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仏岩からの江笠山 |
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大江山から西を望むと加悦谷を隔ててきれいな形の山が目に入る。赤石ヶ岳の西に位置する
江笠山。webで検索しても登られた記録が少ない。また、もっさんのレポートによると登山道が
なく、藪こぎ必至、という。それなら、と藪山でもなんでも登る3人が行くことになった。
やまあそさんと丹波市で合流し、やまごさんと大江町で落ち合い、車2台で加悦町の鹿ノ熊と
いうところへ向かう。
国道176号線を北に走り、与謝トンネルと抜け、口滝から奧滝へ向かう。丸い大江山が前方
に大きく迫る。
奧滝からそのまま西へ進むと滝峠を越えて但東町赤花へ出るが、左折して鹿ノ熊へ向かう。
林道沿いは昨年の台風の復旧工事が行われている。空き地にやまご車を置き、たぬき車で福
知山市雲原の仏谷へ向かう。
仏谷は、麻呂子親王が薬師如来像を彫ったという伝説があるそうだ。それで仏谷なのだろう
か。 |
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左の看板のところが仏岩参道入り口 |
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仏岩までは黄葉の道 |
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下水道の工事中でショベルカーを退けてもらい道をあけてもらって仏谷の奧へ進む。しばらく走
ったところに金網を張った水道の施設があり、そのそばに車を置く。
仏岩参道と書かれた標識があり、そこが参道入り口。いきなりの急登をあえぎながら登ってい
く。赤や黄に木々が色づき、いい感じの道。よく歩かれているが、元気な人でないと登れないほ
どの急な道だ。
滑りそうな急な斜面を登ると、大きな木が倒れ、その上に大きな岩が見える。
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巨岩の間に祠 |
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岩の上から見下ろすと・・ |
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登ってみると、二つの大きな岩の間に祠が建っている。小さなお社があるが中には何もない。
やまあそさんは木の仏像でもあったのだろうが朽ちてしまったんだろう、と言う。
仏岩は、麻呂子親王が戦勝を祈願し、ここ雲原の仏谷で七体の薬師如来像を刻んだ。そして
その仏像を大岩に祀り7日間祈ったという。その大岩がこの仏岩だそうだ。天ヶ峰山頂の祠や
姫髪山の麓の長安寺など麻呂子親王に縁のあるところを歩いたばかりである。この辺り一帯は
麻呂子親王の伝説があちこちに残っているようだ。
ほこらの右の大岩は岩の上に岩を乗せていて、それも今にも落ちそうな乗り方。地震でもくれ
ばたちまち落ちてしまいそうである。
祠の裏からは大きなブナの木を通して江笠山がこちらを向いている。手前の尾根は錦に染ま
り、ちょうど見頃。
祠の裏から急な斜面を滑らないように登って、反対側の岩の上に上がる。岩の高さは10mほ
どか。
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仏岩から赤石ヶ岳と左肩に千丈ヶ嶽 |
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「ここが展望ええんやで。」
今年の夏、仏岩まで来たことのあるやまごさんが教えてくれる。ほんま!赤石ヶ岳が大きく見え
る。その左肩には大江山連山の最高峰、千丈ヶ嶽。ちょっと霞んでいるが、いい形だ。
しばらく展望を楽しんでからいよいよ江笠山をめざす。
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黄葉のブナの下を行く |
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仏岩から府県境尾根まで支尾根を行く。道があるのかないのか、歩けるのかどうか、全く未知
の世界。少々の藪はなんということはない。倒木も昨年の高星山以上のところはないだろう。薄
い踏み跡をたどっていく。ブナが多くなり、黄葉して何ともいい感じ。足下は低い笹で覆われ、引
っかからないように注意して歩く。
「ダニに注意やで。」
やまあそさんが呼びかける。ズボンを見るとゴミだと思っていたのは小さなダニだった。慌てて手
で払いのける。
地形図で仏岩を確認し、現在地を確認しながら歩く。今日はやまごさんがGPSという文明の利
器を持っているので心強い。なんといってもやまあそさんの地図読みは正確だし・・。私は大船に
乗った気分。(^^)
概ね、右側は植林、左は自然林が続く。藪で歩きにくい尾根は少し植林の方へ逃げる。
少し開けたところから「三岳山が見えるよ。」「伏見山、居母山も見える。」 少しでも展望がい
いとうれしいものだ。足下には、イワカガミの葉。なるべく踏まないように気をつけて歩く。
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癒しの谷 |
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落ち葉の絨毯 |
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府県境稜線の手前の鞍部に来るとそこだけぱっと明るくなる。落ち葉の谷。これまでの藪とは
雰囲気が一転。桃源郷のようなところに一同、感動の声。下りてみると落ち葉の絨毯。それに、
はらはらと葉が舞い落ちてくる。紅いのはウリハダカエデかな。あとからあとから落ちてくる。ここ
でもうしばらく遊んでいたいが、今日は先が長い。支尾根に戻ってまた歩き出す。
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府県境尾根を江笠山へ |
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ここにも黄葉 |
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ひと登りで、府県境尾根に出る。西は兵庫県豊岡市但東町(旧出石郡但東町)。しばらくは植
林で、予想したよりも歩きやすい。山頂までこういう道ならいいのだが・・・。
何の木か、黄色く色づいた葉が青空を隠す。「いいねえ。」「きれいねえ。」
思わず声が出る。
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山頂直下は笹藪をかき分けて |
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植林の山頂 |
