氷上町に「鴨内」という集落がある。五台山へのアプローチで鴨内峠からというコースがあるが、
その峠の氷上町側の集落である。今回は、鴨内を囲む尾根を周回すること。ただし、台風などで
荒れているかもしれない。
鴨内に入ると、お地蔵さんのところで道が二手に分かれている。右へすこし走り、広い路肩に車
を停める。準備をして出発しようとすると、犬を連れた男性が歩いてこられたので、井階山への道
を尋ねる。日比宇のお宮さんから登ればいいと教えてもらい、近くに猪柵の入り口があることもわ
かった。
足下にはシャガとオドリコソウが満開。写真は帰りに写すことにし、猪柵をあけて中に入る。見上
げると、植林の中を登れそうなので、日比宇まで行かずに、ここからとりつく。当初の計画もここか
ら登る予定だった。
すぐ尾根にとりつき、藪のない岩まじりの少し急な尾根を登っていく。
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五台山はまだ遠いよ |
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井階山三角点 |
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木の間越しに五台山が見え隠れする。まだ遠いなあ。今日の目的地は五台山ではない。まだそ
の先を思うと自ずと足も速くなる。20分ほどで井階山(325.9m三等三角点 点名新郷)に着く。
テレビアンテナの残骸が放置されている。山頂周りには何段か段があり、戦国の砦か城跡であっ
たと思われる。絹山では一周山とも呼ばれているらしいが、確認していない。大柿さんプレートが二
枚、風に揺れている。
少し下って登り返した隣のピークは井階山よりも平坦で曲輪のあとも明確だ。このピークは三隅山
と呼ばれている。
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途中の岩場から鷹取山、愛宕山のシルエット |
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ヤブツバキの迷路 |
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次の375pをめざし、いったん下って、標高差90mを登る。遠くから見ると目立つ山容。上り下り
がしんどそう。登ってみると、岩混じりの尾根は意外に登りやすく、いつのまにかピークに立つ。こ
こにも段が見られるが・・・。万年(ばんねん)というピークで、井階山から万年に続く尾根は「長尾」
と呼ぶらしい。。
頂上から尾根が北にも延びているので進む方向に注意しながら歩くと、大柿布と古い布がひら
ひらとしている。ロープや古布、ペットボトルがぶら下がった斜面を下ると伊佐峠。古布は鴨内へ
と下りている。松茸山の印かな。
伊佐峠から五台山までは下りなし。まずは、475pをめざす。赤テープもところどころに残ってい
る。急な尾根を登りきると椿の多いやせ尾根。迷路を抜けるように歩き、小さいなピークを二つ越
えると475p。赤松の林で展望はない。ツツドリがのどかに歌っている。おやつを食べていると、い
つのまにか、すぐちかくの枝で啼いている。ふと足を見ると、ズボンを何かが這っている。「ダニ!」
「これからは防虫スプレーを振っておかないとあかんね。」
475pからしばらく歩くと、よく歩かれた道がある。つづら折れに歩いていくと見慣れた「幸世村・」
の石柱。急な植林の尾根を歩いていく。足下にはスミレ。今日初めての花に少し気持ちが和らぐ。
尾根がなだらかになると五台山も近い。すぐに小峠からの道と合流し、鴨内峠からの道に出る。
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五台山山頂から |
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山頂には鴨内から三時間あまりで到着。まだ誰も登っていない静かな山頂。ザックを置き、小野
寺山の石楠花を見に行ってみる。
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石楠花満開 |
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まんかい |
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香良側からのご夫婦連れとすれちがい、駆け足で石楠花のところへ行ってみる。
「咲いてる!」
花の時期に来たのは初めてだったので、満開の石楠花に感激!濃い色、薄い色、蕾など、様々
な姿を見せている。虫たちもうれしそうに羽音をたてながら飛び回る。
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登ってきた尾根は遥か下に・・・ |
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緑のトンネル(鴨内峠への道) |
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山頂にもどる。父たぬきは無線中。先ほどのご夫婦に展望をご案内。単独男性も来られ、しば
らく展望を楽しむ。氷ノ山はほとんど見えず、目をこらせばなんとか白くなってるなあ、とわかる程
度。大江山も霞んでいる。南には中央分水界の山々。西には、登ってきた尾根が低く見える。
サンドイッチを食べ、次のクロイシ山へ向けて出発する。鴨内峠への道は新緑に彩られ、気持
ちがいい。
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クロイシ山へ |
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左のピークが栗栖方面への分岐 |
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鴨内峠からクロイシ山までも登山道が整備され、藪こぎもなく快適に歩ける。峠から20分ほど
でクロイシ山(555.9m 点名曼田良 四等三角点)。山頂にはテープなどがたくさんあったが
整理され、少なくなっている。親不知方面と穴裏峠への標識がある。親不知への尾根は以前は
歩きやすかったが、昨年の台風で倒木等が多いと聞いたが、どうだろう?
