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下山途中の鉄塔から美女山 |
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美女山、何て素敵な名前だろう。
「京都丹波の山」でこの山の名前を見たとき、「ぜひ登ってみたい!」と瞬時に思う。
天気予報が一転二転した日曜日、予定していた山は長いコースなので雨の心配のない日に
行くことにし、午前中で登れそうな美女山に変更する。
美女山は京丹波町(旧丹波町)にあり、その山容が美女の眉毛のようなのでその名が付け
られたと言う。北側から見るとなるほど眉のようである。(^^)
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広場から山へはいる |
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しばらく藪こぎ |
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国道9号線を須知まで走り、京都縦貫道丹波ICの入り口近くから市森へ向かう。とりつきと車
を置くところを捜していると、道ばたで女性が話をしておられる。美女山のことを尋ねると、
「主人ならよく知ってますので、ちょっと呼んできます。」とわざわざ家に入り、ご主人が出てきて
くださった。
ちょうど目の前の細い道が美女山へのいく道で、他にもいろいろなことを教えてくださった。車
もすぐそばの作業場に置かせていただけることに・・・。ご夫婦ともに親切で、奥様の笑顔がとて
も素敵だった。美女とはこういう人のことを言うんだろうな。心が美しいと顔に表れるんだろう、と
言いながら教えられた道を登っていく。
少し登ったところに遊具のある広場があり、遊具の奧の細い踏み跡を行くと、コンクリートの水
道施設がある。
ここから尾根を登りなさい、と言われたので、尾根にとりつくがしばらくして一つ西の尾根を登
っていることに気づく。
「まあ、ここでも登れるのでこのまま登ろう。」ということに・・・。
枯れた松が折れ、荒れた感じの尾根だが、それほどの藪でもなく何とか登れる。尾根の直下
は急登で枝をかき分け、尾根に出る。
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尾根にはこんな標識が・・・ |
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美女山山頂 |
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美女山の西の尾根は広くなだらか。ちょうど眉毛の上の方を歩いていることになる。倒木が
あるが、市森から続いている三色のPPロープがあり、それを目当てに歩けば比較的歩きやす
い。
途中の木に「大円寺」という標識が付けられている。北麓にお寺マークあり、そこへ下りる道
のようである。その方を覗いてみたが道らしきものは発見できない。地形図を見ても急傾斜で
あり、北のコースはかなりきついかもしれない。
緩い尾根を歩くと、中心がぽっかり空いた山頂に着く。中央に二等三角点(482.2 点名
美女山)があり、北西に少しだけ切り開きがある。ぽっこりした山が霞んでいるのでよく見ると
先日登った五条山だった。
と、雨がポツポツと落ち始める。さて、この先どうする?戻るか、それとも東へ歩くか・・・。雨
脚はそれほど強くないので、ザックカバーをして山頂から東の尾根を歩くことにする。町界尾根
まで歩けばたぶん巡視路だろうから、そこまで何とか歩こう、ということになる。
三角点をもう一度よく見てから、と近寄ると「丹波ひかり・・ 全校登山」と書かれた看板があ
る。丹波ひかり小学校のことだろう。元須知小学校である。全校で美女山へ登ったようだが、
今も続けられているのだろうか。
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道はあるが・・・ |
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町界尾根は快適な巡視路 |
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明るい山頂をあとにする頃には五条山は雨に霞んでいた。東の尾根にも三色のPPロープ
が付けられ、登山道を示すのか、それとも境界の印なのかはわからないが、それをたどって
歩くと歩きやすい。しかし、雑木の尾根も枯れた木を放置してあり、荒れた感じがするのが残
念。
はじめは倒木などが多かったが次第に明瞭な道が現れ、歩きやすくなる。雨が少し強くなっ
たので雨具の上だけを付ける。
寺谷への支尾根が伸びている付近は方向を間違わないようにコンパスで確認。父たぬきは
毎度のことながら、南の尾根へ入り込むところだった。(^^;
少し登ると町界尾根に出る。予想通り巡視路になっていてとてもいい道が続いている。これ
なら雨が降っていても気にならない。
「今日は自然林の中ばかりでいいなぁ。」と父たぬき。「ほんまに、天気が良ければ言うことな
しやね。」
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鉄塔81 |
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最後は植林の道 |
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五分ほど歩くと紅白の鉄塔がある。「新綾部線八一」と書かれ、南北に続いている。西方面
が開けているが、見える山々は雨に煙る。
さらに巡視路を歩く。送電線はCa340のピークから西の尾根へと伸びているので、巡視路も
その尾根へと下りている。
Ca340に大岩山の東尾根で見た「分水嶺縦走 徒登行山岳会」の赤布が枝で揺れている。
帰宅してから、地図を見ていて、海老坂から大岩山、それから今歩いている町界尾根は中央
分水嶺であることに気づく。尾根を境に、西の丹波町側は日本海、東の日吉町側は太平洋側
へ流れるのである。
巡視路への尾根は快適そのもの。鉄塔82に出ると、美女山が柔らかな山容を見せている。
巡視路は、鉄塔から谷へ向かい、植林の谷を歩いて林道に出る。この林道は日吉町志和賀
と園部町熊崎にでる道だと、朝、教えてもらったところだ。 |
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石の祠(左右は道標) |
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この柵の左から下りる(峠は直進) |
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林道をちょっと奧へ歩いてみよう、と歩き出すと一段高いところに石の祠が見える。中を
覗くと丸い石が祀ってあり、祠の左右の石には文字が刻んである。右の石には、志わが
左側にはくまざきの文字が確認できた。ここがまさに分岐のところなのである。405ピー
クをはさんで、志和賀は東の谷をつめて池へつづき、熊崎へは破線の道のようだ。
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ウツボグサ |
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祠が見つかったのでもう林道の奧まで歩くことはないだろうと、市森へ戻ることにする。
ウツボグサの紫が雨に濡れていっそう鮮やかさをます。休耕田の向こうにササユリが数本
咲いている。
傘をさし、鹿除けの柵を開けて出る。市森まで美女山の麓をゆっくり歩いて戻る。木の祠
には、いろいろな石仏が祀ってあり、新しい花が手向けてある。村の集会所に立派な石碑
があり、「美女の山里」とある。美女山のことを知らない人が見ると、美女の多い村かな、
と思うかもしれないね。(^^)
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村の中のおじぞうさま |
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石碑(^^) |
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車に戻り、帰り支度をする。朝、いろいろ教えてくださったお家を訪ね、無事に戻ってきたこ
とを告げる。
帰りに仰ぐ美女の眉は、雨の中で静かに横たわっていた。
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