地が広がっていく。遠くの山々も見えてくる。北の大きな山は、三岳山だろうか。雪で白くなると近くに見えるから不思議である。
Ca320mのピーク手前で、これまで続いていた足跡はUターンしている。雪が多くなってきたので、諦められたのだろうか。それとも、おとものわんちゃんが登りたくないと言ったのだろうか。とにかく、ここからは全く足跡のない道である。積雪も10pぐらいになってきた。受験生を抱える母親としては、滑るわけにいかない。いや、いっそこの私が代わりに滑っておこうか、などとつまらないことを考える。 |
木々が重い雪をのせ、しんどそうに体を曲げている。ストックで雪をはらうと、さっそうと背筋を伸ばす。亀井戸跡までくると、山頂はすぐである。
山頂直下の祠にお参りし、雪でわからなくなった石段を登る。とびでた山頂は、360度の展望。ここへくると、兵庫50山には石戸山よりこの高見城山の方がいいのに、といつも思う。
北からぐるーっと見渡すと、粟鹿峰、水山、カヤマチ山、三岳山、大江山、五台山〜五大山の山並み、弥山山、向山連山、三尾山、三嶽、黒頭峰、夏栗、弥十郎、深山、大野山、三国山、愛宕山、白髪岳、石戸山、石金山、鎌倉山、蛇山、笠形、飯盛山、千が峰、篠が峰、竜が岳、ちょこっと三国岳等々。 |
無線機をつけ、430をくるくるしていると、OAP八木さんの声。MXF石田さんは、まだ加西市モービルのよう。ブレイクを入れて、しばし話す。低山徘徊派ML各局をコールすると、JI3MWT田中さんからコールしていただく。ポータブル3と言われているが、雑音が入り、聞き取りにくい。しばらく話していると、福知山モービルとのこと。わざわざ車を止めてお相手してくださった。
お昼ごはんをたべ、無線をワッチしていると、中年の男性が現れる。「この足跡があったから、よかったです。」と喜んでおられた。(のちに、この方はかねちゃんのお知り合いのSさんと判明する。)
展望を充分楽しみ、昼食中の男性にあいさつをして下山に取りかかる。来た道を下りようかとも思ったが、反対側の石戸山の方へむかい途中から丹波の森公苑への道をたどることにする。
真新しい高圧鉄塔のピークから高見城山を振り返ると、先ほどの男性の影が見える。どうも、私の後を追って下りられるようだ。ところどころ岩場になっているので、滑らないよう慎重に歩を進める。487mピークの手前で、石戸山と丹波の森公苑への道標。ここを左にとり、東へよく整備された道を走るように歩いていく。
少し下って登ったところにまた高圧鉄塔。このピークからの下りが少し急だが、後はなだらかな尾根道だ。380mピーク前で、道が3つに分かれている。真ん中は、ピークへ登る木の階段だ。右は、石戸へ下りる道。真ん中の階段が本来の道だろうが、左にとり、倒木などがある道を下っていく。 |
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478pの東の鉄塔からの高見城山 |
鉄塔から山南町方面 |
しっかり踏まれた道を谷まで下りてくると、少し広くなっている。これが山頂に書いてあったお寺の跡だろうか。ここから少し道を見失うが、流れに沿って歩いていくと池のそばの石戸からの道に出た。駐車場はすぐそこ。雪は、ほとんど解けていた。
ひとりぼっちの山行きもたまにはいいものである。 |
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