京都府綾部市・美山町・福井県名田庄村
ぶなの森静かに    頭巾山  

尾根の北側斜面のブナ林

 今日は海の日。でも、我々は山の日。先日の弥仙山に続き、早朝に登ることにする。
 家を5時半に出発。舞鶴道綾部インターから上林に入る。ここは小浜へ抜けるときによく通ったところ。府道1号線から171号線に入り小和木集落に向かう。途中で頭巾山への道をたずねると、地元の方は「ときんさん」と言われているようだ。行谷橋から新登山道口まで、林道を4,5km走る。途中、裏八反の滝など、水が豊富に流れている。
      裏八反の滝
  支度をして登り始める。急な植林の中の道。ユズリハの木が多い。そのうち、道の両側は笹に覆われ歩きにくくなる。およそ分で尾根にあがり、旧登山道(参道)と合流する。そこからは、若丹国境の尾根を歩いていく。左側はブナの森があり、思わぬブナの出現に思わず感嘆の声をあげる。しかし、登山道は下草に覆われ歩きにくいことこの上ない。また、朝露で濡れているので、父たぬきの露払いのようなものである。
  名田庄村側からの道が合流するとほどなく頂上(871m)。祠と避難小屋がある。祠はコールタールが塗られて間がないのか、特有の臭いがしていた。祠の前の岩に座ってビールを飲む。霞がかかって遠望はできない。八が峰に続く稜線が東に長く延びている。
 突然頭上でブーンという音。北の方から何やら飛んでくる。蜂の大群だ。我々には気づかず、南へ飛んでいった。しばらく、戻ってこないかと心配でようすを見ていたが、その気配もない。「怖かったなあ。」と二人で顔を見合わす。
          頂上の祠       頂上から日本海方面
 蜂の大群に恐れをなしたわけではないが、そろそろ陽ざしもあつくなりかけたので、下山することにする。下山は、頂上から5分ほど戻ったところから、林の中へ続く道をたどる。林道終点への道だ。ここも急だが、新登山道よりも自然林が多く、気持ちのよい道である。15分で林道に降り立つ。ここは、行谷の一番奥に位置していて、美山と接する尾根のすぐ下である。
 そこから車まで15分ほどの歩き。林道の脇にはどっしりとした栃が林道を覆うようにたっている。樹齢何年くらいだろうか。風雪に耐え、じっと自然の歴史の中に自分の運命をゆだねているようだ。  
     大きな栃の下部     林道から美山町界尾根を見上げる
 帰りに綾部温泉仁王の湯に入る。まだ10時を少し過ぎたばかりなので入浴客も少なく、ゆっくり浸かることができた。
行った日  7月20日
行った人  たぬき二人