天突と書いて、あまんづくと読む。以前から気になっていた山だが、福知山市口田野から観音
寺山〜点名秋葉山を歩いたとき、木の間から見える尖った天突は低山ながら、風格を感じさせる
ものがあった。
数日前に登山口を確かめ、坂室から登ることにする。地形図を見ると、坂室から正後寺へミニ
周回できそうだ。
正後寺の道路沿いに車を置き、坂室公民館そばの「天突登山口 医王寺跡」と書かれた看板
から細い道に入っていく。
奧の方から、車を押したおばあさんが下りてこられた。天突への道を尋ねると、ここを行けばよ
いとのこと。医王寺は、今、お薬師さんと言われ、仁王門をくぐると薬師堂があるそうだ。今そこへ
行って、しきみをお供えしてきたところだと言われる。天突には、8月16日に近くの村から人々が
頂上に集まり、お参りをするそうだ。頂上にはお地蔵様がお祀りしてあるという。
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坂室の登山口案内 |
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奧には桃源郷のようなところが |
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おばあさんと別れ、簡易舗装の細い道を歩いていくと、広い谷に出る。コスモスが咲き、桃源郷の
ような風景。地形図にある坂室の奧の田んぼだ。昭和42年までは2軒の家があったが、どちらも今
は出てしまわれたらしい。しかし、田は今も耕作され、農機具庫もある。
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仁王門と薬師堂(医王寺跡) |
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吽形像 |
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阿形像 |
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おばあさんが言われたとおり、道を少し上がったところに仁王門が見える。中を覗くと立派な金剛
力士像がこちらをにらんでいる。門をくぐると薬師堂。仁王様にもお薬師様にも新しいしきみが供え
てある。
口伝によると、医王寺はかつて七堂伽藍を有する大寺院でしたが、天正七年(1579年)の兵火に
よりそのほとんどを消失したと言われ、再建された薬師堂と仁王門のみが現存しています。
(案内板より)
今も村人に大事に守られている薬師堂を後に天突への道を歩き始める。
しばらく林道を歩く。林道の終点からは植林の谷をつづらおれに登っていく。植林の中だが丸太で
道を補強してあるので崩れることもなく歩きやすい。
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山頂の祠 |
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役行者像 |
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見上げると明るい。尾根に出る。北の258mピークへの踏み跡もあるが、雑木の尾根を南へ歩き
頂上直下の急登を登ると、ほどなく天突頂上(Ca320m)。直径15mほどの平らな頂上に祠が建
てられ、中には役行者像が安置されている。明治時代のものでまだ新しい。北側が少しだけ切り開
かれ、大江山などが確認できる。木の間から、北東には尖った弥仙山。南東の山はなんだろう?
西は木々に遮られ展望がない。CQを出しても全く応答がないので下りることに・・・。
下山は、正後寺へ北東尾根を下りる。天突は文字通り天をつくような山なので、直下は急斜面で
ある。木に掴まりながら慎重に下りていく。少しなだらかになっても台風で枝が散乱し、歩きにくい。
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正後寺奧の登山口の鳥居 |
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鳥居から下りると・・(左上に鳥居) |
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坂室からは明瞭な道だったが、こちらは踏み跡も消えかかっている。尾根が北に向きを変えると左
に田んぼが見える。こちらの谷も坂室と同じように袋のようになっているようだ。道も明瞭になる。前
を見ると鳥居。鳥居の先は谷への道が横切り、深くえぐれているので、鳥居の左から道に下りる。正
後寺側から登る際には、鳥居は見つけにくいだろうな。鳥居の反対側に廃車となった乗用車がある
のでそれが目印となる。
下りたところから車まではすぐ。車に乗り9号線から天突を眺めてみる。麓の村々を守るように尾根
をのばした姿は低山ながらなかなか美しい姿だと思った。 |
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