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この景色を見ながら昼食 |
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少し早いがクロイシ山から少し南の展望のいい尾根でお昼にする。真っ青な空に一筋に飛行機
雲。ズボンに付いたダニを払い、おにぎりを食べる。これから歩く尾根の向こうに岩屋山から飛び立
ったパラグライダーが浮かんでいる。粟鹿峰、大箕山、少し位置をかえれば床尾山系も・・・。水山、
千ヶ峰、安全山・・・。
「静かでええとこやねえ。」
青葉山からCQが出ていたのでそれに応えてから本日の後半のコースをめざしてスタート!
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栗栖山頂 |
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ギンリョウソウ |
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鴨内峠のほうに少しだけ戻り、西に延びる尾根にとりつく。切った木を降ろしたときに使った滑
車が放置されている。栗栖への尾根は弧を描いたように曲がっているので、地形図を見て、方
向を確認しながら歩く。また「東」と彫られたコンクリート柱と紅白のポールが立ち、しばらくはそ
れをめあてに歩けばよい。このポールはクロイシ山から穴裏峠への尾根にもあり、「東芦田林野
調査」の文字が確認できる。
511pから西南に歩かないといけないのだが、現在地が不明。少し戻ったりしながらなんとか
栗栖(450.2m)への尾根にとりつく。その間に、夜久野西尾根のIXW島田さんから無線でコ
ール。父たぬきが状況を伝えている。
栗栖までは比較的アップダウンがない。松が枯れ、それが倒れて少し歩きにくい。昔は松茸
がよく生えたんだろうな。
クロイシ山から1時間あまりで栗栖山頂(450.2m 点名東芦田 四等三角点)。大柿さんの
プレートがぶら下がっている。大柿さんはここから小谷と東芦田の尾根(青垣・氷上町界)に進ま
れたようだ。
展望のない静か山頂、木の間から吼子尾山が少しのぞめる。
さて、ここから次の366pをめざす。町界尾根との分岐が要注意ポイント。右に町界尾根を見
ながら予定の尾根にのる。しかし、366pへの登りはすばらしい藪で、しかも鹿よけネットが歩
きにくさを増幅。足を引っかけて転倒。膝をおもいっきり打つ。そして、そのすぐあと今度はサル
トリイバラに引っかかる。進もうにもなかなか進めず、短い距離なのに藪突破に時間がかかる。
大きな岩のある366pにようやく到着。366pからは藪もなく歩きやすくなる。279pとの鞍部
に破線の道があるので、これを利用して鴨内へ下りる。
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芹田神社の裏へ下りる |
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オドリコソウ |
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はじめは、きれいな道だったが、伐採された木が道をふさぎ、道を見失う。といっても神社の屋
根がすぐ下に見えるので、木を乗り越えて下っていく。猪柵の戸を探すのに少し手間取ったが、
無事、神社裏へ下りる。
芹田神社という延喜式のお宮さんで、村の人たちによって大切にされているようだ。神社を出る
とたくさんのオドリコソウが迎えてくれた。
車まで歩いていると男性がおられたのでいろいろ尋ねてみたが、山名などはあまりご存じない
ようだった。
車に戻ると、近くで三,四人の小学生が遊んでいる。
「おばちゃん、この山にカブトムシの幼虫おる?」
「くわがたは?」
「さあ?まだいなかったよ。」
そばにいたどりがあったので、
「これ食べられるよ。」と皮を剥いて渡す。「えー、これたべられるん?」
「おばちゃんが子どもの頃はよく食べたよ。」
子どもたちは竹藪の中に入っていった。
いたどりは酸っぱかったかな? これからもいっぱい山や野で遊んでね。
後半の藪が少ししんどかったが、今日も計画通り歩くことができたね。(^^) |
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井階山〜五台山 |
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