伝言板で島田さんが生野の山へいくという。「ほんなら我々も。」といつものように手を挙げる。生
野に集合だが、少し早めに来てと電話がかかる。集合場所に着くと、やまごさん島田さんがすでに
到着。登山口へのアクセスなどを考慮し、島田さんが2週間前に歩いたばかりの高星山へ変更と
なる。
3台で下山予定地の長谷へ。鹿除けゲートを開け、林道を少し上がると空き地があり、そこに島田
さんと父たぬきの車を置く。我が家の車からへんな臭いがする。先日の台風の際に水に浸かったか
らかもしれない。やまご車で鹿除け柵から出たところで道の真ん中をお猿さんが悠々と歩いている。
車を見ると山の中へ走って入ってしまったが、今日はもしかして出会えるかもね。
集合場所でかねちゃん、Sさんと合流し、生野学園へ向かう。ここに来るのは2度目。前回は、ア
セビの咲く頃だったなあ。関東から帰省しただめちゃんたちとあせびオフだったが、全行程ずっとガ
スの中だった。
ふと停めてある車を見ると3台ともH社のもの。島田、父たぬき号もH社なので、今日はすべて同じ
会社の車やぁ!いいことを発見したような気分。
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快晴高星山・・・ |
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リンドウが見送ってくれる |
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さて、今日の高星山は機嫌がいい。駐車場所から支尾根がきりりと見える。
「リンドウが咲いてるよ。」というので全員撮影モード。「ここしか花はないから。」と島田さん。秋の
陽にうれしそうなリンドウの花。先日の台風がうそのような好天。前回は展望皆無だったが今日は
期待できそうだ。
前回のコースは荒れているというので、生野学園の生徒の手で整備されたという新しいコースを
歩く。テープや看板が設置され、これならそれほど苦労なくして登れそうだ。
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真ん中辺りにやまごさんがいるはずですが・・・ |
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倒木で展望がよくなる・・ |
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と思ったのは、はじめだけ・・。「高星山」と書かれた木の標識から道が不明瞭になり、倒木も目立ち
始めてきた。あるはずの道はなくなり、その斜面のほとんど木が倒れている。倒木を乗り越え、くぐり
長くもない脚を精一杯のばし・・・。
「そっち行けそう?」とお互いに情報交換をしながら、といってもどこを行っても同じようなもの。後戻り
もできないので、とにかくこの倒木帯から脱出しなければならない。ふと振り返ると木が倒れているの
ですこぶる展望がいい。法道寺山、岩屋観音の巨岩が正面に見える。ダルガヶ峰もすぐそこ。
「ええ眺めやなあ。」そんなのんきなこと言ってる場合じゃないんやけど。
斜面を登りきったところで大きな岩が行く手を阻む。かねちゃん、島田さんが先行して様子を見に行
っている。残った四人で岩の下を巻けないか見てみるが急斜面で行けそうにない。かねちゃんから何
とか行けそうとのことばに、よろよろと岩をよじ登る。岩を登るとテラスになっていて、すばらしい展望が
広がる。しかし、展望を楽しむ余裕はあまりない。もう一つ上の岩の下を慎重に巻いていくと、倒木の
ない植林に出る。ここから急斜面を喘ぎながら登ると天狗岩への尾根に出た。やまごさんはちょっとバ
テ気味。倒木を乗り越えているときの方がしんどくなかったそうな。
文章で書くとなんということはないが、ここまで来るのに予定の時間より一時間ほど余分にかかって
いる。 |
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東の展望 |
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ここで一休み。無事倒木帯を抜けられてよかったね。みんなの顔がなんとなく安堵に満ちている
のは気のせいか・・。風が吹き抜けて涼しい。Sさんからリンゴをいただき、人心地つく。やまごさ
んは、今日三度目のタオル絞り。島田さんは相変わらずダジャレを連発し、かねちゃんとSさんの
頬はゆるみっぱなし。
高星山まであと一時間ほど。さあ、出発しましょか。尾根にも台風の風は当たったようだが倒木
もなくこれまでと比べれば天国。20分ほど歩くと天狗岩の下に着く。展望が開けて思わず歓声を
あげる。
前回は天狗岩をよじ登って降りたが、今回は安全第一で岩の下の巻き道を行くことに。ここもそ
れほど安全とも言えない。
「そういえば、この岩の下にシャクナゲがあったはずやけど。」と捜すと、すぐ目の前に根こそぎ倒
れた大きなシャクナゲがしおれかけている。まあ、かわいそうに。周囲には倒れずにがんばってい
シャクナゲがあるので何とか咲き続けていってほしいものだ。
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ほっとひといき |
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葉が落ちて冬のよそおい |
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巻いて天狗岩の西側に出る。大きく突き出た岩の右に笠形山が丸い頭を見せている。ちょうど我
々が立っている下が島田さん命名のスヌーピー岩。前回はガスってよく見えなかったが、今回もも
ちろん見えない。(^^;
ここからは少し急な登りもあるが、徐々になだらかな尾根になり、歩きやすくなる。春たくさんの花
