三春峠〜大谷
兵庫 丹波

 丹波市春日町と京都府三和町を結ぶ三春峠に行ってみる。午後からの出発なので三春峠か
ら歩きはじめ、旧の三春峠を下りることにする。
 峠の入り口に木の看板があり、そこに念仏岩と記してある。やまあそさんとこのあたりを通った
ときから気になっていた。今日は念仏岩を捜すのが目的の一つである。

 下山予定の峠の途中に車を1台置き、三春峠にもう1台を置いておく。府県境の「丹波市」の
看板が光っている。

 午後から雨の予報だが、こちらにはやって来そうにない。青空が出て暑い。

峠入り口の看板 三春峠
 峠から藪をかき分けると、南に展望が開け、鋸山連山から三尾山が長く続いている。
 
三春峠から南西方面の展望
旧三春峠 大谷

 尾根は府県境なので歩きやすい。ほどなく旧の三春峠に着く。木に太い赤テープが巻きつけられて
いる。三和町側は「田の谷」、春日町側は「不動・ 花・尾(一部不明)」、来た方の南東には「三春峠」
北西方向に「大谷三角点」。大谷三角点は、昨年やまあそさんと行者山から歩いている
 石仏は?と捜したが、それらしきものは見つからない。三和町側、春日町側ともによい道が続いてい
る。

 念仏岩は大谷の南斜面あたりにありそうなので、まずは大谷まで行ってみる。以前と同じように静か
に三角点がたたずんでいる。この頃から何やら空模様が怪しくなってきた。ジェット機かと思った音は、
雷さんの太鼓。遠雷は次第に近づいてくる。明るかった空も一転曇ってきた。
府県境尾根を歩く ピンクのツツジが付近を明るくする

 これは念仏岩どころではない。引き返し、旧三春峠から春日町側の峠道を下る。ずいぶんと暗くなっ
てきた。そこだけ明るいと思ったらツツジのピンク。急がなければならないが、つい足を止める。昔の峠
道なので、荒れているかと思ったが歩きやすい。
大きな岩の下に・・・ お不動さん

 峠から少し下ったところに大きな岩があった。大きな岩!と驚いていると、少し下にはさらに大きな
岩が・・・。そして、その下にはしめ縄が張られ、不動尊が!
 赤テープの不動、そして地図の鳥居マークだ。なんともユーモラスなお顔に思わず笑ってしまった。
「かわいいね。口をへの字に曲げてるよ。」
「村の誰かをモデルにしたのとちがうかな?」
明治34年3月の銘がある。施主は地元の上三井庄村一同とある。新しい御札も供えてあり、今でも
お参りされているようだ。
 すぐそばには手水鉢があり、岩の割れ目からきれいな水がしみ出ている。

 
  
峠道は快適 尾根を歩く・・・、その後・・

 さて、長居は無用、急いで下りないと・・・。道は植林の中から見通しのよい尾根になる。ぽつぽ
つと落ち始めた。大粒の雨はすぐに土砂降りに・・・。稲妻が鋸山方面に走る。急いで雨具を付け
茂みの中に身を潜め、しゃがんで雷が通り過ぎるのを待つ。光ったかと思うとすぐにガラガラ・・・。
ストックも体から遠いところに置き、落雷に備える。じっとしているとコロコロと落ちてくるものが・・。
「あれ?雹が降ってきたよ。」
大きな粒がころころ転がっている。

 20分ほどすると、雷も遠ざかり雨も少し小降りになってきた。今のうち、と走って下りる。

 
降りたところは「遊歩道」入り口 スイカズラの花

 下りたったところは、古い「遊歩道」の看板が立つところ、地形図の峠道よりも少し下だが、車を
停めたところのすぐそばだった。

 三春峠に戻り、東屋で雨具を脱ぎ、濡れたザックを拭く。道沿いにはウツギが満開。三尾山から
は雲がわき上がり、本格的な夏が近いことを感じさせる午後だった。

 念仏岩はまたの機会に探しに行こう。


行った日 05 6/4(土)
行った人 たぬき二人
山行タイム 三春峠13:30〜旧三春峠13:40〜大谷13:50〜旧三春峠14:05〜
・・・遊歩道入り口14:45
2.5万図 市島 宮田    山行地図


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