中央分水界の径 鴨内峠〜由良坂を歩く
兵庫 丹波






 瓶割峠〜向山に続き、芳村さんご夫妻をご案内し、五台山を中心とする分水嶺を歩く。前回同行
の島田さんに加え、貴公子さん、のりかさんもご一緒いただく。芳村さんの分水嶺踏査にご一緒で
きるのはこの上なくうれしいことである。
 今回は、鴨内峠から由良坂の分水嶺縦走である。ざっと見積もって5時間。このところ、気温が高
いので水分を多めに携帯する。

 春日インターで貴公子さん、芳村さんご一行とおちあい、南油良公民館へ向かう。島田さんはすで
に到着している。
 島田・たぬき車2台で鴨内へ向かう。久しぶりに訪れた鴨内集落は豊岡自動車道工事のためか、
以前と雰囲気が変わっているように思える。

 集落を通り抜け、一番奥の少し広くなったところに車を停める。ここにも氷上高年低山会設置の標
識が立っている。
 広い林道から木の杭の登山口表示に従って植林の中をつづらおれに登っていく。久しぶりに歩く道
だが、やはりここも以前より整備され歩きやすくなっている。途中で、誰かが車の鍵を拾う。ストラップ
には氷上町内のモータースの電話番号が書いてある。山中で落としたあと、どのようにして帰られた
のだろうか。
(帰宅して、件の電話番号へかけると鍵を落としたという人は、今のところないということだった。)
鴨内峠 鴨内峠から五台山への径

 約30分で鴨内峠に着く。クロイシ山への道は昨年よりもさらに整備されているようだ。ここからが
中央分水界の径。南の五台山へ広い道を歩く。先週日曜日、五台山祭りが催され、前山(さきや
ま)側からたくさんの人が歩いたようだ。緑濃い木漏れ日の道をゆっくり登る。
 「和、しんどいのか?」と芳村さんが奥様の足どりをみながら尋ねておられる。体調を気にかけて
おられるのだ。何十年もともに山を歩いてこられたからこその、阿吽の呼吸。お二人の間に細やか
な思いやりを感じ、心温まる。
五台山町から南東を望む

 五台山頂直下には、五台山祭りの際に仮設トイレが設置されている。早速拝借。
 山頂には、単独男性二人が憩っておられる。ここにくるといちばんにすることが氷ノ山を見ること。
暑いが空気が澄んでいるので遠望がきく。氷ノ山が粟鹿峰の左になだらかな尾根をひいている。
北には、三岳山、大江山連山、由良ヶ岳、青葉山、弥仙山、南にはこれから歩く愛宕山、五大山、
西には、篠ヶ峰、千ヶ峰、三国岳など・・。梅雨入り前の最後の好天、芳村さんに集合写真を撮っ
ていただき、山頂に心を残しながら次の小野寺山へ向かう。
五台山頂にて 鷹取山北斜面の急登

 小野寺山の山名板がリニューアルされている。これも前山地区が五台山祭り前に行ったと地元の
新聞に載っていたっけ。
 小野寺山からの下りは急なので要注意。下りきるとなだらかだ。いよいよ鷹取山の急登。お昼前
でお腹も空いてきた。「登ったらお昼ご飯ですよ。」と元気づけ、一気に登る。
 山頂は風があって涼しいが、陽ざしが強く暑い。木陰を選んで昼食タイム。東の展望抜群。長老ヶ
岳、京愛宕、北摂深山、大野山等々・・。もちろん丹波の山々はいつもより近くに見える。
 
鷹取山から東南の展望

 ゆっくり休んで次の愛宕山をめざす。鷹取山を下りきったところで無線機からOAPさんの声が・・。
早速応答すると、扇ノ山山頂の避難小屋からだ。立ち止まってしばらくお話しする。扇ノ山からでも
かなりクリアに入感していてびっくり。段ヶ峰からJJ3BHN谷口さんのブレイクをしおに歩き始める。
 美和峠には新たに氷上町観光協会の大きな看板が立ち、香良側の岩瀧寺、独鈷の滝を案内して
いる。峠は、このコースいちばんの繁華街といった様相だ。
愛宕山南の岩場から西南を眺望する
美和峠の案内板 愛宕山への急登
 烏帽子山への分岐を過ぎるといよいよ今日のコースいちばんの急登、愛宕の登りである。ロープ
や岩に掴まりながら、お弁当で重くなった体を引きずり上げる。ここは下るより登る方が安全である。
冷や冷やしながら下った昨年の丹波高原アルペン登山大会を思い出す。
 愛宕山付近は以前よりさらに木が伐られ、山頂手前のピークも見晴らしがよくなっている。山頂の
愛宕神社にあるノートに記帳し少し休んで五大山に向かう。愛宕山遙拝所周辺の木も間引かれ、京
愛宕が木々の間から見えるようになってきた。
 愛宕山から鉄塔への下りも滑りやすく慎重に下りる。木が伐られてかえってのぼりおりしにくくなっ
た。
 
五大山から東を望む

 鉄塔からヒカゲツツジの道をひと登りすると五大山山頂。東を見ると、白毫寺側の最初のピークが
切り開かれている。360度の大展望。氷ノ山の丸い山頂も見える。最後の休憩をとり、三日月山へ
下る。
由良坂の芳村さんご夫妻 由良坂入り口の石仏

 三日月山からの下りは松葉で滑りやすい。赤松の林のいい匂いがする。最後は分水界の径と離
れ、少し藪っぽい尾根を由良坂に下りる。
 中央分水嶺はここまで。峠から南油良へ下っていく。以前よりも道がよくなっている。これも高年
会のみなさんのお仕事だろうか。
 猪柵の戸を開けて村に出る。少し歩くと、民家の前に石仏が3体並んでいる。黒井への道標だ。
昔は天王坂よりも由良坂の方が黒井への近道だったようだ。公民館に戻ると父たぬきがみなさん
をお出迎え。公民館の庇でしばし歓談し、芳村さん、貴公子さんたちと別れて鴨内峠へ車を回収に
向かう。
 今日歩いた五大山から愛宕山、鷹取山などが車窓を通り過ぎていく。
 みなさんとともに楽しい一日を過ごせたことに感謝しつつ家路につく。
 

 山行地図はこちらをどうぞ。
 昨年秋の五台山〜石生城山も併せてご覧くださいね。

行った日 04 6/5(土)
行った人 芳村さんご夫妻、貴公子さん、のりかさん、島田さん
たぬき 6名
山行タイム 鴨内登山口9:50〜鴨内峠10:20〜五台山11:00−11:13〜
小野寺山11:25〜鷹取山11:55ー12:35〜美和峠12:50〜
愛宕山13:20−13:30〜五大山13:48ー14:00〜三日月山
14:10〜由良坂14:50〜公民館15:15
2.5万図 黒井