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思ったほど藪が濃くなく、稜線は歩きやすい。順調に小さなピークをいくつか越えていく。しかし、
山頂直下でついに背丈ほどのクマザサにつかまってしまった。やまごさんが先頭で笹藪こぎ。そ
のあとを登っていくが何とも歩きにくい。
笹が少なくなってきたら、山頂である。やれやれ。12時半頃に山頂着という予想だったが、予
想よりもずいぶん早く到着。
。
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笹の中に三角点 |
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山頂から三岳山を望む |
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早速、三角点を捜す。山頂の兵庫県側は笹に覆われ、そちらの方にありそうだ。笹の中を捜す
と三等三角点がわずかな空間の中でちょこんと座っている。
展望はあまりないが、南に三岳山が望める。
ちょうどお昼なのでここで昼食にする。少し薄暗いが植林のなかで食べることに・・・。
「今日はひっくりかえさへんで。」とやまあそさん。と言った直後に鍋焼きうどんがコンロからずり落
ちている。まだつゆを入れる前だったのでセーフ。(^^)
無線で扇ノ山のOAPさんたちをコールするとすぐに応答が返ってくる。あちらはJMMさん、MXF
さんの3人。続いて氷ノ山のTQFさんからブレイク。3つの山で交信していると、どこかからまたブ
レイクが入ったようだ。私の無線機には入感していないが、八ヶ峰のかねちゃんだった。久々に賑
やかな交信となった。
無線で話していると、少し離れていたところで食べていたやまごさんがお鍋をひっくり返す。
「順番にひっくり返すことになってるのかなぁ。」
なんとか半分は食べられたようだが・・・。(^^)
無線で話しているといつの間にか時間が経っている。そろそろ出発しよう。 |
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下山の途中で大きなブナに出会う |
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イワカガミがたくさん |
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下山は山頂から府県境尾根を北へ歩く。植林の中はとても歩きやすく、こんな道が続くなら楽な
んだが、そうは問屋が卸さないだろう。
次のP664からが難しそうである。ピークへ行かず、西に巻いたために、方向を間違い、引き返
す。その先は二重の尾根になっているので、ここも要注意。地形図とコンパスで方向を見定め、や
まごさんのGPSで確かめながら下りる。
下りの尾根は難しい。東に下りても車を停めた林道の奧に出るので問題はないが、府県境より
西の尾根を下りると但東町側に下りるので要注意。
p664を過ぎ振り返ると、ずいぶん上に江笠山が見える。もうこんなに下りてきたのか。山頂から
東へ延びる尾根もよさそうだ。
尾根から少しはずれたところに大きなブナが立っている。「おおきなあ。」
北側にあるので、すでに葉を落とし冬の備えをしている。
府県境尾根は、京都府側が植林、兵庫県側が自然林なので、植生界を歩けばいいようだ。それ
でも方向と位置を確認しながら歩いていく。 |
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尾根から大江山連山を望む |
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それほど藪も濃くなく、この程度ならどうってことはないなあ、などと言いながら歩いていると
桧の幼木の向こうに大江山連山がきれいに並んでいる。いちばん南は最高峰の千丈ヶ嶽、続
いて鳩ヶ峰、鍋塚、そして鬼の岩屋、航空管制塔のあるピーク。手前の尾根は江笠山からの
尾根。木が大きくなると、この景色も見えなくなってしまう。
こちらの尾根にもイワカガミがたくさん。
植林をするときに雑木を刈っているので、その小さな株に足が取られ、なんどもこけそうにな
る。下草で見えないので注意して歩く。
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もうすぐ峠 |
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峠に下りたつ |
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まちがいそうなところを2カ所ほど無事にクリアし、ようやく小さな峠近くまでやってくる。
「石仏はあるかなぁ。」
石仏研究家のやまあそさんは期待しているようである。先日の天ヶ峰の俵峠のような石仏
があればいいのにね。
地図の破線のところまでやってくると、深く掘れた峠道となっている。急斜面をやまごさんが
まずおりていく。石仏は?と尋ねると、「ない。」という返事。続いて下りると、上から見るより
深い峠だ。人の手によって掘られたものだろう。
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峠から鹿ノ熊へ下る |
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石段だけが残る |
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但東町側にもきれいな道が下りている。加悦町側の鹿ノ熊へ下りていく。竹が道に生え、竹
藪になろうとしている。棚田のあとには植林がされているが、谷なので湿地のようになっている。
もう少しで林道というところで、竹が倒れ、道をふさいでいる。ここは鹿や猪のけものみちを利用
させてもらう。動物たちも歩きやすいところをよく知っている。
地形図には家の印があるので、昔はここに住居があったのだろう。石組みや倒壊した家(作業
小屋?)、空き缶などのおびただしいゴミ、洗濯機、農機具等々が残されている。林道に出ると
もう1軒、倒壊した廃屋がある。こちらには錆びたトラックもある。
林道はここから奧は荒れ、とても車では走れそうにない。
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すすきが揺れる |
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ちょうど15時。やまごさんの車を置いたところはすぐそこ。仏谷へ戻り、解散。夕陽のあたる
天ヶ峰を見ながら雲原の里をあとにする。
仏岩、ブナの黄葉、下りの尾根といろいろ楽しめた江笠山だった。
やまあそさん、やまごさん、お疲れさまでした。
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