静かな山歩きを楽しむ 鳥飼山〜昼が岳〜十倉峠
兵庫 三田市

鳥飼山を仰ぐ

 2月に高岳に登ったとき、大船山の手前に昼ヶ岳の尖った山容が目にとまる。かねちゃんのレポ
ートなどでずいぶん前から知ってはいたが、なかなか足が向かなかった。貴公子さんからお誘いを
いただいたのでこれ幸いとご一緒させていただく。同行は、teihaiMLメンバーのもぐさん、幸さん。
父たぬきは用事のため、今回も一人で集合場所へ向かう。
 
 舞若道三田西ICでおり、有馬富士公園の横を走り、波豆川のカナディアン大磯そばの空き地に
到着する。ほどなく幸さんもぐさんを乗せた貴公子車が到着。身支度を整えて早速高畑峠をめざす。
のどかな波豆川のたたずまい。土手の斜面には少しトウのたち始めたフキノトウ。ウグイスは鳴き
方に慣れ、春の到来を高らかに告げている。前方に鳥飼山の先鋒が目に入る。貴公子さんがいろ
いろ説明してくださるが、頭には入らずスースーと抜けていく。(^^;
高畑峠への道 鳥飼山山頂
 高畑峠への道は広い。途中に鳥飼山や大舟寺への案内プレートがある。こちらの方も歩いてみた
いなぁ。

 駐車場から35分で高畑峠。北の鳥飼山をめざす。とりつきこそ狭いがよく踏まれた道だ。
「ええ道やないの!」 宝塚市香合(こばこ)新田との市界尾根を北に歩く。
ヒサカキの匂いがする。独特の匂いに春の到来を実感する。
テープが行く手を案内してくれる。その上、木に赤いペンキが10mおきくらいに塗られている。先日
の高岳から奥山へ歩いたときにも塗ってあった。テープなら取り外しができるが、ペンキは消しようが
ない。しばらく歩くと尾根は北西に向きを変える。ここからは猪名川町との境界尾根だ。チェーンソー
のような音が下から聞こえてくる。貴公子さんによると猪名川サーキット場らしい。そういえば、波豆
川へ来る途中、モトクロバイクが前を走っていた。息子と同じようなバイクだったので印象に残ってい
た。

 鳥飼山はあまり広くはないが、これから向かう昼ヶ岳、行者山が見渡せる。貴公子さんにレクチャ
ーを受け、今日の行程を確認する。赤ペンキは高畑峠へ向かう途中にあった登山道の方に下りてい
る。
 昼ヶ岳へのテープと踏み跡に従って少し西に下り、境界に沿って北へと歩く。
大船山が大きい ヒサカキの花が咲くと春
 木の間から大船山が大きい。高いところにあるアセビの花を引っ張り、幸さんと交互に撮影する。
ダンコウバイ アセビ

 いったん下り、Ca520mピークへの急登を喘ぎながら登る。もぐさんの後ろをついていく。登りきる
とダンコウバイが迎えてくれる。
 
軍艦のような岩 反射板から霞む大阪方面
 554mピークを過ぎると西側は谷となり、小さな流れができている。その源頭部に大きな岩がある。
軍艦のような岩、と貴公子さんはおっしゃっていたが、なるほどそう見えないこともない。
 岩を横に見て少し登ったところに関電の反射板がある。ここから東の展望がすばらしく、今話題の
ポンポン山も見えるともぐさんに教えてもらう。南には大阪の街が霞んでいる。ビル群を見るのは久
しぶりだ。しばらく展望を楽しみ、昼ヶ岳南峰に向かう。
昼ヶ岳南峰 南峰北斜面から昼ヶ岳北峰を望む