をつけていたあせびの大木が根こそぎ倒れている。来春用の花をつけたまましおれかけている。樅
の木は無惨にもほとんど倒れ、「樅の木は残った」どころか、“樅の木は倒れた”状態。北面の雑木
はほとんど葉が落ち、冬枯れの様相。相次ぐ台風に抗しきれなかった木々は早々と冬支度を始め
たようだ。
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高星山頂上から西の展望 |
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天狗岩からおよそ30分あまりようやく高星山山頂に着く。前回はガスの中で低いあせびが群
生していることしかわからなかったが、今日は遠く氷ノ山や三室山などが展望できる。砥峰のす
すきの高原もすぐ目の下。何やら太鼓の音が聞こえる。島田さんによると、とのみね自然交流館
から聞こえてきているらしい。前回の高星山オフの帰りに記念写真を撮ったところだ。
無線機のスイッチを付けるやいなや、OAPさんの声。すぐに応答する。OAPさんJMMさんは
氷ノ山とのこと。あちらも登山口までの林道があちこちで通行止めになっているらしい。お互いの
山の情報を交換し、お昼ご飯を食べる。久しぶりの温かいラーメンはおいしい。 |
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町界の雑木林 |
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時間が押しているので、食べ終わると早々に出発する。山頂から少しも戻って新しく付けられた
案内プレートに従い、大河内町と生野町界を北東に歩く。なだらかな谷と水音、雑木林。何とも言
えないいい雰囲気。かねちゃんはもっとここでこの風景を楽しんでいたいんじゃないかな?残念な
がらまだ先が長いのでここでゆっくりもできない。大河内町側は植林、生野町側は雑木。往きの倒
木が嘘のよう。
しばらく歩いて小さな沢を渡ると木のない空間が広がる。空中庭園と大柿さんが名付けられたそ
うだ。枯れたシダと低いあせび。その先は急斜面で見えないので空に浮いているように見える。
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空中庭園 |
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岩塊 |
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影が長く伸びて・・・ |
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再び沢を渡る。ここから町界を離れて南の点名足尾をめざす。植林の中の登り返しはかなりしん
どい。登り着いた頂上(898.6m)は植林の中で四等三角点が埋まっている。大きな杉の木がす
ぐそばに倒れているが行きの倒木ほどではない。
点名足尾からCa820mピークに行かなければならないのだが、島田さんでも難しい地形を、地
図とコンパスで方向を確認しながら歩いていく。一度歩いているというもののこういう地形は迷いや
すいだろうな。
いったん谷へ降りて少し上り返すと、明るい空間が広がる。
「ここが最後のみどころ!」と島田さん。なるほどこれまでの植林とちがって、大きな落葉樹の平ら
な広場と言った感じのピークだ。西に傾きかけた陽をうけて長い影が伸びる。ピークに立つと眼下
にこれから歩く斜面。目を遠くにやれば、市川の谷の向こうに南北に延びる山々。ええとこやねえ。
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赤松の林もいいなあ |
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鉄塔からの超激下り |
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お茶を一口のみ、次の目標の鉄塔に向けて急な斜面を鹿除けネット沿いに下りていく。右側は赤
松の林。なかなかいい雰囲気。ネットを跨いでしばらく歩くと、はっきりとした道に出会う。前回島田
さんが見落とした巡視路だ。右にしばらく下ると鉄塔に出る。下から水音が聞こえる。滝に近づいた
ようだ。
ここからの下りは道のない植林の中の激下りで、しかも浮き石がゴロゴロしていて下りにくいこと
この上ない。何とか下りきったところは滝への遊歩道。やれやれ。ここまで来ると滝の音がさらに大
きくなり、足尾滝が目の前に現れる。
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足尾滝 |
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最後は林道をぶらぶらと |
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滝に近づくと飛沫がかかり、なんともいい気持ち。滝口から二条に分かれたなかなか立派な滝だ。
「香良の滝とは規模がちがうなあ。」
暑いときなら滝に打たれると気持ちいいだろうね。
滝から遊歩道を歩き、林道に出る。遊歩道も倒木はなく、下山コースは台風の被害も少なかったよ
うだ。こちら側も倒木で荒れていたら・・・、と心配したが、難なく下りることができた。
林道を20分ほど歩くと2台の車が見えてきた。森の中は日暮れが早い。生野学園まで帰り、みな
さんと別れて帰路につく。
せっかく整備された登山道が荒れてしまい、高星山を訪れる人は当分ないだろうということだが、あ
せびの咲く頃にまた行ってみたいね。
島田さん、ご案内ありがとうございました。みなさん、いろいろと楽しい山歩きでしたね。
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