氷ノ山 ぶんまわし尾根〜東尾根を歩く |
兵庫県関宮町 |
大平頭付近から氷ノ山を望む |
各地に大きな被害をもたらした台風が通り過ぎた。台風一過を期待し、氷ノ山を目指す。暑い夏は、大 段ヶ平からのコースが楽でいいのだが、今日は、大平頭、赤倉山から山頂を目指す予定だ。 福定に車を置き、大久保から「ホードー杉、氷ノ山」の標識に従って歩いていく。氷ノ山はガスの中。こ のガスがお昼には晴れてくれればいいが・・。集落が切れたところから渓流に沿って歩く。雨がよく降った のでドードーと音を立てて流れている。 小さなキャンプ場の近くで道を誤り、すぐに引き返して登山道に戻る。濡れた岩の上で滑り、右肘を強 打してしまった。「いたーっ!骨は異常なさそうやな。」 ちょっとした油断が大きなけがを招く。最近、中 高年の事故が多いとしきりに報道されている。気をつけねば・・・。 |
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よく歩かれた道だが、至る所に小さなゴミが落ちている。空き缶も多い。 このところあまり山を歩いていないので、登りばかりの道は結構しんどい。やがてブナの木が目立ち始め るようになる。深呼吸し、ブナの匂いを胸一杯吸い込む。「やっぱりブナの森はいいなあ。」 |
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樹林帯を抜けると、一面笹の鉢伏高原に出る。登山道は高原の一番南の縁なので、右に気持ちよさそう な高原が広がる。登るにつれ、様々な花々が現れ、登りのしんどさを忘れさせてくれる。 高度を上げるに従い、大久保の民宿街や村々が見えてきた。しかし、登り始めたとき見えていた鉢伏山 の頂上は、ガスに隠されてしまった。 歩き始めてから1時間半あまりで、鞍部(1019m)にでる。「ここでやすもか。」 心地よい風に吹かれ、汗 が引いていく。バナナと甘納豆でエネルギー補給。これでまた歩けるな。 |
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大平頭への登りは少し急で、ロープが設置してある。登り切ったところがホードー杉への分岐。たじまもり さんのレポートを読んでホードー杉を見てみたいと思っていたが、今日は先があるのでパスをする。いつか必 ず訪ねてみたい。 少し色づいたナナカマドが青空に映える。両側が低木なので夏の太陽がまともに照りつける。幸いにも今 日は涼しい。 鞍部から30分ほどで、大平頭の避難小屋。氷ノ山がくっきりと見える。 「近いように見えて、頂上まで遠いなあ」 しばらくあまりアップダウンのない道を歩く。右に扇ノ山が近い。ブナの林が日ざしを遮ってくれる。ここも癒 しの森だ。 布滝頭から次のピークを越えると、ロープのある急な下り、それに続く赤倉山への登り。木の根を頼りに「よ っこらしょ。」とよじ登る。赤倉山東面の巻き道を歩き、少し下れば氷ノ山越え。「やっとここまで来た。」 あとで聞くと、父たぬきはここからエスケープしようかと思ったそうだ。登りはじめてから3時間ちょっと。それほ どしんどいコースではないが、ここしばらく山を歩いていない身にはこたえるようだ。 ここで、一休み。ほどなく舂米から男性3人組がにぎやかに到着。懐かしい鳥取弁だ。 甘納豆、あんパンで最後の登りに備え、水分を補給する。 |
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氷ノ山越えから山頂までは、ずっと以前に登って以来なので、どんな道だったのかすっかり忘れている。ブ ナの林を抜けてくる風が心地よい。中学生くらいの男の子を連れた親子連れに追い抜かれるが、今日は後 を追いかける余力はない。自分のペースで少々重くなった足を運ぶ。岩のゴロゴロした道は歩きにくい。 甑岩が見えると頂上も近い。甑岩をすぎると木の階段の広い道になる。 「あれ?こんな階段あったかなあ?」 |
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歩き始めてから約4時間半。ようやく山頂に着く。今年になって初めての氷ノ山だ。頂上には、10人ほどの 人が思い思いにお昼ご飯を食べている。 昨年7月に来たときには隠岐まで見えたのに、だんだんガスって来た。東は藤無山が確認できるものの、 丹波の山々は今日は見えない。 さて、お昼にするか。鳥取県が建てた避難小屋の二階に上がる。食べている間に、三の丸方面も瞬く間に ガスに隠されてしまった。 無線で呼んでみると、笠杉山移動のJMMさんから応答がある。登山道には、去年はいなかったヒルがたく さんいたそうだ。(T_T) 段が峰をMTB(マウンテンバイク)で縦走中の島田さんとも交信していると、だんだん 寒くなってきた。 「そろそろ下山しよか。」 展望がよくなる見込みもないので、下山にかかる。氷ノ山越えの反対側、東尾根 を下りることにする。 |
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山頂から1時間45ほどで、東尾根登山口に降り立つ。ここから氷ノ山国際スキー場のリフトそばの下山口 からリフトに沿った道を下りる。いつもになく足が疲れている。 「後ろ向きに歩いたら楽かも・・。」 立山で後ろ向きに下りている人があったことを思い出し後ろ歩きをやって みる。確かに足が楽だ。 分岐を福定方面へ。いったん下りて渓流沿いの道を歩く。使われなくなったいなきが朽ちずに立っている。 耕作されなくなった田は草に覆われて野原と化しているが、いなきが田んぼがあったことを教えてくれる。 |
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出発してから8時間あまり、無事、車に戻る。久しぶりによく歩いた。氷ノ山は中腹までガスにすっぽり覆わ れてしまい晴れそうにない。 9号線沿いに昨年12月オープンしたとがやま温泉に入り、さっぱりして帰路につく。 |
花の写真はこちらをご覧ください |
行った日 | 03.8.10(日) |
行った人 | たぬき二人 |
山行タイム | 福定7:02〜ぶん回し尾根8:39ー8:51〜大平頭避難小屋9:19 〜氷ノ山越え10:16ー10:28〜山頂11:27ー12:43〜 神大ヒュッテ13:07〜東尾根休憩小屋14:00〜東尾根登山口14:29 〜氷ノ山国際スキー場下山口14:40〜福定15:15 |
参考地図 | エアリアマップ 氷ノ山 |