 南峰のピークは、尾根の途中のようで山頂という感じではない。プレートがなければそうとはわか
らない。
北峰の急斜面を登る プレートいっぱいの昼ヶ岳北峰
 南峰から下り、次の北峰をめざす。木の間からきれいな三角形の北峰がのぞいている。北峰の南
斜面も急登。またまたもぐさんの後ろにつき、木や枝に掴まりながら登る。空腹のためか足も重い。
 昼ヶ岳北峰(595m)山頂は、木に囲まれ展望はない。猪名川サーキットの音がさらに大きくなる。
周りの木々にはたくさんのプレートが架かっている。数えると13個も。「ちょっとつけすぎやね。」
 幸さんからおはぎをいただく。空腹の虫がうるさく鳴いていたが少しおさまる。(^o^)
 「昼食は内田池でしましょう。」ということで、内田池へ下りていく。
気持ちのよい雑木の林
 内田池東はなだらかな斜面で、いい雰囲気の雑木の林。「なかなかよろしいなあ。」と貴公子さん。
内田池奥の溝に沿って歩く 内田池

 下ったところに人工とおぼしき溝。左右どちらにも行けそうだがここは左のとり、溝に沿って西に歩
く。すぐに内田池の堰堤に出る。堰堤からは北西の山々を見ながらお昼ご飯を食べる。山一つ隔て
ただけでサーキットの音は全く聞こえない。
静かな内田池
 ここから後半の歩きが始まる。行者山に向かい、尾根にとりつく。前半に比べ少し枝が張りだしてい
るが、踏み跡はしっかりしている。生野の山の島田さんから電話が入る。あちらは雨らしい。その雨が
こちらにもやってきているのか、西の方が少し霞んでいる。
 直下の急登を登り切ると行者山(Ca500m)。その名の通り、昔は役行者にまつわるものがあった
らしい。石組みが残っている。
行者山への尾根にとりつく 行者山の祠跡?
 行者山から南へ尾根を歩く。少し藪っぽい。Ca530mピークまでの東斜面にタムシバが咲いてい
る。雨が降ってきた。樹間を歩いているのでそれほど濡れない。
昼ヶ岳北峰 大野山
 東に開けたところから、行者山から昼ヶ岳北峰、鳥飼山の今日歩いた山並みが一望でき、大野山
の丸い天文台ドームも確認できる。
ミヤマシキミの蕾 十倉峠

 487mピークを過ぎ、迷いやすい尾根を地形図で確認しながらCa500mまで歩く。ここからの下り
も方向を誤らないよう注意が必要だ。
 いったん下って最後の489mピークへ登り返す。鞍部手前から、南北に長い千丈寺山が西に見え
る。teihaiオフがあったのがついこの間のように思える。千丈寺山も今歩いている尾根とよく似た雰囲
気だったと記憶している。
 ミヤマシキミがもう少しでぐ蕾を膨らませようとしている。最近では、園芸店でミヤマシキミが売られ
ているとか。
 いつの間にか雨もやみ、空が明るくなってきた。
根性の木 (クヌギ) カナディアン大磯

 489mピークから下ると、最終目的地の十倉峠。十倉と波豆川を結ぶ峠だが、大船山への登山道
の分岐でもある。大船山への道は非常によく踏まれ、何年か前に来たときに比べ道幅も拡がってい
る。
 少し休憩し、峠から東へ下る。道のそばには、こぶのある太いクヌギがたくさんある。昔、炭焼き用
に伐採され、そこから芽が出てこぶになっているらしい。この辺は池田の菊炭用に切り出されたので
はないかという。  
 シーズンオフのカナディアン大磯は静まりかえりウグイスの声だけが響いている。鳥飼山を仰ぎなが
ら今日の行程に想いをはせる。波豆川はさらさらと春の流れ。猪名川を抜けて帰られる貴公子さんた
ちと別れ、帰路につく。


行った日 3月20日(土)
行った人 貴公子さん、幸さん、もぐもぐさん、たぬき
山行タイム 波豆川8:20〜高畑峠8:45〜鳥飼山9:15〜
昼ヶ岳南峰10:40〜11:00ー11:15昼ヶ岳北峰〜
内田池11:30−12:10〜行者山12:35ー12:40〜
Ca530ピーク12:55〜Ca500ピーク13:55〜489ピーク13:50
〜十倉峠14:05ー14:10〜波豆川14:35
2.5万図 木津